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もとき理川個展「飄飄 (ひょうひょう) 」

今週の作家さんはHBでは2回目の個展となるもとき理川さんです。
カッティングシートを切り絵の様に用い、エッジのきいたタッチが魅力的なもときさん。
今回はモノクロ一色に統一し、落ち着きの中にも不思議な世界が感じられる作品が並びました。

 

 

— ではまず今回のコンセプトをお聞かせ下さい。

前回HBで個展をしたときは、どちらかというと可愛い世界観でまとめたので、
今回は大人な雰囲気にしたく思い、モノクロ1色でまとめてみました。
内容も「内田百聞」の作品をモチーフにしています。

— いつものもときさんとはひと味違う、渋い世界観になっていますね。

最近ではビジネス書や実用書のお仕事を頂いていましたが、
文芸の方にも仕事を広げていけたらと考えていましたので
この個展がきっかけでお仕事ができたらと思い、
昔から好きだった内田百聞の世界を表現しようと制作しました。
内田百聞の独特な不思議な世界観が、私の省略した絵と合うのではないかと思います。

— モノクロとはっきりしたベタ面がぴったりですね。独特の雰囲気を醸し出しています。

内田百聞本人も不思議な方で好きなんですよ。
例えば大阪までの交通費を借りて行っても、現地についたら特に用がないからと帰ってしまう人なんです。
そのエピソードは 内田百聞がてっちゃん(鉄道マニア)という理由もあるのですが、
とても不思議な魅力を感じるんです。

— 今回モノクロで制作されていかがでしたか?

意外にも皆さんの反応が良いのがとても嬉しいです。
カラーでないと飽きられてしまうかな?と思っていたので安心しました。

— この個展用にZINEも制作されたのですね。

個展をする時は何か1つ新しい事にチャレンジしてるんです。
ただ絵を並べるだけではなく、工夫したものを見てほしいという考えがあるので。

— 来た方を楽しませたい気持ちがよくわかります。
また、もときさん自身も楽しい方ですね。イラストレーションのお仕事が順調なのも、
もときさん自身の人柄が反映されているのではないかと思います。

ついつい話しすぎてしまう性格なのですが…笑
小さい頃からおしゃべり好きで、しゃべりすぎと通信簿に書かれる子供でした。笑
でも、どこに行っても自分からしゃべりかけるようにしています。
イラストレーターさんは、プレゼン勝負な場面も多いじゃないですか。
ここ一番な時に話せる性格で良かったなと思います。

 

 

— カッティングシートって意外な画材ですよね。この画材を使おうと思ったきっかけはなんですか?

カッティングシートを使うまではアクリル絵の具を使用していましたが、
絵の具の厚みが少しあって、エッジの効いたタッチをイメージしていたんです。
アクリルだと何度も塗り重ねないと厚みが出ませんし、
角が丸くなってしまい、パキッとならないので困っていたのですが、
そんな時世界堂でカッティングシートと出会い、私にぴったり!と思い、使用するようになりました。

— 描きたいイメージのもと、画材を探していたのですね。
個性を出す上で、自分とぴったり合う画材探しも大事なんだなと
もときさんのイラストレーションを見て思いました。

— 最後に、今後の活動でやってみたい事はありますか?

先ほども申し上げたように、文芸のお仕事をしてみたいです。
また、カッティングシートはシールになっていますし、
大きいサイズも購入できるので、壁にはったりするお仕事も楽しそうですよね。
他にはない事をしてみたいという気持ちがあります。

 

 

前回とは裏腹に、大人でピリッとした持ち味が魅力な今回の作品たち。
新しい挑戦を恐れず、楽しんでいる姿がとても素敵な作家さんでした。
今後のご活躍も楽しみにしております。

 

 

インタビュー / HBstaff 土生はづき

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