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6月2017

夜久かおり個展「お外で会いましょう」

今週の作家さんは夜久かおりさんです。HBでは初めての個展開催となります。
今回描かれたのは、ある1冊の本をきっかけに外の世界に興味を持った少女の物語。展示作品が収録された新作ZINEの販売も!5色のボールペンで丁寧に描かれた静謐な世界観、ぜひご覧くださいませ!

 

 

22歳の頃、地元・熊本のケーキ屋さんで社員としてお勤めされていた夜久さん。元々、絵を描くのがお好きだったそうです。当時、お店のPOPを描いていたことで、徐々に絵を仕事にしたいという気持ちが強くなり上京を決意。印刷会社に約6年間勤め、現在はフリーランスで活動されています。出版社への売り込みがきっかけで、今秋から『小説推理』の連載挿絵を担当されます。

 

 

画材は、高校生の頃から絵を描くのに使っていたというボールペン。
好きな作家は酒井駒子さん。自分も女の子の絵が描きたいと思い、これまでずっと独学で描いてきたそうです。

 

 

 

一昨年の東京装画賞では坂川栄治賞を受賞。この方向でいいんだ!という安心感が生まれたとのこと。どんどん描いて、自分のタッチを定着させていきたいそうです。
これからもずっと描きたい、長くお仕事を続けていきたいとお話してくださった夜久さん。絵本や雑誌の挿絵、広告など、熊本のご両親にも見てもらえるような媒体でお仕事をしてみたいそうです。今後益々のご活躍が楽しみです!

 

紙野夏紀個展「月下群像」

今週の作家さんは紙野夏紀さんです。HBでの個展は約7年ぶりの開催となりました。
今回は中国東北部旧満州瀋陽をテーマに、中国の街並みや食べ物などが美しい構図と色彩で描かれています。紙野さんならではの、貼り絵とドローイングを組み合わせた、やわらかなフォルムがユニークな作品たち。ぜひ原画をご覧いただきたいです!

 

「奉天郵便局」-月下群像-

 

2013年、2014年にご家族の都合で約1ヵ月間、中国の瀋陽に滞在していたという紙野さん。瀋陽は昔、日本の領土だったそうで、現在も建物や鉄道など当時のものが残っているそうです。
瀋陽に在住していたライター・高田ともみさんとの出会い、圧倒された街のエネルギー、いいものも悪いものも混沌とした空気。その時のことを作品にしたいと思い今回のテーマとなりました。

 

「奉天郵便局」

 

ずらりと並んだ新作のZINE『月下群像』(¥1,512) デザイン:細山田デザイン事務所

紙野さんが1枚1枚手で刷った、活版印刷の表紙が目印です。紙野さんのイラストレーション、ライターの高田ともみさんとの対談など収録。中国で高田さんと食事をしたあと、帰り際に見た満月が印象的だったことから『月下群像』と題したそうです。見応え、読み応えのある1冊です!

 

「師府舞庁の金魚売り」

これまでも雑誌や広告のイラストレーション、ご自身で立ち上げたテキスタイルブランド「Törten」など、数々のお仕事を経験されてきた紙野さん。本の装画や文芸誌のお仕事はまだまだやってみたいそうです! 今後のご活躍も楽しみです。

 

「机運び」

 

西山竜平個展「香る街」

今週の作家さんは西山竜平さんです。3月に上京された西山さん、東京で初の個展となります。

圧倒的な描写力と、どこか懐かしさを感じさせる作風がとても魅力的です!

今回の個展の作品は、普段の生活の中で見えるものや、そこで感じた事などを描きたいと思って制作されたそうです。

 

 

 

 

愛知芸術大学でデザインの勉強をする中で、絵を描く楽しさに目覚めた西山さん。

緊張せずに描けるように、毎週、100枚のクロッキー帳と3枚の絵を制作していました。

モノトーンの作品の簡素な美しさが好きで、4年間、鉛筆や墨で制作をしていたそうです。

 

 

 

 

大学卒業後は、院に進み、制作の幅を出すためカラーでも描きはじめたそうです。

最初は水彩を何層にも重ねて描くという描き方で制作していましたが、

今は、墨とリキテックスを使って描いているそうです。徐々に絵を整理して抜きどころが分かってきたそうです。

 

 

 

 

デザイン科で学んでいた時から、イラストレーションは日々の暮らしの中に自然とあるものだと感じていたそうです。

パッケージのお仕事など、日々の生活の中で見てもらえるお仕事がとても嬉しいそうです。

 

 

人の記憶に残るようなお仕事がしたいという西山さん。

書籍や、雑誌、広告、パッケージなど媒体問わず様々なお仕事がしたいそうです。

優しいお人柄と、説得力のある画力がとても魅力的な今注目の若手作家です、これからの活躍が益々楽しみです!

 

 

 

田口奈津子個展「夢のかけら」

今週の作家さんは田口奈津子さんです。HBでは初めての個展開催となりました。
消しゴムはんこや、切り絵、ぬり絵など多数の著書を出されている田口さん。丁寧なお仕事と、何版にも重なった色彩の美しさをぜひご覧いただきたいです!

 

8年程前から消しゴムはんこに興味を持ち、独学で制作をはじめた田口さん。ブログに日記と共に作品を載せていたところ、出版社の目にとまり消しゴムはんこの本を出版されました。昔から絵を描くのがお好きだったそうで、建築科のある大学へ進学後も、図面や模型などの細かな作業がお得意だったとのこと。
田口さんの消しゴムはんこ熱はどんどんエスカレートし、薔薇の絵やアンティークの図案、小さな文字など、彫るものもどんどん細かくなっていったそうです!

↑ 細かくパーツ分けをし、版を彫った多色刷りの作品。絵によっては30版以上版を重ねることもあるそうです。
消しゴムはんこの制作をベースに、お仕事もどんどん広がっていきました。 切り絵やぬり絵の本の出版、ウォールステッカーデザイン、カードや便箋のデザイン、けしごむハンコの商品プロデュース…など多岐にわたります。

 

 

 

 

今後は、お菓子や紅茶、入浴剤などのパッケージデザインのお仕事もしてみたいそうです。また、ずっと絵本の出版が夢だったそうで、誰かの文章に絵を描いてみたいとのこと。田口さんのやさしいタッチが、子供から大人まで幅広い世代に愛される作品になりそうです!今後益々のご活躍が楽しみです。

 

 

石津亜矢子個展「Days in England」

今週の作家さんは、石津亜矢子さんです。石津さんならではの優しいタッチで描かれた作品をどうぞお楽しみ下さい!

 

 

今回の個展は石津さんが14歳~18歳の時に単身で留学したイギリスでの日々がテーマです。小学校4年生からインターナショナルスクールに通っていたので、はじめから現地でも少しは話せたという石津さん。言葉が通じない事よりも、1人でいる事が不安だったそうです。

 

イギリスでは、食事が合わず、紅茶を飲んだり、好きなお菓子を食べていたそうです。女子寮でルームメイトとの共同生活の中で、友達も出来ましたが、我慢する事も多かったようです。

 

 

イギリスでの生活の中で、徐々に絵を描く楽しさに目覚めた石津さん、学校は自分で選んで3回変わっていますが、最後は美術の専門的な学校で絵を学びました。

 

 

帰国後は武蔵野美術大学に入学して、卒業後はCMの制作会社やエディトリアルのお仕事も経験される中で、イラストレーションのお仕事をしたい気持ちが強くなり、MJイラストレーションズに通ったそうです。MJブックがきっかけとなり、様々なお仕事につながったそうです。

 

 

本が大好きなので、装画や雑誌のお仕事、他にも様々なお仕事に挑戦したいそうです。石津さんの作品は、見ている人をホッとさせるような優しい雰囲気がとても魅力的です。益々のご活躍楽しみにしております!