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水沢そら個展「残響する芳芬」

今週の作家さんは水沢そらさんです。HBでは初めての個展となります。
切り絵の手法で、植物や蝶、少女の細かな描写が美しい水沢さんの作品。
その独自の幻想的な世界観に陶酔される方も多く、連日たくさんの方が楽しまれています。
残すところあと2日、この機会をお見逃しなく!

 

— 今回ご自身2回目の個展開催となるそうですね。飾ってみて気づいたこと、感想などありましたらお聞かせください。

展示してみて気づいたことは、描き込みの密度が以前よりも高くなっているなと思いました。
ちょっと変わった技法で描いているということが、昔に比べて自分でも気にならなくなりましたし、
「技法うんぬんより、作品として目に入ってくるようになった」と感想をいただけて、とても嬉しかったです。

最初に個展のお話をいただいた時は、すぐには展示が出来なかったので1年間待って頂きました。
でもその1年間がよかったなと感じます。 HBでの展示は憧れでした。

 

 

— こちらも嬉しいです。作品の描き込みの密度が高くなったことにはどんな理由があると思われますか?

元々、描き込むことは好きだったんです。今の切り絵の描き方で、色々なものを描けるようになってから
「どこまで描けるかな?」という自分に対してのチャレンジもありました。

今後は描き込みも残しつつ、抜け感をもっと追求していきたいです。
構図やモチーフについてもそうです。少女を多く描いているので、そのイメージが強いと思うのですが
もしまた展示をする機会があれば、次はいい意味で裏切ることができたらなと思います。

 

 

—  水沢さんは、絵を描くときどういうものからイメージが湧きますか?

厳密には自分でも分かっていないのですが、音楽だと思います。
ぱっとイメージが頭に浮かぶときもありますし、そうではないときもあって、
浮かばない場合は、写真やネット、雑誌などから人物のかたちだけをとっていきます。
座っている人を描いたとしたら、そこからその人が動き出すんですね。
その後ろには人がいて、手前には植物があって…と、その後の物語を展開していきます。
ずっと展開していき、写真の大本が0%になるまで描いていきます。

あとは普段からラフも描いていて、ラフ同士を組み合わせていくとストーリーが繋がって、
また新しい世界がうまれるということもあります。

 

 

—  この切り絵のスタイルになるまで、他にはどんな画材を試されましたか?

アクリル絵具でのペインティングや、カラーインクも試しました。
長い間、一番多く描いていたのはアクリルです。
今の技法だと、以前より明らかに描くスピードが2~3倍早いです。

僕は優柔不断で、飲食店に入ってメニューを見てもぜんぜん決められない…そんな性格もあって、
切り絵だと描く部分が限られているので、切りがつけやすく悩まず描けます。
この技法になってからは、今まで自分が途中で終わらせていると思っていたところで、
終わらせてもいいんだということに気づきました。

 

 

— 本格的にイラストレーターを目指そうと思ったのはいつ頃ですか?

30歳越えてからです。
バンタンデザイン研究所で2年間勉強してはいたのですが、
卒業後10年は遊んでばかりで、ずっとバンドをやっていました。
30歳を越えたとき、そろそろまずい…と思い、職をどうしようかと考えたときに
イラストレーターがいいなと思い、もう一度描き始めました。

でも卒業してから10年近く経っていたので、周りに絵を描く仲間がいませんでした。
その頃はSNSも今ほど活発ではありませんでしたし。
自己流で描いてみるもののうまくいかず、批評してくれる人も居らず…
そこで学校に行ってみようかなと思い、MJイラストレーションズに入塾し3年間学びました。

 

 

— 通っていた頃から絵の売り込みはされていましたか?

その頃はしていなかったです。今もそれほどはしていないのですが、
MAYAさんの装画コンペで賞を頂いてから、ぽつぽつとお仕事を頂けるようになり、
お仕事の本を見た方から、またお仕事を頂けて…といった具合です。
もっと広げたいなと思っているので、売り込みもしていきたいです。

オリジナルの作品を描く上では、自分の中のファンタジーなところを描いていきたいです。

最近では、野菜の「もやし」を描くお仕事を頂けてとても楽しかったので、
こういうものも描けるんだ、と振り幅を広く持てたらいいです。

— 今後はどんなお仕事をやってみたいですか?

しいて言えば広告がやりたいです。
ハーゲンダッツが大好きなので広告をぜひやってみたいです。
他には飛行機の機内誌「翼の王国」が好きで、飛行機に乗る度に持ち帰っています。
いつかお仕事ができたらいいです。一流のイラストレーターさんの絵が載っているので夢ですね。

— お話がくるといいですね。楽しみにしております!すてきな展覧会をありがとうございました。

 

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