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MIKITAKAKO個展 「LOVE and HANDWORKS」

今回ご紹介するのは、2024年2/9~2/14に個展を開催されたMIKITAKAKOさんのインタビューです。

和紙に紙版画で制作された、独特の風合いのある作品を展示されたMIKITAKAKOさん。
展示方法にも工夫があり、原画ならではの作品がならぶ素敵な展示空間でした。
会場の様子を制作インタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ー今回の展覧会「LOVE and HANDWORKS」では
愛おしさと煩わしさ、過去と未来といった相対する出来事を和紙と紙版画で表現され、
原画を間近で楽しむことができる展示方法は、
初個展とは思えないほどの完成度の高い展覧会となりました。
MIKIさんご自身は、どのような想いで展覧会の準備を進めて来られたのでしょうか。

 

このような場所で展示させていただくというのはイラストレーションの仕事獲得の為の重要なショーケースだと考えています。また普段お世話になっている方々、ひいては友人や家族へ感謝、成長を見てもらう機会でもあります。その中で自分がイラストレーションの作品の中で大切にしていることを間近に見て知っていただけたらという思いで制作を進めました。また今年の年始は悲しいニュースも多かったのでゆったりとやすらげる絵画空間を目指しました。

 

 

ー今回の展示作品では12枚の絵に12ヶ月の日常を表現されてらっしゃいます。
桜やサンタ帽など、季節に関連するモチーフも見受けられますが、
描かれた各月の女性は髪の長さも肌の色も多様です。
MIKIさんが人物を描かれる際に意識されていることや大事にされていることはありますか。

 

今回の会期が春節とバレンタインの時期に重なっており、贈りものにもなるような12枚(とイントロダクションにプラス1枚)の作品を制作しました。今回の人物画は自分や自分の子を参照したので性別感はあるのですが、お仕事以外で人物を描くときは年齢や国籍をあまり意識させないように描いています。ですから瞼の描き込みもありません。まつ毛は一本、視線の情報として残しています。髪色も季節や出来事になぞらえているので自由です。私の描く人物は対峙した相手に自己を投影しやすいように入れ物のような存在です。

 

 

ー展覧会用のZINEはご自身で和綴じをされており、
ページも1枚1枚丁寧に折り込みがされているこだわりの1冊です。
このような形態にされた理由などはありますか。
何か参考にされた製本などはあるのでしょうか。

 

スケジュールと予算の関係で手製となってしまいました。笑。
今回の作品はA5サイズが刷れるプレス機で出力したA2サイズ大の人物画で、版を細かに分けて刷っています。柔らかで手仕事を感じさせる線画の各所には、紙版の矩形のプレートマークの痕跡や折ジワが直線的に入っていて、作品全体にリズム感や緊張感を生み出しています。そのような作品のプロセスを踏襲したブックデザインに仕上げたかったので折り込みを入れました。また、和綴じはこの本の場合の最適解の一つでもあり、今回の展示の雰囲気にも合っているので採用しました。ただ、お客様に「お部屋に貼るので折らないものが欲しい」と云われて配慮が足りなかったと反省しています。製本についてですが、以前はよく本のデザインや国内外のブックフェアに行っていて、その時見たアートブックのユニークなフォーマットなどが影響していたりします。

 

 

ーMIKIさんは今回展示されている紙版画や顔彩などを併用した混合技法はもちろん、
インクでの表現やコラージュ、デジタルなど様々な表現方法に挑戦され、研鑽を積まれています。
これまで経験された画材や表現に対して、どんな想いをお持ちでしょうか。これは扱いやすいな、これは相性が良いななど、感じることはありますか。
また、これまで影響を受けた作家や美術表現などをお伺いできますか。

 

色々な思いはあるのですが、とにかく「絵を描き続けられたらいいな」という事です。
プレス機を使うと手がブルブルと震えていたりして、もしかして歳を経た時には難しいかもしれません。
その時に生きて、その時に手に入る道具で絵を描いていけたら幸せだろうなと思います。
日本画が好きなので技法や画材は日本画由来だったりする事が多いですが、作家さんの展示を見に行った際に知らない方法で描かれていたりすると研究心をくすぐられます。

 

 

ーMIKIさんが今後挑戦されたいお仕事や活動、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。

 

現在HB WORK Competitionのおかげで装画のお仕事の機会をいただけており、とても嬉しいです。
装画は難しい部分もあるのですがとてもやりがいを感じています。引き続きチャレンジしていけたらと思います。また今回制作した作品群のようなイラストレーションを起用していただける先があれば嬉しいです。
ご興味のある方、企業さま、是非お願いいたします。

 

インタビュアー 須貝美和

 

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