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オビカカズミ個展「オト、オト、オト」

今週の作家さんはオビカカズミさんです。HBでは約2年ぶり2回目の個展となります。
現在、香川県在住のオビカさん。イラストレーターとしての活動だけでなく、デザイナーとしても精力的に活動をされています。今回は「音」をテーマに、オビカさんの視点でさまざまな日常のシーンを描かれました。カラフルな色合いと気持ちのよいデフォルメが楽しい作品です。ぜひお立寄りくださいませ!

 

 

 

— 今回はなぜ「音」をテーマにされたのですか?

地元のライブハウスに通い続けてて、単純に描きたいなと思いました。でも、演者さんをそのまま描くというのも違うし芸がないなと思ったので、少し違う描き方をしてみたいと思ったのがきっかけです。
そこのライブハウスは、色んなジャンルの人が演奏をしていて、地元のミュージシャンだけでなく、自分のCDを持って日本中をまわっているミュージシャンがいたりします。有名な人もそうでない人も、いろんな人が演奏しています。

絵に描いたアンプや楽器は、演奏したあとに写真を撮らせてもらいました。

 

 

— 音楽以外のモチーフもあり楽しいですね。どのように選ばれたのですか?

片側の壁はライブハウスのシーンを中心に描きましたが、もう片側の壁に飾った絵は、自分に近いものを描いてみたいと思い”食まわり”を描きました。たとえばハサミだったら、散髪や紙を切る音もありますが、自分の中にはないなと思ったのでキッチンばさみを描きました。昆布で出汁をとるときの、キッチンばさみで切る音です。

— オビカさんの生活の中の音なんですね。 作風も少し変化が見えますが、意識されていますか?

あまり考えていなかったです。テーマを決めて、そこに合うイラストを導いてもらったという感じです。

 

 

— 現在、どんなジャンルのお仕事が多いですか?

美味しいもののパッケージや商品イラストなど、食べ物関係が多いです。

— 食べ物の絵だけに絞り売り込みなどもされるのですか?

そういう訳ではないのですが、自然と見た方が引き込まれるようで、気がつくと食べ物のページを何度も見てくれるんです。描き手の食べ物好きが伝わってしまうのかもしれません。

風景の絵の省略の仕方が好きと言ってくださる方がいて、そういった絵を描く仕事も多いのですが、お弁当の包み紙になったり、お菓子のラッピングになったりと、結果やっぱり食べ物に行き着くものもありました。

 

 

—  現在も、東京での売り込みは続けられていますか?

最近は企画展に参加することがあり、そういった活動がお仕事を呼んでくれているようです。イラストレーションファイルからの仕事の依頼もありました。

— 普段の仕事で描く絵と、個展で描く絵で気持ちの違いはありますか?

個展の絵は、開いてみないとどんな反応かわからないですよね。孤独な作業でしんどいです。描いているうちに、だんだんわからなくなってしまい、客観的に見えなくなることもあります。
仕事の絵は、お題があっての絵だと思っていて、その点が根本的に違うのかなと。仕事だとラフを見てもらって、良いとか悪いとか、わりと短いスパンで反応をいただけますし。

 

 

— 実際に展示をしてみて、どんな反応がありましたか?

見てくださった方は「前と変わったね」とか「新しい感じだね」と言ってくれてほっとしています。

— お仕事の幅も広がって行きそうですね。最後になりますが、今後どのような活動をしていきたいですか?

もっと外に向けて活動したいと思っています。先日、台湾の方から反応があったので、海外での展示もやってみたいです。仕事の面では、せっかく目が向いてきたので音楽の仕事もいつかしてみたいです。

 

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