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9月2018

野口奈緒子個展「庭にて」

今週の作家さんは野口奈緒子さんです。2年半ぶり、2回目の個展開催となりました。
夏の初めに目にしたという瑞々しい花々と、可憐な女の子を描かれました。ボールペンで描かれた繊細な線の表現が魅力です。ぜひお越しくださいませ!

 

 

今回のテーマは植物と女の子。元々、人物や女の子を描くのが好きだったという野口さん。昨年、植物を描いたことがきっかけで、花を描く楽しさに気づいたそうです。普段から描いている人物と植物をうまく合わせられたらと思い、今回のテーマに至りました。ご自宅の庭に咲いていた植物や、近所の公園に植えられているハーブなど、5~6月に咲いていた初夏の花々を中心に描かれたそうです。
そんな花々を今回は花冠として描かれました。6月にヨーロッパで開催される夏を祝う夏至祭で女性たちがかぶるそうです。次々と咲いては終わる花々と、女の子のふとした一瞬の表情に、儚い美しさが感じられます。

 

「朝ではなく昼でもない」

「雲はなく風もなく」

描かれた女の子はお知り合いの方がモデル。野口さんがお持ちのレースのブラウスを着てもらい、自然なしぐさや表情を捉えたそうです。その日、女の子が編み込みの三つ編みをしていたことでそのまま作品に生かされました。
細いボールペンだけで描かれたモノクロの作品は野口さんの新境地。ご自身でも楽しく描けて、お気に入りの作品だそうです。いつかモノクロ作品だけでの個展もやってみたいとのこと!

 

「光るもの」

「こんなところで」

今回個展をやろうと思ったきっかけは、前回の個展から2年経っていたことと、個展をすればテーマを絞って描けると思ったからだそうです。普段、あれもこれも描きたいと思ってしまうそうで、なかなか枚数が増えなかったとのこと。花冠を描きたいというイメージがわき、テーマがみつかったことがきっかけだったそうです。
装画や挿絵のお仕事など、少しずつ広がってきている野口さん。人物以外にも静物や今回描いた植物などもお仕事につなげていきたいそうです。

 

仲條正義「暮しの手帖」表紙展2 11年~15年 54号~73号

今週はアートディレクター仲條正義さんの展覧会です。2007年から『暮しの手帖』の表紙絵を手掛けられている仲條さん。HBでは約7年ぶりの表紙絵展となりました。仲條さんならではの四季の表現をお楽しみください!

 

 

 

 

 

会場では昨年のHBでの個展をまとめた作品集『PUNCTUM TIMES』も好評販売中!
仲條正義「暮しの手帖」表紙絵展2 は9/19(水)まで。(最終日のみ17時まで)
どうぞお見逃しなく!

 

草野碧個展「Nostalgic」

今週の作家さんは草野碧さんです。HBでは初めての個展開催となりました。
一昨年は、夜の風景画シリーズでHBファイルコンペ日下潤一特別賞を受賞。
今回は、草野さんの幼い頃の写真と記憶を元に80年代をテーマに描かれました。詩人・平岡淳子さんが草野さんの作品のために書かれた詩とあわせてお楽しみください!

 

「夏の光」

幼い頃、たくさん写真を撮ってもらっていたという草野さん。今見てみると、たしかに自分が写っているけれど、その時の記憶はほとんどなく、他人の昔の写真を見ているような不思議な感覚になるそうです。今回はそんな客観性の中で描けたことが面白かったとのこと。フィルム写真のような色彩が、80年代の雰囲気を感じさせます。

 

「すきなひと」

「コック ドゥードゥルドゥー」

これまで好きで描いてきた絵は、人からよく「昭和っぽい」「ほっこりしている」「懐かしい」と言われることが多かったとのこと。それはなぜなのだろう?と考えたとき、幼い頃に田舎に住んでいたことが影響しているのかもと思い、そのルーツを描こうと今回のテーマに至ったそうです。

 

「到着」

「どこまでも」

今回の展示の絵に合わせて詩を書いてくださったのは詩人の平岡淳子さん。草野さんがメールで絵を送り、それを見た平岡さんが詩を送り返してくれる、文通のようなやり取りを約1ヵ月ほど続けられたそうです。詩を読んだときに、自分が描いているイメージとは全く違う観点で言葉が添えられていて、深みがありとても感動したと草野さん。

現在お仕事は、雑誌、装画、企業のメインビジュアル制作、舞台のポスターなど幅広く描かれています。絵が大きく扱われる広告やポスターのお仕事をぜひやってみたいそうです。
幼い頃は絵本作家になることが夢だったという草野さん、現在、絵本第一作目を制作中とのことです。今後益々のご活躍が楽しみです。

 

 

藤井紗和個展 「渇いた地の向こうに -フリーダ・カーロ-」

 

今週の作家さんは藤井紗和さんです。HBでは約3年ぶり2回目の個展開催となります。

今回の展示では、メキシコ近代美術を代表する女性作家フリーダカーロをテーマに、
フリーダが日常的に愛用したもの、身につけていたものなど身の回りのものを中心に描かれました。

フリーダカーロの生きていた痕跡をみつめ、感じた事を藤井さんの独特の描き方で表現された温かみのあるグレイッシュな空間が広がっています。
ぜひお立寄りくださいませ。

 

 

 

「彼女(フリーダ)にとっての体の一部であった服、コルセット、こだわりの感じられる愛用品…
彼女のアイデンティティに触れる事でフリーダの気配を少しでも表現出来たらと思い描きました」と藤井さん。

 

 

今回の個展でフリーダカーロをテーマに選んだのは、現在配布中の当ギャラリーのファイルコンペ募集要項のためにお願いした絵のテーマが「行ってみたい国」ということで、南米や中南米を選び描いていたら、フリーダカーロの資料を多く目にする機会があり、以前、横浜美術館で開催された石内都さんの展覧会で見たフリーダカーロの遺品を撮影した写真展をご覧になったときに、かつて抱いていた生々しくて怖い絵のイメージと、民族性がありつつ西洋的な現代性もあるとてもお洒落さんだったフリーダのイメージのギャップが重なりとても印象的で、フリーダカーロを題材に展覧会をすることを決めたそうです。

 

 

 

3年前の個展ではモノクロームでの展示をされましたが、今回はカラー作品に挑戦されています。

前回の個展では「色はつかわないの?」「カラーでも是非見てみたい」というご意見多くいただき、
「次個展をするならカラーでやってみよう」と決めていたそうです。

 

 

 

 

 

 

装画や、雑誌など、何でも挑戦したいと藤井さん。独特のタッチに加え、色も味方に付けた藤井さんのこれからのご活躍がとても楽しみです。

よく見てみると、ブラシの毛や、注射針と鎮痛剤、内蔵の見えているお人形など、ちょっと怖いようなモチーフも、素朴で可愛らしさすら感じでしまう不思議な空気感を帯びた藤井紗和さんの個展は9月5日までです。
どうぞご来廊ください。