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9月2019

藤枝リュウジ個展「ポッポッポ はとポップ」

秋の恒例企画展、今年も藤枝リュウジさんの展覧会がはじまりました!
今年はハトが主役! 鳥をテーマにすることは初めてという藤枝さん。お仕事の絵本制作で鳥の絵を描いたことがきっかけだったそうです。今回もすべて描き下ろし作品です。藤枝さんの最新作、ぜひ見に来て下さい!

ポスターやDMに描かれたタイトル「ポッポッポはとポップ」の文字は、藤枝さん自らがテープを切り貼りして描いたもの。

 

作品そのものにもマスキングテープを切り貼りした遊び心いっぱいの楽しい作品たち!
大胆な余白も、藤枝さんが描くと心地良いものばかりです。
即興的に描く部分も多く、失敗すると破り捨てることもあるのだそう。

 

↑藤枝さんお気に入りの1枚。描き込みの少ない方がお好きなのだそう。

藤枝リュウジ個展「ポッポッポ はとポップ」 は10/2(水)までです!(最終日のみ17時まで)お見逃しなく!!!

大谷美保子個展「Airport」

今週の作家さんは大谷美保子さんです。HBでは初めての個展開催です。
今回は空港をテーマに、整備士さんや間近で見た飛行機の迫力を表現されました。現場の空気を感じさせるトーンや、美しい構図の作品たちをぜひご覧いただきたいです!

「Aircraft mechanic  航空整備士」

これまでは職人さんや作業着姿の大工さんなど、人物を中心に描いてきた大谷さん。今回はどんな人物を描こうかと考えた時に、空港に集まる人達を描いてみたいと思ったそうです。空港といえば、ドラマチックでセンチメンタルなイメージ…そういったものを求めて空港をテーマにしようと思ったとのこと。取材で実際に空港へ行ってみると、だだっ広い場所で、人間は米粒のような大きさ。着陸や離陸をする様子、米粒みたいな人間との対比にダイナミックさの方を感じた、と大谷さん。工場や格納庫も見学され、整備されている飛行機の間近で見た迫力やインパクトを絵にしたいと思ったそうです。
飛行機を主役に、働く人や空港のロビーの様子などバラエティに富んだ作品となりました。

 

「Towing tractor  トーイングトラクター」

「Ready for landing  着陸態勢」

以前から大工さんを描くなど、働く人に興味があったという大谷さん。今回、空港を見学した際にも働く人に惹かれたそうです。お客さんを支えるために色々な作業をしている人達は面白く、ずっと見ていても飽きなかったとのこと。巨大な乗り物が色々な人の手によって空を飛んでいると思うと不思議に思う、と大谷さん。現実だけれど現実離れしたものがある、そういうものを絵にしたいと思ったそうです。

 

「Inspection 点検」

大学に入る前にはデザイナー志望だったという大谷さん。在学中にイラストレーションに興味が出て絵を描き始めたそうです。卒業後はデザイン事務所へ就職。その後も絵を描き続けていたそうですが、なかなか自分の絵に出会えなかったとのこと。長らく模索期間があったそうですが、山田博之さんのイラストレーション講座に通ったことで、特別な個性を出すことだけがイラストレーションではないんだ、という気持ちになれたそうです。「描きたいものを一生懸命丁寧に描く」それだけで良かったとのこと。そうすることで絵に気持ちがこもると思う、と大谷さん。描く時は丁寧に描くことを心がけているそうで、人に伝わってほしいという想いで描いているそうです。

 

「Departure lounge 出発ロビー」

お仕事では、今まで自分が描いていなかったものを描く機会もあり、それが意外と自分にはまったりすると面白いなと思うと大谷さん。出会ったお仕事を一生懸命やりたいそうです。特に雑誌や書籍、広告のお仕事に興味があるのでたくさんやってみたいとのこと。今後益々のご活躍が楽しみです!

「View floot  展望フロア」

千海博美個展「Strange room」

今週の作家さんは千海博美さんです。HBでは初めての個展開催となりました。
今回は”不思議な部屋”をテーマに、ミステリー、SF、ユーモアなど、謎めいたお話をイメージして描かれました。装丁や挿絵のお仕事で描かれた原画の展示も!美しい作品の数々をぜひ見に来てください!

 

 

日頃から本を読むのがお好きという千海さん。本の仕事がやりたくてイラストレーターになりたいと思ったそうです。
幼い頃はご家族の影響で、星新一や筒井康隆の本を読んでいたとのこと。表紙の絵は和田誠さんや真鍋博さんのイラストレーション。可愛いけれどよく見ると毒っ気のある絵で、怖いけれど惹かれていた、と千海さん。今もミステリーやユーモアのある物語が大好きだそうです。今回はそんな好きな世界感をテーマに、個展のために描かれた新作やお仕事で描かれた作品を織り交ぜて展示しております。

 

 

 

年々、技術もついてきて以前より1枚1枚を丁寧に作ろうと思うようになってきた、と千海さん。展示では直に見てもらえるため、なるべく際まで丁寧にやりたいという想いがあったそうです。原画はどの作品も目を見張る美しさです。
元々は専門学生時代に体験したエッチングやリトグラフの授業で版画に興味を持ち、その後は版画のアトリエに趣味で2年ほど通っていたそうです。当時はただ作りたいものを作っていたそうですが、せっかちな性格のためエッチングには向いていなかった、と千海さん。先生からは「勢いのある木版の方が向いているかもね」とアドバイスされたそうです。

ある展示で、版画の画材となる「版木」そのものを飾っている方に出会い、「こういうやり方もありなんだ」と感じたとのこと。その時に見た黒1色の版木はとても格好よかったそうで、自分なりにカラーでもできるかもしれないと思い、アクリル絵の具で描き彫るという今の技法に行き着いたそうです。版画のインクではなくアクリル絵の具で描くことは、頭の中のやりたいことをはやくアウトプットしたい…そんな自分の性格に合っている技法だと思った、と千海さん。

 

 

イラストレーター歴8年目の千海さん、書籍や雑誌、広告のお仕事のほか、昨年初めてCMのお仕事も経験されたそうです。先日発売された『もようのゆらい』(玄光社)では約1年かけて80点近くのイラストレーションを制作。画集のような仕上がりになりました。
テキスタイルはいつかやってみたいお仕事のひとつだそうで、布のプリンティングの展示も挑戦してみたいそうです。今後益々のご活躍が楽しみです!

 

 

柊有花個展「Blessing」

今週の作家さんは柊有花さんです。HBでは初めての個展開催となりました。
今回は「祝福」をテーマに、あらゆる生きものたちと、目に見えないけれど存在するものたち、それぞれが共に暮している様子を描かれました。柊さんならではの優しい色彩と形の美しさをお楽しみください!

 

 

前回の個展では、モノクロで落ち着いた雰囲気の作品だったそうですが、今回は「祝福」をテーマにしたことで、様々な色があった方がいいなと感じたとのこと。縛りなくそれぞれが自由に生きている感じを表現できたら、と柊さん。色はその都度、テーマに合わせて変えていきたいと考えているそうです。切り絵や木のオブジェなど、どの作品も温かみが感じられるものばかりです。

 

 

幼い頃はマンガ家になりたかったという柊さん、絵を描くことはずっと好きだったそうです。大学時代はサークル活動で絵を描いて販売をしていたことも。卒業後は幼児向けの学習教材用イラストレーションの制作や、書籍編集を経験されたそうです。編集作業をしつつ、ご自分で絵を描いて入稿までしていたこともあったとのこと。

青山塾へ通ったことでイラストレーターという職業を知った柊さん。当時は絵を描いて食べていけるとは思っていなかったそうですが、展示をしたり、少しずつお仕事につながったことで、仕事になったらいいなと考えるようになったそうです。お仕事が来るようになったきっかけは、玄光社の『イラストレーションファイル』に掲載されたことや、SNSで絵を見てもらう機会が増え依頼が来るようになったそうです。好きなデザイナーや出版社には、自分から連絡をし直接売り込みに行くこともあるそうです。

 

 

現在のお仕事は本の装画や挿絵の依頼が多いとのこと。100組の作家が出展する台湾のイベント「雑貨女子博」のメインビジュアルに抜擢されるなど、海外からの注目も高い柊さん。言葉の壁は心配だそうですが、海外のお仕事もぜひやってみたいとのこと。今後特にやってみたいお仕事は雑貨作り。ご自身でも洋服やトートバッグ、ブローチなど様々なグッズに展開されています。会場でも好評販売中です!この機会にぜひどうぞ!