平野瑞恵個展「poco a poco」
今週の作家さんは平野瑞恵さんです。
HBでは5年ぶり3回目の個展となります。
瑞々しく透明感のある色彩、筆跡の重なりから、様々な情景を想起させる平野さんの作品。
思わず深呼吸をしたくなるような、心地よい空間が広がりました。
— 今回はどのようなテーマで制作されたのですか?
しばらくお仕事の絵しか描いていなかったので、少しそこから抜け出して、
何もないところから自然と湧き出るイメージを大事にしたいと思いました。
自由に手が動くまま描こう!と。作品はすべて描き下ろしです。
— 平野さんの作品は光の加減で、見え方が色々と変化しますよね。
描く時間帯は日中が多いですか?
自然光のなかで描くことを基本としているので、日中の気持ちのいい時間や
朝早い時間に描くことが多いですね。
自分のいい状態ででてくるものを大事にしたいと思っています。
— なるほど。音の影響などは受けますか?
静けさのなかで描くのも好きですし、人の気配があったり、
周りの音があった方が描けるときも。音楽をかけて描くこともあります。
— その時々の状況で、絵が変わるというおもしろさがありそうですね。
平野さんのような作風の場合、お仕事はどのように依頼されるのでしょうか。
言葉やニュアンスで伝えてもらうことが多いですか?
デザイナーさんによって様々なのですが、
ざっくりと色味を伝えてもらったり、おおまかなテーマを伝えてもらいます。
逆に「こういったものは描かないでください」と伝えて頂く場合も。
あとは自分の判断に任せていただけて、描いたものそのままで使っていただけることが多いですね。
— ご自身でテーマを決めて作品を描くことと、
お仕事として依頼されて描くこと、どちらがお好きですか?
両方好きです。仕事で描いていても、その延長線上で自分の作品に戻ってきたり、
両方を行き来する感じがあります。個展での制作があるから、自然と手が動くという部分があったり。
— 両方あることでどちらにもいい影響があるのですね。
今回、5年ぶりの個展ということですが展示してみていかがでしたか?
毎日、仕事のアトリエで自分の作品を近くで見ていたので
こうして飾ってみると、客観的に見えるなぁと思いました。
距離を置くことも大事だと思います。
— すごく気持ちのいい空間ですよね。
最後になりますが、今後の抱負をお聞かせ頂けますか?
これからも、淡々と繰り返し描くのではなく、ひとつひとつを大切に、
新鮮で素直な気持ちで取り組んでいきたいと思います。
— すてきなお話、ありがとうございました!
見る人のきもちにぴったりと寄り添ってくれるような、いろんな感情を描くことのできる平野さん。
すっと心にとけこんで、ずっと見ていたくなる作品が並びます。
色彩の美しさ、透明度の高さは原画ならではです。ぜひお越し下さい!
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