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松木直紀個展 「スクランブル」

今週の作家さんは松木直紀さん。HBでは3回目の個展となりました。

今回のテーマは渋谷の街。雑踏の中を交錯する音や光、空気感の描写は必見です。
松木さんらしい、しっとりとした臨場感をぜひお楽しみくださいませ!

一部作品はオンラインショップでもお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

Q1.
松木さんは3回目のHB個展です。
「atmosphere」と題された2019年の初個展では明かりが灯る夜の街を、
続いて2021年「雨と雪」では新雪と雨の光景を描かれました。
今回は「スクランブル」と題し渋谷の街をテーマにされています。
渋谷をモチーフに選んだ理由をお聞かせください。

過去二回の展示では、近隣の住宅街など、誰も知らない街を描くことが多かったので、次は皆が知っている光景を描きたいと考えていました。
渋谷は、老若男女 国籍問わず色々な人がいて、明るいところも暗いところも、都会的な場所も自然が多い場所もあり、文化もスポーツも盛んで、本当に色々な要素がごちゃ混ぜになった面白い街だなという印象があり、そんな渋谷の光景を描き集めてみたいと思いました。

 

 

Q2.
松木さんはご自身で撮影された写真を元に絵を描かれるそうですね。
今回も実際に渋谷へ撮影に行かれましたか?
取材を終えてから絵を仕上げるまで、
松木さんはどのようなプロセスを踏まれるのでしょうか。

展示の構成をざっくり考えてロケ地の候補を洗い出した後、渋谷に取材に行きました。いくつか作品ができると全体の構成を見直すので、その度に何回か行っています。もともと20年くらい前にはよく渋谷に遊びに来ていたので、その頃を思い返しながら、街の変化を楽しみつつ歩き回っていました。
取材で撮影した写真は、フォトショップ等で他の写真や資料と組み合わせたり、線画を描き足したりして下絵を作ります。その後は下絵をベースにアクリル絵の具で描画します。

 

 

Q3.
お仕事で描かれる風景画はどのように制作を進められますか。
小説推理で挿画を担当された遠藤秀紀先生の連載小説「人探し」
こちらで描かれた駅の改札は、どこか特定の場所なのでしょうか。

制作の進め方は、基本的にはオリジナルと同じです。こういう絵にしたいというラフを作った後に、それに合う資料を探したり、ロケ地が思い浮かべば取材に行きます。それらを元に下絵を作って、アクリル絵の具で描きます。
物語の場合、あまり場所や人物が確定してしまうような描写はしたくないという思いがあって、ぼかすことが多いです。「人探し」の場合は実在する駅が舞台になっているので一応参考にはしましたが、それと特定できる要素は残していません。

 

 

Q4.
普段からどんなモチーフを描くときにも「空気感」や「雰囲気」を大切にされているそうですね。
絵を描き進めて行く中で、空気感、雰囲気を保つために工夫されていることはありますか?

意識的に気をつけているのは、あまり描き込みすぎないようにすること、あとは構図とモチーフ・ライティングでしょうか。
フルデジタルの制作だと描きすぎてしまうので、描画の段階ではアナログにしています。
街の絵の場合、街の空気は人が作ると思っているので、画面内に人がいない光景でも人の存在を感じさせるようなモチーフや灯りを入れるようにしています。

 

 

Q5.
松木さんは今年のTIS公募で見事入選され、ターナー賞,ファーバーカステル賞と企業賞をW受賞されました。
確かな実力をお持ちの松木さん。ますますのご活躍が期待されます。
今後の展望をお聞かせください。

書籍の装画や挿絵のお仕事はとても楽しく、今後も続けて行けたらと思っています。
街の絵を描くのが好きなので、そのあたりで雑誌や広告などのお仕事につながると嬉しいです。

 

 

インタビュアー 須貝美和

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