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3月2018

太田裕子個展「丘の上の植物園」

今週の作家さんは太田裕子さんです。HBでは初めての個展開催となりました。
ご近所に古くからあるという植物園をテーマに、生き生きとした緑たちとレトロな園内の様子を描かれました。太田さん独特のデフォルメと色彩が愛らしい作品たちをお楽しみください!

 

「温室」

太田さんのご自宅から少し離れたところに、古くからあるという丘の上にある植物園。植物学博士の研究所跡地が植物園になっているそうです。門や塀、温室などが少しレトロな雰囲気で、素朴な園内の様子に惹かれたそうです。春から夏にかけスケッチをしたり写真を撮ったりし、何度か通われたとのこと。描きこみ過ぎないよう、植物園で感じた印象を大事にして描かれたそうです。

 

「巣箱」

「夏」

イラストレーター歴約10年の太田さん。元々絵がお好きで、美術学校を卒業後はアニメーターとしてお仕事をされていたことも。その後は布雑貨を制作し、その延長で布を使ったコラージュやステンシルを用いて、再び絵を描くようになったそうです。2012年、イラストレーターズ通信コンペやTIS公募展で上田三根子さんの賞を受賞。それがきっかけとなりイラストレーターの道に進まれたそうです。お仕事では、装画や挿絵、企業カレンダー、企業冊子の表紙など幅広くご活躍中です。ほぼ独学でイラストレーターのお仕事へと繋がりました。

 

「猫とキンセンカ」

会場では、展示作品を収録した作品集やレターペーパーも販売。
これからもっと書籍の分野のお仕事を広げていきたいそうです! 今後益々のご活躍も楽しみです。

 

「休憩」

 

版画のイラストレーター展 凸凹 vol.3 「凸凹書房」

今週は版画イラストレーター凸凹の7名による「凸凹書房」が開店!
2014年の6月の開催以来、今回が3回目の展覧会となりました。メンバーはアンドーヒロミさん、正一さん、タダジュンさん、楯川友佳子さん、平岡瞳さん、芳野さん、そして新メンバーのさかたきよこさんが加わりました!それぞれの個性がきらりと光る、思い思いに描かれた版画の数々。6日間だけのお店です、お楽しみに!

 

架空出版社・凸凹書房へようこそ!

本にまつわるあらゆる題材をテーマに、メンバーそれぞれの手刷りの書皮、作品集の販売、文芸誌『凸凹書房』も刊行!お気に入りの詩や小説に絵を添えた読み応えのある1冊です。

ずらりと並ぶオリジナル書皮たち!ぜひお手に取ってご覧ください!

 

正一さんのリノカット版画。幼少期の記憶を辿るような、6つのお話とモノトーンの世界。
オーダー額は時松宏樹さんによるもの。

 

鉛筆のようなタッチが素朴で愛おしい芳野さんのリトグラフ作品。
版が重なったときの色彩や、僅かなズレが独特な表現を生み出します。

 

 さかたきよこさんの銅版画。櫻間中庸の『日光浴室』を読んで描かれた作品。
詩の世界がより一層広がる、さかたさんのイメージ力と技術力が光る作品たち。

 

アンドーヒロミさんの紙版画。空想雑誌『COCO』の表紙をイメージした作品たち。
実際にあったら思わず手に取ってしまうような魅力的な1冊!

 

タダジュンさんの銅版画。モーリス・ルヴェル『或る精神異常者』の扉絵、エドガー・アラン・ポー全集第1~3巻の装画。実際にはない、架空の全集なのだそうです。本屋さんに並んでいたらどれも欲しくなるものばかり…

 

楯川友佳子さんの木版凹版作品。夏目漱石の『夢十夜』の扉絵、本からイメージを膨らませた
さまざまなシーンを描かれました。ふわっと木の香りがしそうな、幻想的な作品です。

 

平岡瞳さんの木版画。山村暮鳥の詩『雲』に絵を添えました。小さな画面の中に広がる無限の世界。

 

文芸誌『DECOBOCO』(¥800)は会場にて好評販売中です!お見逃しなく!

林けいか個展「飼い主の手なずけ方」

今週の作家さんは林けいかさんです。HBでは初めての個展開催となりました。
4年前から一緒に暮している愛猫、小次朗とののんびりとした微笑ましい日々をお楽しみください!

 

<小次朗プロフィール>
東京都在住。おそと出身。猫。
屋根の上で自由きままに暮らしていたところ
かつぶしの香りに惹かれ家猫になることを決意。
近年は林けいかのお膝の上で丸くなりつつ、
進行管理や作品チェックを行う。

 

今回のテーマであり主役は、林さんがご自宅で飼っている猫の小次朗。ふかふかのお腹を見せてきたり、気持ち良さそうに大きなあくびをしていたり、なんとも可愛らしい様子が伝わってきます。なかなかスケッチをさせてくれない小次朗、寝ている隙を狙ったり、一瞬の表情を写真におさめて描いたそうです。猫のふわふわな毛並みはオイルパステルで描かれています。アクリルガッシュを使っていたときには、少し構えてしまい緊張していたという林さん。はじめて使用するオイルパステルは、より感覚的で、指でこすったりしながら楽しく描けたとのこと。ゆるく・可愛くをテーマに、大好きなものを描くという楽しさがあったそうです。

 

 

「本当に描きたいものなの? 好きなものを探しなさい」林さんが通っていた山田博之さんのイラストレーション塾では、過去にそんなアドバイスを頂いたこともあったそう。今回は潔く「仕事じゃないから、好きなものを描こう」と決心。
普段のお仕事ではペンタブで絵を描くことも多いそうですが、今回の展示を通してこんなものも描けると知ってもらえたら、と林さん。このタッチで装画や広告のお仕事をやってみたいそうです。今後もオイルパステルでいろいろと描けるものを広げていきたいとのこと。次回作も楽しみです!

 

星野ちいこ個展「Maybe so.」

今週の作家さんは星野ちいこさんです。HBでは3年前の夏のファイルコンペ大賞展以来、2回目の個展開催となります。
前回の展示からつながるポートレートシリーズと、映画のワンシーンのような新作ドローイングを展示。ぜひお越しくださいませ!

 

これまでシンプルなバストアップのポートレートを主に描かれてきた星野さん。今回は、見る人がシチュエーションを思い浮かべたくなるような、かすかなストーリーを持つポートレートやシーンを描かれました。どの絵も実際のモデルは居らず、星野さんの頭のなかのイメージ像を描きおこしているそうです。身近な友人にも見えそうで、どこかで会ったことのあるような…そんな見る人それぞれに解釈があるよう、シンプルな表現を心がけているそうです。

 

 

 

新作では2枚組の絵でストーリーを感じさせる試みも。それぞれのキャラクターの性格が滲み出るような、ユニークなシチュエーションが魅力です。いつか漫画を描きたいと星野さん。漫画も説明しきるのではなく曖昧なままとどめたい、そんなイメージがすでにあるそうです。洋服を描くのもお好きだそうで、映画やファッション関連のお仕事も今後やっていきたいとのこと。様々なジャンルでのご活躍が楽しみです。