HB Gallery

Blog

11月2023

HB COMPETITION PRESENTS vol.1丹野杏香×えだようこ二人展「HOME」

 

今週の展示は「HB COMPETITION PRESENTS」
記念すべき第一弾は、丹野杏香さん、えだようこさんの二人展です!

HBファイル&ワーク、両コンペの受賞者より選出した作家による企画展で、
受賞の年だけではなく、その後の活動に関しても、
HBギャラリーとしてサポート出来る場所を作れたらという気持ちで始まった新企画です! 
丹野さんはVOL.32で 関戸貴美子賞、
えださんはVOL.33で鈴木成一特別賞を受賞されています!
それぞれお二人にインタビューさせて頂きました。

 

 

ー展示タイトル「HOME」はどのように決められたのでしょうか。
メールなどを通してご相談されたのですか?
タイトルを決めた経緯とHOMEになった理由などをお聞かせください。

 

丹野さん:えださんとリモートでミーティングを重ねながら、いくつか候補を出し合いました。
シンプルなテーマの方がお互い描きやすいのではないか?と言うことで、生活や暮らしを想起させるようなテーマはどうかということにまとまり「HOME」になりました。

 

えださん:丹野さんと何度かビデオ会議をして、お互いにテーマをいくつか出し合ってその中から決めました。ふたりとも人物を描くので、結果的に「HOME」という暮らしに関するテーマが向いていたようです。

 

 

ー二人展のお相手を知った時はどのようなお気持ちでしたか?
二人展での展覧会ということは意識して作品制作をされましたか?

 

丹野さん:普段黒をメインで描いているので二人展だとお相手の絵に対し、圧迫感のある空間にならないか不安はありました。
DM用に仕上げた絵を拝見して、えださんの絵のカラーを取り入れる形にし、空間全体で見た時にバランスが取れるよう意識しました。

 

えださん:丹野さんのイラストは以前から素敵だなと思っていました。なので嬉しかったですし、ふたりだけで展示をするというのもはじめての経験だったので、どんな展示になるだろうと楽しみな気持ちでいっぱいでした。また、制作については二人展だからという意識は特にしていなくて、HOMEのテーマからズレないように自分なりに答えを探して制作したつもりです。

 

 

ーお二人の作品が展示された空間を観て、どのような印象を受けましたか?
実際に展覧会を観て感じたこと、気づいたことなどはありますか?

 

丹野さん:制作段階ではあまりやり取りせず進めていたのですが、お互いに先に見せた絵から受けた印象を念頭に展開していったのかなと思うような作品群でした。
絵自体のぱっと見の印象は似通っていないのですが、共通して意識している部分や対比になっている部分などがあり面白かったです。

 

えださん:お互いに展示会場に作品が並ぶまで、全くどういうものを制作しているのか知らなかったので、完成された空間を見た時は驚きました。打ち合わせもしていないのに、作品数もほぼ同じで色の調和も取れていたので。本当に丹野さんとは相性がとても良かったのだと思います。

 

 

ーお互いへ、お伝えしたいことやメッセージをいただけますか?

 

丹野さん:えださんの描く人や物の形にはあと引く不思議な魅力があるように思います。優しい雰囲気と緊張感が共存しているところが好きです。

 

えださん:お話しているとそんなことまでかぶる?というくらい共通点が多く、運命的なものを感じました。会期中にもお世話になりすぎて頭が上がらないのですが、これからも戦友として仲良くして頂きたいです。笑

 

 

ーお二人の今後の目標や挑戦したいこと、展望などをお聞かせください!

 

丹野さん:気持ちのよい形・美しい面を探求しつつ、これから先も様々な場所で展示ができたらと思っています。
又、絵を立体やテキスタイル、陶器など色々な形にしてみたいです。

 

えださん:私は手書きに見える絵を描いていますが、実際に手書きでも大きな作品を描いてみたいなと思っています。また、ずっと絵本を作りたいという目標があってそれは1月を目安に制作しようと思っています。あとは本やパッケージのイラストのお仕事もたくさんしたいです。

 

津田周平個展「俺だって見してくれ」

今週の作家さんは津田周平さんです。
新作描き下ろしはもちろん、今はなかなか見られない初期作品もご覧いただけます!
手作りのラグや大型の絵など、津田さんの新たな試みもお楽しみください。

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ー個展タイトル「俺だって見してくれ」
そして展覧会のコメントには
《感》①蚊帳の外にいながら、やっぱり見たいと焦るさま。
②沢山の人がいる中、助けを求めるさま。③なにかを主張するさま。とあります。
個展のタイトルは津田さんがつくられた感動詞ということなのでしょうか?
タイトルに込められた想いを聞かせください。

 

タイトルの紹介文を辞書風にしたらおもしろいかなと思っただけで、感動詞の《感》に特に意味はありませんが、意味や内容はタイトルに込めた想いに即しています。
僕は家にいる時大抵布団の中にいるのですが、それでも家族が何か見たり読んだり楽しそうにしていると、気になって「俺だって見してくれ」と焦って言う癖があるらしく、怠け者なのに仲間外れにされたくないという性格が家族から呆れられています。
タイトルを考えている時、僕を一番表す言葉としてこの口癖が上がったので使うことにしました。意味を少し前向きにして、40過ぎの自分だってまだいろんな世界が見たいんだ、というような解釈にしました。

 


ー2019年の春から本格的に絵を描き始め
その後は数々のコンペに入賞、
昨年のMAYA装画コンペでは見事グランプリを受賞されました。
直近では12月発売予定の「巣 徳島SFアンソロジー」の装画も手掛けられ、目覚ましい活躍をされています。
多くの人に津田さんの作品が支持されるようになってからご自身の絵の向き合い方に変化はありましたか?

別に目覚ましい活躍はしていません。定期的な絵の仕事が欲しいです。それかめちゃくちゃ高い値段で絵が売れたらいいのにと思います。確かに多くの人に見てもらえるようにはなったので、僕にしか描けない絵を描きたいと思うようになりました。逆に駄作でもいいからなんでも描いてやれという気持ちが萎縮してしまったようにも思います。描きたいものだけ描いていては発展がないのかな…という自分の葛藤から来るプレッシャーでイメージが固まらずにぼーっとして描けない時期も続いて怖かったです。とにかく絵を描くくらいしか出来ることがないので、それで成功したいです。
ただその為に絵を自在に変えるという器用さはありませんが、もし仕事の声をかけてくれる人がいたら、その人が何を意識しているかは考えたいです。


ー津田さんの作品にとって「子ども」は大きなテーマだそうですね。
子どもを描かれるときは、
津田さんのお子さまを意識されていますか?
もしくは誰の心にもある「子ども」という存在なのでしょうか。
これからも子どもを描き続けていかれますか。
自分の子どもを意識しながら描きます。とても良い親とは言えませんが子どもが好きです。一緒に生きててくれてありがとうございますと思います。でも自分の子どもはどんどん大きくなるので、いずれ僕の思う子どもを描くことになると思います。宮沢賢治風に言ったらかあいらしいものを描き続けたいです。かわいいというよりかあいらしいです。同じ意味だけど。
子どもと暮らしていると最高なことばかり起こるので楽しいです。忘れないようにしたいです。誰の心にもある「子ども」までイメージを包括できている自信はありませんが自然にそうなっていてくれたらいいです。

 


ー今後、津田さんが挑戦されてみたいことや、展望などをお聞かせください。

スマホを見るのをやめたいです。あと腹が異常に膨らんでいて肝臓が悪いので死なないようにしたいです。
なにより絵本を描いてみませんかと言われているのでそれをなんとか必ず完成させたいです。手がピタッ!っと止まっていますが、スマホのせいです。生活に関わりすぎていて難しいですが、頭の中のスマホをバキバキに折ってまずは絵本を完成させたいです。集中力はあるのでできるはずだと思います。それしかありません。
自分の子どもには絵を描く謎のおじさんみたいになっているので、わかりやすくいいところを見せたいです。

 

 

津田周平個展「俺だって見してくれ」作品リスト

2023年11/10(金)~11/15(水)開催の津田周平個展「俺だって見してくれ」

展示作品一覧です。会場ではこのほかにミニ原画やZINEのお取り扱いも!

作品は後日HBギャラリーオンラインショップにも掲載いたします。

 

 

No.1   額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥85,000-(税込)

 

 

 

No.2 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥80,000-(税込)

No.3  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥77,000-(税込)

No.4  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥77,000-(税込)

 

No.5 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥80,000-(税込)

No.6  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥20,000-(税込)

No.7  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥50,000-(税込)

 

No.8 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥65,000-(税込)

No.9  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥68,000-(税込)

No.10 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥80,000-(税込)

No.11  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥77,000-(税込)

No.12 作品(木製パネル)外寸:約 90cm × 90cm、 ¥200,000-(税込)

No.13 作品(板)外寸:約 50cm × 30cm、 ¥60,000-(税込)

No.14 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥60,000-(税込)

No.15 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥60,000-(税込)

No.16 作品(キャンバス)外寸:約 33cm × 24.5cm、 ¥35,000-(税込)

No.17 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥40,000-(税込)

No.18 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥48,000-(税込)

 

No.19 ※プリント作品
額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥15,000-(税込) / 額なし、シートのみ ¥7,000-(税込)

 

 

作家による手作りラグ作品。中央のNo.24は非売です。
作品外寸: 30cm × 40cm程度(詳細はオンラインショップに記載)

No.20,21,22,25,26,28 ¥28,000-(税込)

No.23,27 ¥35,000-(税込)

高山裕子個展 「緑のざわめき」

今週の作家さんは高山裕子さんです。
個展自体は4年ぶり、HBでは7年ぶりの個展となりました。
心地よい風や葉音が感じられる、今の季節にぴったりな緑の景色が広がります。
アクリル絵具やテンペラによる、見応えある原画をお楽しみください!

展示作品を一部オンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ー高山さんはコロナ渦には個展をされず、今回の個展が4年ぶりの開催となりました。
今回の展示作品では、コロナ渦以後、180度変化された高山さんの日常を作品を通して表現されたそうですね。
日常の大きな移り変わりによって、高山さんの絵に対する向き合い方や制作の進め方などにも変化は生じましたか?
 

最近、生活環境が変わり、より限られた時間の中で集中し、1枚の絵をゆったりしたペースで描いていくスタイルに変わりました。

 

 

ー”いつか行きたい風景”を主要テーマに作品制作を続けてこられた高山さん。
そのイメージを絵として表現するために、何か参考にされるものなどはあるのでしょうか?
 

日常の中で切り取られる気になる場面を写真に収めたり、本や雑誌などの切り抜きを集めたりと常に気持ちのいい風景を探しています。

 

 

ー個展では高山さんが装画を手掛けられた「愛という名の切り札」(谷川直子著/朝日新聞出版)の原画も展示されています。
マットな質感の美しい作品はテンペラ絵具で描かれているとお聞きしました。
高山さんがテンペラ画をはじめられたきっかけは何だったのでしょうか?
これまで描かれてきたアクリル絵具と比べて、
扱いの違いやテンペラ画だからこそ表現できる点などがあればお聞かせください。
 

何年か前に、学生時代の恩師にテンペラ画をやってみたらと勧められました。慣れた画材ばかりだと同じような表現になってしまうので。テンペラ画は思うように色が乗らなかったりと不便もありますが、そこがアクリルとは違う深みなどを表現してると思います。

 

 

ー前回の個展では作品をファブリックにされた”着れる絵”を発表されました。
そして今回の個展ではハンカチやワッペンなど、布小物にも展開されており、
特にハンカチはドローイングとハンドプリントを重ねた1点もので、高山さんのこだわりを感じます。
高山さんがご自身の絵をファブリックにまで広げられたきっかけや理由などをお伺いできますか?
 

絵を見ることに馴染みのない人にはなかなか見てもらえなかったりします。もっと身近にアートを取り入れて欲しい思いで布の制作を始めました。

 

 

ー高山さんが今後挑戦されたいことや、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。
 

装画のお仕事を中心に、絵本も2冊目が取り組めるようになるといいなと思います。大きな作品も描いてみたいです。