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宮下恵理歌個展「触れたら光る」

今回ご紹介するのは、2024年1/12~17に個展を開催された宮下恵理歌さんのインタビューです。

キラキラ光る不思議な景色を描かれる宮下さんの初個展となりました。
ぜひこちらの制作インタビューをお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

ー個展のタイトル 「触れたら光る」 こちらのタイトルに込められた想いをお聞かせください。

 

メインビジュアルの作品タイトルです。指先が心の琴線に触れたら、接触部分の温度が少し上がって
光を放つようなイメージの絵なのでそう名付けました。
メインビジュアルとタイトルに合わせて、他の展示作品もどこかしら光らせるように統一しました。

ー宮下さんの作品は既視感のない、類い稀ない視覚的表現だと感じます。
現在のような画風になられたのはいつ頃からなのでしょうか。
また、宮下さんご自身はどのような表現に影響を受けてこられたのでしょうか?

学生時代働いていた飲食店が独創的で、「他人に理解されなさそうな思想をいざ表に出すと案外形になり、
個性と評されたりする」実例を目の当たりにし、自分の制作への意識が変わりました。
その後、専門学校の先生が今の画風の原形となる卒制に肯定的な対応をして下さって方針が固まりました。
 漫画家・市川春子先生の作品は中学時代から読み込んでおり、
モチーフのデザインやスケール感など影響を受けていると思います

ー描かれているモチーフは実在する何かですか?
陰影や空間が感じられることから静物画のようにも風景画のようにも見えます。
実際にモチーフを観察して描かれるのでしょうか?

取り留めもない考え事や聴いている音楽の内容を咀嚼する手段とし
脳内で自動的に立体図形化するような癖があり、 それが風景のように見えるので絵として描写しています。
そのままだとルックスが悪いので、 肉付けの段階で好きな洋服などを参考にデコレーションする工程を踏んでいます。

ー宮下さんは2022年に桑沢デザイン研究所を卒業されました。
 卒業制作作品では、 アクリルガッシュや木片を使用した重厚感のあるアナログ作品を制作されていました。
現在のようなデジタル作品へ転向されたきっかけなどはあるのでしょうか?
アナログで制作していた頃と現在では、 作業プロセスや制作中の意識に何か大きな違いはありますか?

アナログの卒制が大変だった反動でしばらく絵を描けず、通勤電車で気軽に制作するために
中古のiPadを購入しました。初めはデジタルに抵抗がありましたが、
いつの間にかデジタル描画のチープな拙さ、清潔感といった特性を画材として気に入りました。
デジタルを絵の具の代替品としては使っておらず、絵の趣味がデジタルの特性に合わせて変わっていきました。
微妙にコントロールが効かないデジタル描画のもどかしい感覚は好きですが、
モチーフの形や動きを探る案出しの段階では、自分の頭と手を誤差なく連動させたいので今も紙と鉛筆を使っています。

 

ー宮下さんのこれからの展望をお聞かせください!

作家活動はこれから始めるので、まずは絵を描くのが楽しい・自分の制作が好きだという
恵まれた現状を大切に育てること、育てるための場を見つけることから着手したいです。
コミティアのような所にも出たいですし、年末には好きな街で展示も決まっているので楽しみです。

インタビュアー 須貝美和

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