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6月2019

HB FILE vol.30&HB WORK vol.1

新しいこと、変わらないこと、これからのHBコンペ

 

 

HBFILEコンペは今年で30回を迎える事が出来ました。

今まで多くの方にご応募頂き、ギャラリーにも良き出会いがたくさんありました。

これからも続けていけたらと思っております。

 

その上で、日々変化するイラストレーターの現状を感じ、

もっと直接的にイラストレーターの助けになるようなコンペを

立ち上げたいと以前から考えておりました。

 

 

HBWORKコンペは、受賞者にお仕事の発注がいくコンペです。

また今回、ギャラリーとしては初めて、データでの作品募集となります。

 

応募要項のイラストレーションは、今もっとも勢いのある一乗ひかるさんの

お力をお借りしました。

 

SNSを使いこなす新世代の作家の方や、既に活躍していて新規開拓したい方も

ぜひお気軽にご応募頂ければ嬉しいです。

 

立ち上げたばかりで整っていない所もあるかと思いますが、

新しい試みにワクワクしています。

 

一緒に作り上げるような気持ちで、ご応募頂けたらとても嬉しいです。

 

先行でこちらのパスマーケットに詳細をUPしました。

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/016i8510ab0ja.html

小冊子とギャラリーのHPの応募要項は近日中に公開します。 

 

たくさんのご応募お待ちしております!!

 

佐野みゆき個展「家の事」

今週の作家さんは佐野みゆきさんです。初個展となりました。
台所まわりや使い慣れた調理器具、食べ終えた食卓、晴れた日の洗濯物…など、普段の何気ない生活の風景を描かれている佐野さん。光や空気感を丁寧に捉えた、存在感ある作品たちです。ぜひ原画をご覧いただきたいです!

 

 

 

佐野さんの穏やかな暮らしぶりが感じられる今回の作品たち。一度写真に撮ってから、アクリルガッシュで描かれているそうです。水彩絵具で描くように、薄く塗り始めて少しずつ重ね塗りをしていくような感覚で描くとのこと。描いているときは、あまり何も考えていないそうですが、出来上がったものを見てしばらく経ってみると、何でもない日々を描いているけれど、そういう日々も案外悪くないんじゃないかと、自分の絵を見て思えたという佐野さん。そんな気持ちが嬉しくて、枚数を重ねていくことが出来た気がする…とのこと。

 

 

 

京都精華大学洋画コースで学ばれた佐野さん。在学時は油彩でアニメーションを制作されていたそうです。卒業後は、アニメーション制作会社へ就職し、現在はフリーランスのアニメーターをしながらイラストレーターとして活動中。元々は写実的なタッチではなかったそうですが、約2年前に山田博之さんのイラストレーション講座へ通われたことがきっかけで現在のタッチになったそうです。色々な画風の中から、山田さんが評価してくれたのは、素直に描かれた何気ないトーストを描いたものでした。

絵で食べていくことは、ストイックさや才能、尋常ではない集中力が必要だとどこかで思っていたという佐野さん。でも今は、ラジオを聴きながら、ダイニングテーブルで絵の具を広げて、軽い気持ちで描いている。そういうものが少しずつ評価されたり、お仕事に繋がったりすることが少しだけ見えてきて嬉しいそうです。

 

 

一生に一度は個展をやってみたいと思っていたという佐野さん、なかなか踏み出せなかったそうですが、やろう!と今回思い切って挑戦されたそうです。先日、初めて小説の扉絵を描くお仕事を経験。その後も装画のお仕事が続いたそうで、いい流れが来ているようです!本の装画や文芸にまつわるお仕事、婦人系雑誌や広告のお仕事などに興味があるとのこと。今後のご活躍が楽しみです!

 

 

マツキナオキ個展「atmosphere」

今週の作家さんはマツキナオキさんです。初個展となりました。
アパートの電灯、自動販売機の光、老舗テーラー店の灯り…など夜になると浮かび上がってくる街の灯りを描かれました。実際にマツキさんが見た景色や、行ってみたい廃墟の光景を、臨場感溢れる筆致で描かれています。お楽しみに!

 

「久が原 — 雨の住宅街」

atmosphere = 空気感
普段からどんなモチーフを描くときにも「空気感」や「雰囲気」を大切に描かれているというマツキさん。今回の初個展ではそれらの大事にしているものを自己紹介代わりに、夜景をテーマに描かれました。やわらかなコントラストが美しいマツキさんの作品、暗い画面の中に最後に光を描き足すところが楽しいそうです。途中までは「これでいいのかな」と思いながら描き進めるそうですが、光を描き入れて絵が浮かび上がってくると「あ、これでいいんだな」と嬉しくなるそうです。原画はその場に居た空気感や、実際に目で感じた光の感覚がそのまま映し出されているような豊かな表現力です。

 

「大森 — 団地前の電話ボックス」

 

「久が原 — アパート前」

普段はITエンジニアとして会社員をされているマツキさん。お勤め帰りに週1回、街の絵画教室に約10年間通われていたそうです。教室では、人物デッサンや静物デッサンを中心にアクリル絵の具で描かれていたとのこと。雑誌『ILLUSTRATION』を読み、絵画的な表現をイラストレーションに生かせることができるんだと思ったそうです。1年半前にイラストレーターを目指し、山田博之さんの塾へ通い始めます。塾での課題がきっかけで夜景を描くことが楽しくなり、今回の個展テーマとなりました。夜に自転車で取材に行き、朝4時に起床し1時間半ほど描いてから会社に行く…という日々だったそうです。

 

「蒲田 — 池上線ホーム」

「洗足池 — 灯籠流し」

 

イラストレーションのお仕事はこれからというマツキさん。装画など本にまつわるお仕事に憧れがあるそうです。すぐにお仕事に繋がりそうな力作揃いです!ぜひ見に来てください!

 

「久が原 ― アパート前」

「金沢 — 閉店後の洋品店」

扇谷みどり個展「乙女百景」

今週の作家さんは扇谷みどりさんです。ご自身初めての個展開催となりました。
野球やブランコ、釣りに七輪焼き…好きな服を着て思い思いに楽しむ、元気いっぱいな女性たちが登場します。ぜひお越しくださいませ!

 

着飾った女の子たちが少し変わったことをしている扇谷さんの作品。普段女の子たちがやらないようなことや、やらせてみたいアクション、スポーツする姿を描いているそうです。ただ描くだけだと男っぽくなるところを、色とりどりの服で女性らしくカバーしているとのこと。透けた服がお好きだそうで、レースや編み目の大きなニットから覗く服の色もポイントに。
描かれた女性の国籍もさまざま。ある時、ゲームのキャラクターを見ていると、様々な人種が登場していることに気がついたそうです。髪が金色の人、肌が茶色い人、肌が白い人。自分は白い肌の人ばかり描いていたなと気づき、今回新たに描かれたそうです。

桑沢デザイン研究所でパッケージデザインを学ばれていた扇谷さん。就職後は様々なイラストレーションコンペに応募されていたそうです。サマーニットを着てワカサギ釣りをしている女の子の絵が、大島依提亜さんのチョイスで見事入選に選ばれました。その後はTIS公募展で金賞を受賞されるなど、いま注目の作家さんです!
服がお好きだそうで、まず服を描ける構図を考えることから始まるそうです。着ているもので女の人の個性が出る気がする、と扇谷さん。

 

 

絵を描くこと以外では、自転車で遠出するのがお好きだそうで、四国と本州を結ぶ、全長75kmのしまなみ海道を横断されたご経験もあるそうです。オリジナルの絵にも自転車をこぐ女の子が多く描かれ、その絵をきっかけに『偽姉妹』(山崎ナオコーラ 著)の装画のお仕事に繋がりました。物語を読み、新たに描き下ろしたそうです。デザインは大島依提亜さん。

 

服の柄やニットの編み目を描き込むことが楽しい、と扇谷さん。ファッション関連のお仕事も今後やってみたいそうです。アクティブ系の活動そのものをアピールするような、楽しいイベントの広告など、外へ出て何かしたくなるようなビジュアルも描いてみたいとのこと。今後益々のご活躍が楽しみです!

 

川﨑真奈個展「風の音」

今週の作家さんは川﨑真奈さんです。HBでは約2年半ぶり、2回目の個展開催となりました。
うたたねをする午後、海辺のサイクリング、チェリー入りのレモンスカッシュ。ゆったりと心地のよい時間が感じられる作品たちです。お楽しみに!

「うたたね」

今回のテーマは、風を感じるような心地よさ。静かな佇まいの人物と温かな色彩が魅力です。描くモチーフは日頃から気になったものは写真に撮り、資料としてストックしているそうです。実在する人やモノをモデルにしても、描いていくうちに全く違う方向へいくことが多いそう。描きたいと思う人がいると描きやすく、そこからまた発想が出てくるのだそうです。

 

「空風」

「セーターはネイビー」

2年半ぶりの個展。またやってみようと思ったきっかけは、仕事の絵は描いていたけれど、作品として向上させる機会はある程度、定期的にあった方がいいなと思ったとのこと。前回の個展をした後は、しばらく展示はせずに仕事を増やす方向に集中しようと思ったそうですが、期間をおいてみると、作品を通して自分を見つめ直したり、オリジナルの作品を描くことが無くなってしまったそうです。

「彼女の部屋」

展示することによって、また初心に戻ることができる気がするとのこと。のんびりしている性格だけれど、個展というハードルを設定してある程度追い込まれる…、自分に課す、という気持ち、と川﨑さん。売り込みは個展を開催することのほか、展示した絵を冊子にし、デザイン会社や出版社へ少しずつ送っているそうです。今までやったことのない広告のお仕事やファッション関係のお仕事もやってみたいそうです。丁寧に描かれた作品の数々、ぜひご覧いただきたいです!

「注文の多い料理店」