田尻真弓個展「おそろい」
今週の作家さんは田尻真弓さんです。
ご自身4年ぶりの開催で、HBでは初個展となります。
これまで多くの装画や挿絵を手がけられている田尻さん。
女の子や、動物の絵を描かれる印象がありますが、今回の展示では「モノ」をテーマに
男女をユニークな視点で描いています。
お仕事の作品をまとめた、特大サイズの原画ファイルも必見です!お見逃しなく!
— 今回のテーマはどのように決められたのですか?展示構成もおもしろいですね。
最初は、唐仁原さんのところへ個展の相談に行かせてもらいました。
今回、展示しているようなモノの絵ではあまりお仕事をしていないので、
あまり人に見せてない絵をやった方がおもしろいんじゃないかと。
普段、お仕事で描くことの多い人物や動物以外で描こうと決めたのが最初です。
展示タイトルをイラストレーターの佐藤香苗ちゃんに相談したところ、
「形容詞が合いそうだね。」とアドバイスをもらい、形容詞の言葉の中からタイトルを探しました。
ギャラリーの右壁と左壁を分けて「対」にするということは決めていました。
それからは、展示する点数分のタイトルを決めてから、絵を描き始めました。
— 言葉が先にあったのですね。
普段の仕事も、タイトルと原稿ありきで描く絵を決めているので、
先にタイトルを決めて、しばりをつける方が膨らませやすいです。
ゼロから1は大変だけど、1から2は大変じゃないような気がします。
— 田尻さんがイラストレーターを目指したのはいつ頃ですか?
30歳を過ぎてからです。その頃は、DTP関係の仕事をしていて
仕事では素材集からばかりしか絵を使えず、つまらないな…と思っていました。
友人に相談したら「じゃあ辞めなよ」と言われて、会社にはその日に「辞めます」と言いました。
でもすぐには辞められなかったので3ヶ月後に辞めました。
その頃、一人暮らしをしていたので、派遣の仕事をしながらお金をためて青山塾に通いました。
2年間通っていました。
— 青山塾時代から、絵のお仕事はされていましたか?
在学中は仕事はしていませんでした。たまにコンペに出すくらいでした。
まだ仕事をできるところまで自分は達していないと思っていて、
もっと勉強したい!3年目も通いたい!と思っていました。
ペーターズのコンペで賞をいただいたことを機に活動を始めようと思い、
売り込みにも少しずつ行くようになりました。
— お仕事の絵を描くときに、気をつけていることや、これだけはゆずれない!ということはありますか?
自分が今出来ることや頑張れること、その時の描けるベストは尽くそうとしているつもりです。
「これでいいかな?」というのは、お金を頂いている限りしてはいけないと自分では思っています。
自分で手抜きをしないでやれたかどうか。
他の方がどう見るかは別として、自分自身の中で「ま、いっか」がないようにとは思っています。
— 原画を拝見すると、そのプロフェッショナルな姿勢がひしひしと伝わってきます!
最後になりますが、今後はどんなお仕事をしてみたいですか?
本や雑誌以外のお仕事もやってみたいなと思っています。
それ以外では何もやったことがないので。
仕事がつまりすぎているとか、法事で…とか、どうしようもないこと以外ではお断りしないので、楽しいお仕事をぜひやれたらなと思います。
— ありがとうございました。今後のご活躍も楽しみにしております!
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