9月2013
今週の作家さんは、HBでは初めての個展となるイラストレーターの芳野さんです。
普段はリトグラフという版画技法を用いて、イラストレーションを描かれている芳野さん。
昨年12月に開催された6人展「凸凹」にもご参加いただきました。
今回の展覧会ではすべて手描きでの作品づくりに挑戦!
これまでの作品の雰囲気は残しつつ、手塗りの質感やぬくもりが感じられる、愛らしい作品たちが並びました。
— まずは作品のテーマについてお聞かせ頂けますか?
今回は「散歩」をテーマに描きました。
もうひとつ、自分のなかでは「手描き」をテーマにしています。
— 手描きの作品もいいですね。素朴な感じがかわいらしいです。
手描き作品で展示をしようと思ったきっかけは何ですか?
ずっと前から、HBで個展をやるなら手描きで!と決めていたんです。
これまでの展覧会では、ずっとリトグラフ作品を展示していました。
半分がリトグラフ作品、半分が手描き作品、という展示もしたことがあるのですが、
すべて手描き作品というのは今回が初めてなんです。
リトグラフの制作は、週に1度しか版画工房に行けないということもあり、
リトグラフでのイラストレーションのお仕事は、
既存の作品使用と例外を除いてあまり受けていません。
お仕事では、版画の手法を用いてデジタルで制作しています。
最近は、パソコン上で版画のように3~4色のレイヤーを重ねると、
わりとリトグラフのような出来上がりになるので、その手法でお仕事の方にも提案するようになりました。
展示ではリトグラフ作品、仕事ではデジタル作品ということに、
だんだんとジレンマを抱える様になってきた…というのがきっかけにもなりました。
— 手描きの方が、描き手の雰囲気が伝わりやすい気がします。今回、画材はどんなものを使用しているんですか?
アクリルガッシュやオイルパステル、色えんぴつ、メディウム、ステンシルなど、
いろんな種類の紙に、画材も変え、様々な技法で描きました。
こうして飾ってみると、いろんな描き方をしたけれど、バラバラにはなっていないんだなと感じました。
— そうですね、きちんと芳野さんのテイストが感じられますよね。
絵の具を塗った上に、色えんぴつがうまくのらないときはステンシルで色をのせたり…と、
手描きになっても版画の技法が抜けていないみたいです。
版を重ねたり、色面を重ねたりすることは癖になっていますね。
— 版画のように、手でも描かれる!やはり身に付いているんですね。
今回、ご自身で思う展示の見所はどんなところでしょう?
入り口に飾っている展覧会のDMの絵を、本の表紙に見立てていて、
その本をめくると女の子がお散歩に出掛ける…というお話のようになっています。
作品全体がつながっているような、1つ1つの作品が自立しているような、
そんな展示を意識しました。
— あ、ほんとうですね!いろんなストーリーが浮かびます。ぜひ、みなさんにも見て頂きたいですね。
最後になりますが、今回の手描きの手法でやってみたいお仕事などお聞かせいただけますか?
文芸誌のお仕事をやってみたいですね。詩に絵をつけるような!
今後もデジタルでのお仕事は続けていきたいと思っています。
デジタルは、色面など整頓された感じがしますが、手描きは手塗りの質感やざっくりとした感じが出て、
デジタルとはニュアンスが少し変わる気がします。
お仕事の内容によっては技法を変えたりしながら、色やテイストは変えず両方続けていきたいです!
2013年9月26日 6:30 PM |
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今週の作家さんはHBでは初めての個展となる嶽まいこさんです。
石川県ご出身の嶽さん。金沢の美大を卒業後上京し、
現在はギャラリーでお勤めしながら絵を描いています。
架空の姉妹、ブーバとキキのコレクションを紹介するという今回の展覧会。
嶽さん独特のファンタジーな世界観と、原画の美しさをぜひ会場でお楽しみください!
— まずは個展開催おめでとうございます!
作品を飾り終え、初日を迎えた感想をお聞かせいただけますか?
個展の準備を始めたのがゴールデンウィーク頃からだったのですが、
実際に手を動かして本格的に描き始めたのが8月の中旬…
そこから全速力で疾走後、初日を迎え…という感じで、燃え尽きました…(笑)
個展ための作品制作のほか、並行して他の仕事もあったので、
これは1日でも欠けたらまずいぞ…と、エクセルで作ったスケジュール表とにらめっこしていました。
でも体調を崩すこともなく、無事に展示をむかえられ良かったです!
— 素晴らしい展示になりましたね!ほんとうにおつかれさまでした!
ご自身で思う今回の展示の見所はどんなところでしょう?
“ブーバ&キキ効果”という実験があるのですが、その言葉から派生して架空の姉妹をつくり、
その2人が好きで集めたコレクションを紹介しています。
どっちがブーバで、どっちがキキの集めたものなのか、考えながら見てもらえるとうれしいです。
会場内に答えが書いていないのは不親切ではあるのですが…楽しんで頂きたいです!
それぞれのモチーフの特徴としては、キキは乙女っぽくて硬質な感じがあり、
ブーバは現実主義、性格がちょっと暗い…など、
言葉の音からイメージをふくらませてモチーフを選んでいます。
ー 色合いなども2人のコレクションを見比べると、違いがわかりますね。
会場で絵を見た方は驚かれたと思うのですが、原画が本当に美しい!画材は何を使用しているんですか?
主にオイルパステル、色えんぴつ、アクリルガッシュです。
ー 写真ではうまく伝わらないので、ぜひ会場で見ていただきたいです!
どの作品にもファンタジーな要素が含まれていますが、
普段からこのような想像をしたり、アイデアを出したりしているんですか?
いいえ、普段は全くですね。(笑)
まず、テーマを決めてそこからアイデア出しをし、広げていくという感じです。
ストーリー性は盛り込みたい!という想いはありますね。
展示をするごとに設定を決めて描いています。
「こんな家があったらいいな」「こんなお菓子があったらいいな」というところから、イメージをふくらませます。
ドローイングのように、勝手に手が動いてどんどん描ける、というタイプではないですね。
ー それにしても、楽しい世界観です!嶽さんの創造力はたくさんの人を楽しませられると思います。
最後になりますが、今後やっていきたい活動や抱負などお聞かせいただけますか?
絵本を作ったり、漫画を描いてみたいなぁと思います。
絵のお仕事はなんでも楽しめるので、どんどんやってみたいです!
2013年9月22日 12:16 PM |
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今週の作家さんは亀井武彦さんです。
「よきことあれ」と題された今回の展覧会では、
“こんな時代だけど、みんな殻をやぶって元気になろう!”
“もう一度、立ち位置を見直してみよう!”
といった、亀井さんから現代を生きる若者たちへ向けたメッセージ性のある作品が並びました。
どの作品からも光を感じる、明るさに満ちた世界観が広がります。
亀や一角竜、ハートなどをモチーフに、
すべての作品がアジアの曼荼羅をベースに描かれています。
西洋・東洋を融合させ、言語を問わず視覚で伝えるメッセージ。
会場のあちらこちらにのぞく、亀井さんの遊び心溢れた立体作品にもぜひご注目ください!
また、これまで出版された亀井さんの HB VISUAL BOOK も販売しております。
この機会にぜひお手に取ってご覧下さいませ!
「いきあいし」¥1,300
「瀑 玄亀素描」¥1,000
2013年9月13日 4:18 PM |
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和田誠チャリティーが、本になりました!
「自分にできることは、絵を描くことだけ」と2011年4月から、
1点1点すべて違う絵柄で描いた作品を販売し被災地のために寄付、その作品は900点を超えました。※2014年5月時点
和田さんの集大成的作品集!全国の書店でお買い求めいただけます。
和田誠「画廊の隅から 東日本大震災チャリティ・イラストレーション作品集」
http://bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2178737
また、現在もギャラリー奥で和田誠チャリティーは継続中!
毎週木曜日の11:00~販売、作品は1点1万円です。
毎週10枚のみの販売のため、先着順とさせていただいております。
11時の時点で売り切れになる場合もございますのでご了承くださいませ。
発売日や作品テーマは、HBギャラリーのTwitterでお知らせしております。
https://twitter.com/HBGALLERY
※日曜日はスタッフが不在のため、販売をお休みしております。
その他の販売時間についてはギャラリーへお問い合わせください。
2013年9月7日 12:11 PM |
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今週の作家さんは、HBでは2回目の個展となる新倉サチヨさんです。
今回は、これまで描いてきた風景画の作風とは雰囲気を変え、新しいモチーフにチャレンジされた新倉さん。
ご自身の好きな”落語”をテーマに、ユーモア満載な色とりどりの楽しい世界が広がります。
— 今回は新しい作風にチャレンジされましたね。何かきっかけはありましたか?
これまでは光と影を描くような風景の作品を主にしていたので、
写真などの有り物で下地を作っていったり、合成をしたりというような描き方が多かったんですね。
徐々にそういった描き方から、自分で絵をクリエイティブするということに挑戦したいと思うようになりました。
前の描き方の方がよかった…と思われる方がいるかも知れないのですが、
チャレンジする姿勢を見せて行きたい!という想いもあります。
今回は元々好きだった落語をテーマに描きました。
— 今回は人物もたくさん登場しますね。新鮮です。
やはり、落語だと人物ありきなので。
人物が描けないと、なかなかお仕事にも繋がりにくいような気がしますね。
— どのキャラクターも性格が出ていますね。ほのぼのとしてかわいらしいです。
普段、落語はどのように聞いているんですか?
YouTubeにたくさんアップされているので、それで聞いています。
今回、選んだ作品もすべてあると思うので、気になったお噺があったらぜひ聞いてみてほしいです。
落語は耳で聞きながら絵を描けるところがいいですね。
映像だとそうはいかないですからね。
— 確かに、両方できますね!絵を描く際に、資料などは見るのですか?
時代背景や風俗など、調べることがたくさんありました。
幕末時代の写真を見たり、浮世絵を調べたり、花魁の髪型はどうなっているんだろう?といったことなど…
作品のなかでピンクの着物を描こうとしていたのですが、資料などを調べてみると
その当時、庶民は派手な着物を着てはいけなかったそうなんです。
でも、絵の世界では多少想像も交えて楽しく描いています。
— 今回の展示でも飾られていますが、新倉さんはすでに落語の絵を描くお仕事をされているんですね。
雑誌の連載で落語のコーナーを設けていただけました。
プロフィールに「落語好き」と書いていたことがきっかけなんですよ。
— すごいですね!好きなことはどんどんアピールしていくことが大事ですね。
今回の展示では色々なことに挑戦されましたが、今後はどのような活動をしていきたいですか?
やはり絵を作る仕事がしたいですね。
調べたり、打ち合わせをしながら、絵を作っていくような、そういう描き手になりたいです。
また、絵が好きな人以外にも、わくわくしておもしろいなと思ってもらえるような絵を描いて行きたいと思います。
2013年9月5日 6:01 PM |
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