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1月2014

祖田雅弘個展「COMMUNICATION」

今週の作家さんは祖田雅弘さんです。HBでは11年ぶり2回目の個展となります。
今回は「COMMUNICATION」と題し、スティーブ・ジョブズ氏の生涯を描きました。
祖田さんの軽妙なえんぴつ線の筆致からは、さまざまな情報が聞こえてくるようです。
ジョブズ氏の駆け抜けた人生エピソードと共にご覧ください!

 

 

 

– 個展開催おめでとうございます。今回、なぜジョブズを描こうと思ったのですか?

どういったことを考えてモノ作りをしているのかという、彼のエピソードが本当におもしろくて。
理系の人を描きたかったということもありました。
自分自身、機械や基盤、車、静物、宇宙…など、そういったモチーフが好きで
情緒的なものよりはそういうものを描きたい、自分に合っているのではと思いました。
みんなが知っている人物ということもあります。

 

 

 

– 資料はどのようなものを見ましたか?

ジョブズに関する本を読んだり、YouTubeで動画を見ながら描きました。
彼自身やアップルは有名なので、そのイメージをある程度残しながら、
自分の解釈になりすぎないように制作するのに苦心しました、

 

 

 

 

– 画材は何を使っているのですか?

基本はえんぴつで、他にテクスチャなど1枚にいくつかの要素を組み合わせて描いています。
1つの絵の中にどれくらいの要素を入れるか意識しました。
少ないと抽象的になるし、多いと説明くさくなるなと。

 

 

 

 

– 1人の人物に焦点をあてて制作するということをやってみていかがでしたか?

このような制作は初めてだったので大変でした。
1枚、2枚なら仕事などでも描いたことがありますが、 自分の個展でこの枚数を描くとなると違いましたね。
展示する作品全体の仕上がりをイメージしながら描いたので、普段使う脳みそとは別の部分を使っていたような。
資料を読むのはおもしろくて、勉強にもなるのですが、時間がかかるという点でも大変でした。

 

 

 

 

– 今後、どのようなものづくりをしていきたいですか?

ジョブズ氏の制作動機は、世の中を新しい道具でびっくりさせるというのが最大の価値なんですよね。
自分は絵でなにができるかを考えたときに、イラストレーションを描く能力で、
見る人にそれに近いようなことが出来たらなと思います。
自己満足ではなく、正しく機能して役立つ絵。
「この絵があってよかった」というような、効果が最大になるよう役割を果たせたらなと思います。
デジタルでの表現方法も、今後もっと追求していきたいです。

尾柳佳枝個展「穴があいているのに水がこぼれない」

今週の作家さんは尾柳佳枝さんです。
記号のように見えたり、山や湖に見えたり…見る人によっていろんなイメージが広がる
尾柳さんの作品。独特の澄んだ色合いと気持ちのよい余白は、 思わず深呼吸をしたくなるようです。
尾柳さんご自身が制作された映像作品と共に、ゆっくりと楽しめるここちよい展覧会となりました。ぜひご覧下さい!

 

 

– 個展開催おめでとうございます。展覧会のタイトル、とても惹かれました。
どのように決めているんですか?

いつも迷うんですけど、気になる言葉をノートに書いていて、そのなかから
一番合いそうなものを選んでいます。そのときの気持ちにぴったりな言葉だったり。

最近は自分が”穴だらけ”な感じがしていて、でもなんでか水は漏れていない…みたいな、よくわからない
感じが合っていると思ってつけました。
でもどうとでもとれるような、見る人によっていろんな解釈をしてもらえるような言葉にしようといつも思っています。

 

 

–   絵を描くときに、環境や気持ちの面で大事にしていることはありますか?

色々やらなあかんこともあるけど、楽しく気持ちよく描けるような状態を作るのが一番大変やと思っています。
描いた絵がよければ楽しくなるので、描いてみたらこんなんできた!と自分が驚くために描いているんかなと思います。

 

 

–  映像もご自身で作られているんですね。展覧会にあわせて作られるのですか?

展覧会のために作っているのですが、長らく映像制作をお休みしていたので
ひさしぶりに作ってみたら、やっぱりめっちゃおもしろかったです。
今年はもうちょっと作ろうと思います!
はじめは、絵を長い時間見てもらうにはどうしたらいいんやろ?と思って、
絵が動いていたらずっと見てもらえるかもと思って作ってみました。

 

 

 

– ひとつひとつの絵の動きがかわいらしいですよね。絵のための動きのような。
尾柳さんは、絵がうまく描けない時はどうしていますか?

あんまりひどい時は、一度離れてみたりして、違うことをしてまた描き始めたりしています。

 

 

– これからやってみたいことはありますか?

大きい絵を描きたいし、2年前からやっている陶芸も続けていきたいです。
今はおちょことか器を作って、それに絵付けしています。

ほかには、今まで紙の色を背景に絵を描いていたんですが、
今回展示している、薄い紫色を背景に描いた作品があるんですけど、
ある方に依頼していただいて描いた絵で、普段自分では使わないような色なんです。
でも背景に色をつけるのもおもしろかったので、もうちょっとやってみようと思いました。
とにかくいい絵が描きたいです!

– ありがとうございました。また作品を拝見できるのを楽しみにしております!

 

佐藤香苗個展「かみさま」

2014年最初の展覧会は、佐藤香苗さんです。
きもちのよい色合いと、人物のかわいらしい動きや表情が魅力の佐藤さんの作品。
その親しみやすいイラストレーションから、装画や挿絵、CDジャケット等幅広くご活躍されています。

今回の展覧会では「かみさま」をテーマに、
ちょっと不思議で、ユーモラスなキャラクターたちが登場します。
佐藤さんの描くかみさまたちにぜひ会いにきてください!

 

 

– 個展開催おめでとうございます !今回が佐藤さんの初個展なのですね。きっかけはありましたか?

そのうち個展をやりたいなとはずっと思っていました。
どうしようかなぁ…という期間が3年くらいあって。
最終的には「思いたって」という感じです。天気がよかったとか、そういう理由だったかもしれません。笑

 

 

– すてきな理由!いい気分の日だったんですね。
今回、作品を飾ってみていかがでしたか?

描ききった感はあるのですが、力を入れすぎたような…
もう少し力を抜けばよかったかな?と思いました。
でもやれるだけのことはやったかな、と。

 

 

– テーマはどのように決めましたか?

今まで描いてきたものを振り返ってみると、ちょっと不思議なものが多かったような気がしていて。
年初めの展覧会でもあったので、神頼みもあり
「かみさま」という言葉と、自分が今まで描いてきたものとが合っているかもしれないと思いました。

 

–  今回の展示作品には、黒い不思議なキャラクターが登場していますが、どのように生まれたのですか?

わたし自身、「かわいい」ということに照れがあって、
それとのバランスをとるための存在なのかなと思います。黒くて、かわいいような、怖いような…。
今回は「かみさま」と言い切っていますが、そういう存在、影みたいなものを入れたくなっているのかなと。
一気に描ききってみよう!ということを1年前からやってみたいなとは考えていたので、
展示をきっかけに思いきってできました。

 

 

– 展示するにあたって、見せ方などで意識したことはどんな点ですか?

黒いキャラクターを描いた「くろいかみさまとこども」の空間を一番に作りたいと思いました。
たくさん飾るので、うざったくならないように、さらっと見てもらえるような色におさえています。

 

↑「くろいかみさまとこども」の作品たち

 

– この空間は見応えがありますよね!見ていてとても楽しいです。
最後になりますが、これからの活動目標や抱負などお聞かせ頂けますか?

“物” や “景色” にも挑戦して、描いていきたいと思います。
小説のようにストーリー性のあるようなものを、あまり描いたことがないので、
そういったお仕事でも信頼していただけるようになれたらなと思います。
また、グッズ展開へのアプローチもこれからやっていきたいです!

– ありがとうございました!益々のご活躍、楽しみにしております。