HB Gallery

Blog

しろた友貴個展 「四季小景」

今回ご紹介するのは、2024年3/22~3/27に個展を開催されたしろた友貴さんのインタビューです。

実在する風景と実在しない風景を描き、静かな時間が流れる展示会場となりました。
ふとした一瞬の風景から様々な景色や思いが感じられます。
会場の様子を制作インタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ーしろたさんはHBでは初めての個展となりました。
昨年はMJイラストレーションズ主催のコンペで南伸坊賞を受賞され、
受賞展やグループ展など、作品発表の機会が続いてらっしゃいますね!
しろたさんが今回の個展開催を決意された理由や、
「四季小景」というタイトルで展示作品を風景画に統一された理由などを教えてください。

 

HB galleryではとても素敵な展示を沢山みてきていたので、以前から展示することへの憧れはありました。
しかし、まさか私にお話がくるとは思ってもみなかったので、正直お話をいただいた時は驚きましたが、このチャンスを逃したらもうこないかもと思い後先考えず即決いたしました。
個展をすると決めた時、全て風景画にしようというのは最初から決めていました。
理由という理由はないのですが、描いてみたいモチーフがたくさんあったからだと思います。
四季小景というタイトルは、小景という言葉の「ちょっとした眺め、小規模な風景画」という意味が私のなかでしっくりきたからです。
そこでどうせなら四季折々の小景にしようと考えました。

 

 

ー展示作品は、実在する景色と実在しない景色が混在されているそうですが、
その違いが見分けられないほど、臨場感のある風景が広がり、心が静まるような思いがします。
実在しない景色は、どのように制作を進められたのでしょうか。
写真資料などをもとに描かれているのですか。
その景色をモチーフに選んだ理由なども教えてください。
また、多くの風景作品に、一羽の鳥が飛んでいる様子が伺えます。
鳥にはどんな想いがこめられているのでしょうか?

 

実在しない景色は、最初なんとなく描きたいイメージから構図を描き起こして、それにできるだけ不自然さが出ないよう気をつけながら物を配置していっている感じです。
写真資料をいくつか組み合わせたりもしますし、想像で描いている時もあります。
元々このような風景画を描き始めたのはコロナ禍なのですが、なんとなく息苦しい日々を送っている中で鳥が飛んでいるのをみるたび、のびのびとして気持ちよさそうだなと思っていました。
なので、絵の中でもその空気感を出したいときに好んで出すモチーフになっています。

 

 

ーしろたさんは大学で日本画を学ばれ、
現在はPhotoshopやProcreateで制作されていますね。
デジタルでの制作をされるようになったきっかけは何でしたか?
しろたさんが日本画で得た経験は、デジタルでの制作に何か影響を与えていますか?

 

きっかけは、仕事をしているので効率よく描きたかったのと、デジタルであれば外出中でもお仕事が来た時に対応できるかな、と思ったからです。
日本画で制作するときは、下地の色や塗る順番などかなり計算して描かないといけなかったのですが、デジタルのレイヤーなどの扱いがそれに近い感じで、割と抵抗なくできたかなと思います。

 

 

ー展示作品ではデジタル作品の上から絵の具で加筆するなど、
新しい試みをされていますね。
加筆されようと思った理由は何でしょうか?
また、絵の中のどのような箇所に加筆をされましたか?
加筆する前と加筆した後の効果や印象の違いはどんなものでしたか?

 

加筆しようと思ったのは、実際に足を運んで展示をご覧になられた方々は筆跡が見れる方が楽しいかなと思ったからです。
私自身、展示でそうゆうとこを楽しみにしているからかもしれません。
加筆してみて感じたのは、やはり描き込みすぎてしまったところもあるので、加減が難しかったです。
加筆する前と後の効果や印象の違いは、細かいところが描ける点は良かったですが、その分、視点が散りやすいですし、説明的になってしまうのが難しいなと思いました。

 

 

ーしろたさんが今後挑戦されたいこと、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。

 

本の装画のお仕事をしてみたいです。
もともと絵を描くようになったのが、こどもの頃、図書館で借りた本の装画に感動したのがきっかけでして。。
表紙をみて、読んでみたくなるような絵を描けるようになるのが目標です。
絵本は、大学生の時に長新太さんの絵本と出会い、腰が抜けるほどの衝撃を受けて以来ずっと描いてみたいと思っていますが、物語を作るのが難しくて絵まで辿り着けていません。
色々な絵本を読んで、目下勉強中です。
また、今回の展示でいろいろなご意見をいただいたので、それを踏まえていろいろ試しながら挑戦してみたいと思っています。
まずは、売り込みなど積極的に動けるよう頑張りたいです。

 

インタビュアー 須貝美和

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

コメントフィード

トラックバックURL: http://hbgallery.com/blog/2024/03/27/%e3%81%97%e3%82%8d%e3%81%9f%e5%8f%8b%e8%b2%b4%e5%80%8b%e5%b1%95-%e3%80%8c%e5%9b%9b%e5%ad%a3%e5%b0%8f%e6%99%af%e3%80%8d/trackback/