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若林夏個展「good condition」

HBでは3回目の個展となる若林夏さん。

背景の隅々まで色鉛筆で描かれた若林さんの作品はエネルギーと愛情で満ち、

訪れるお客様の笑顔あふれる幸せな空間となりました。

一部作品はオンラインショップでもお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

ー若林さんは3年ぶり3回目のHB個展となりました。

夕暮れ時や夏の終わりの花火など、

ふとした切なさを柔らかな色彩で表現された2016年「センチメンタル・ジャーニー」。

2020年「SWEET TIME SWEET MOMENT」では、

至福なシーンの集積を咲き誇るような色彩と画面の隅々まで描かれた描写で見事に表現されました。

今回の個展「good condition」はどのような思いで準備を進めて来られたのでしょうか。

個展のテーマと併せてお聞かせください。

 

「good condition」はまさに良いコンディション[状態・調子]のことをさします。

自分からいい気分になろう!というよりも。気候や体調など、

たまたま色々なことが整った時に、ふと立ち現れる良い気分。そんなニュアンスです。

なんてことない日に部屋でお茶を飲んでてて、

「あれ?なんか今めっちゃ幸せじゃん」とか思って一人でニヤニヤする時や、

道を歩いてて、前にすごい綺麗な赤いコート着てる人が歩いてて、そこに自転車で緑のツナギの子供が走り込んで来て

「あれ?今目の前の風景(構図?)が絶妙に最高なんだけど!」など、そんな「good condition」な時を絵に留めたいなと思いました。

 

ー若林さんは2009年からブログ「おなつだよ全員集合」を10年以上更新され続けています。

http://blog.waka-natsu.com/

ブログでは若林さんの仕事はもちろん、毎日の生活の中で感じたこと、直面した出来事、
喜びも、笑いも、痛みも含めてイラストと共に綴られいまを生きる等身大の若林さんの姿が描き出されており、
ほのかな感動を覚えます。

継続することが一番難しいと言われる中で
若林さんが長くブログを続けられている理由は何でしょうか。
また、各種SNS(InstagramやX)とブログはどのように使い分けてらっしゃいますか。

 

イラストレーションを習い始めた頃に、ささめやゆきさんのトークショーを見に行きまして。その時にささめやさんが「毎日絵日記を描いてるんです。そうすると毎日がとても愛おしく感じるよ」っておっしゃってて。

その時まだ、自分では何をどう描いていいかわからなかった頃だったので、これはいいぞと始めました。そしてまさにどうでもいいような日でもプププと笑えたり愛おしく感じることを実感できたんです。

あとは思いのままに吐き出したことが公開されることで、客観視して一旦整理できたり、気が済んだりします。多分単純に心と体に良いので続けられてるのかもしれません。

近年はSNSが広まったから、ブログはより公共性の少ないパーソナル空間のように勝手に思えて、SNSに上げるほどでは無いどうでもいいことを伸び伸び描いているのでますます息抜きの場所になってる気がします。

それでも机の引き出しにしまうより、どこか公開はしているという微すかな緊張感がちょうどいいなとも思います。

ー多岐にわたるジャンルで仕事を手掛けられている若林さん。
どのお仕事でも出し惜しみのない、
モチーフの細部にまで意識がこめられた描写に、
描くことへの情熱を感じます。
限られた時間の中で、これだけ密度の高い仕事を完遂できるのはなぜでしょうか?
若林さんの仕事に対する心構えをお伺いしたいです。
また、描くツールの面で何か工夫されていることがあればお聞かせください。

 

描き上げるのに、裏技や合理的な方法などなくて、ひたすら「気合い」と「愛」で乗り切ってます。
描くツールの工夫は時にないですが、最近は納期とボリュームの具合もタイトになことも多かったり、
1つの絵をさまざまに展開して使われることも多いので、デジタルで作成することも増えました。
デジタルだと、どうしても絵が整ってきてしまうので、
手描きのライブ感みたいなものを無くさないように心がけています。

 

ー若林さんが今後、挑戦されたいお仕事などはありますか?
これからの展望をお聞かせください。

 

具体的にあまり無いです。舞い降りてきた何かに固くならず、なるべく楽に身を委ねるように仕事できたら幸せです。

お仕事は自分で描いている時と違って、デザイナーさんや編集さんなどさまざまな方とやりとりがあります。
皆さんの魅力と知恵と技が絡み合い、絵、または企画自体に魔法がかかった時のトキメキがこの仕事の醍醐味なので、
できる限り沢山人と出会って面白いことを沢山できたらいいなと思います。

あとは、受注いただく仕事はありがたく沢山ください!なのですが、
自分から発信(発表)していくことにも興味あります。
面白い展示を企画したり、絵を動かしてみたかったり、
テキスタイルに落とし込んだりして「モノ」にして
グッズ展開することなどあまりやってきてないので挑戦していきたいです。

あとはたまにイベントなどで似顔絵描いたり子供たちと絵を描いたりするのが刺激的で至福な時間なのを知ってしまっていて、、
コロナも落ち着いてきたし、そういうのも増やしたいです。

あと何でしょう、画風の問題なのか装画など文芸のお仕事少ないので実は密かにもっとやりたいです。お待ちしてますw

まあでもとにかくもっといい絵が描けるようになりたいです。

インタビュアー:須貝美和

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