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4月2019

浅妻健司個展「ばくさん」

今週の作家さんは浅妻健司さんです。約4年ぶりの個展開催となりました。
山之口貘の詩の世界をここちよい線画で表現されました。シルクスクリーンならではの版表現をお楽しみください!

「歯車」

最近、あるお仕事がきっかけで、”ばくさん”こと山之口貘の詩にふれた浅妻さん。以前から好きで聴いていた高田渡の歌『生活の柄』の歌詞が、山之口貘のものだったことを知り存在が一致したとのこと。貧乏な生活で、結婚願望が強かったばくさん。今回はそんなばくさんの詩をテーマに描かれました。
作品はシルクスクリーンで刷ったもの。製版から刷りまで浅妻さんご自身で行なったそうです。一度手から離れることが版画の良さだなと感じるとのこと。楽しかったけど大変だった、大変だったから楽しかった、と浅妻さん。

 

 

「萌芽」

「猫」

2015年からフリーランスで活動されている浅妻さん。イラストレーターだけではなく、デザイナーとしてもお仕事をされていて、書籍の本文組みから表紙デザインまで1冊すべて手掛けることもあるそうです。今後も本のデザインはもっとやってみたいとのこと。

「告別式」

「再会」

浅妻健司個展 「ばくさん」は4/26(金)まで開催中です!(最終日は5時まで) ぜひいらしてください!

三浦由美子個展「daydream」

今週の作家さんは三浦由美子さんです。HBでは初めての個展開催となりました。
夢の中のできごとのような不思議なシチュエーションと、春の陽気を感じさせる色彩が楽しい三浦さんの作品たち。毎日小学生新聞では東直子さんの連載小説『アプリコット・ケーキ』の挿絵を担当されています。会場ではその原画も公開! ぜひご覧いただきたいです!

「私の可愛い子」

楽園、桃源郷、夢の中…、絵を見た方からそんな感想をもらうことが多かったという三浦さん、そういう絵なんだなとご自身でも気づきがあったそうで、今回の個展テーマにもなりました。春らしい色彩と共に、どの作品にも必ず女の人が描かれています。可愛くて綺麗というだけではない、女の人の表情を描きたかったそうです。
以前は楽しくなさそうな、気だるそうな人を描いていたのだそう。しかし仕事的な意識もあり、そういった表情の絵はあまり広告には使わないと言われたことがあったそうで、そうかもと思ったそうです。女性向けの化粧品等のお仕事などもやってみたい、やっぱり不幸せじゃなさそうな人がいいと思い、意識的に変えていったとのこと。さまざまな感情を秘めているような、何かしらの悩みを必ず持っているような人たち。微妙に嬉しそうだったり、そんな感情を表現できたらいいな、と三浦さん。

「執事と女たち」( 「バルコニー」 マネより)

「楽園」(「楽園のアダムとイヴ」ルーベンス/ブリューゲルより)

今回特に描かれたのは女性の肌。服を透けさせたり、服の向こうの体の線を意識して描いたそうです。いつも、裸を描いてから上から服を描いて着せているという三浦さん。透けた感じの服を着ている人が好きだそうで、作品にも反映されています。

絵をはじめた頃もよく女の人を描いていたという三浦さん。途中、動物や風景だけを描いていた時期もあり、より道をしたけれど、また女の人に戻って来たとのこと。きっかけは昨年開催された、佐々木あららさんの短歌をテーマに描いたグループ展でした。水着姿の女性や裸の女性を大胆に描いた作品はとても好評で、佐々木さんの短歌から引き出してもらったような感覚だったそうです。「これでいってみよう」と思えたきっかけだったと思う、と三浦さん。

 

「なかよし」(「眠り」 クールベより)

今年は初めて連載のお仕事も経験。作者の東直子さんは絵がお好きでご自身でも描かれます。東さんが三浦さんの絵をお好きだったことから『アプリコット・ケーキ』のお仕事へ繋がったとのこと。物語が中盤を過ぎた頃には、絵に東さんがお話を合わせてくれたこともあったようで、貴重なおもしろい経験だったと三浦さん。

今後は広告や化粧品、デパートのお仕事などジャンル問わず、幅広くやってみたいそうです。この絵は合いそうだなと思ってくれたり、好きだなと思ってくれる人が使ってくれたら嬉しい、と三浦さん。会場ではミラーや缶バッジなどオリジナルグッズも販売中。展示の記念にぜひどうぞ!

松尾穂波個展 「海の向こうをゆめみて」

今週の作家さんは松尾穂波さんです。初個展となりました。
幻想的な世界観とレトロな雰囲気が魅力の松尾さんの作品。ステンシルで描かれた、美しい原画の数々をお楽しみください!

「都市の一灯」

今回が初個展の松尾さん。子どもの頃の記憶や、過去のできごと、外国やまだ行ったことのない場所など、すこし遠く離れたものをテーマに描かれたそうです。作品はすべてご自身で型から作るステンシルで描かれています。型を作るとき、細かなパーツを切っていく作業は集中力を持続させるのが難しいそうですが、切り貼りなど細かな作業はお好きなのだそう。

 

「雑沓」

「路地裏」

2年前からMJイラストレーションズへ入られた松尾さん。入った当時は作風を模索していた時期だったそうで、色々な画材や表現を試したそうです。色鉛筆や水彩では描きすぎてしまうため、もっと削ぎ落としたり、コントロールが難しい方法で絵を作りたいと思い現在の技法に。一目で自分の絵とわかるようなものを描きたい、という目標があったそうです。MJの講評でたくさんの人に作品を見せる場があったのがありがたかった、と松尾さん。
学生時代にはイラストレーションを主軸にしたアニメーションや、エディトリアルなど幅広く学ばれていたそうです。毎日、ガッシュやコラージュなど色々な画材に触れ、描き方を試していたとのこと。そのときの経験がなければ、自分の絵をみつけるまでもっと遠回りをしていたのかもと思うこともあるそうです。

「日曜日の街」

「硝子の小鳥」

今年『MJイラストレーションズブック』に初めて掲載された松尾さん。先日、本を見た方からステンシルのタッチで初めてのお仕事の依頼があったそうです。普段から素敵な装丁の本を集めているそうで、装画や挿絵、絵本のお仕事に興味があるそうです。また、今年はコンペで賞をとることも目標とのこと。今後益々のご活躍が楽しみです!