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鈴木成一賞 田澤ウー個展「ふつうの生活 いつもの時間」

ファイルコンペvol.30の受賞者展、第5週目の作家さんは、鈴木成一賞を受賞された田澤ウーさんです。ダンボールを切り貼りし、パズルのように色面を組み合わせて描く田澤さん。15年ぶりの応募で見事大賞に輝きました!田澤さんが描く、愛らしいふつうの日々をお楽しみくださいませ!

 

 

16年前のHBファイルコンペvol.14で藤枝リュウジ特別賞を受賞された田澤さん、今回新たな作風で約15年ぶりに応募し、見事大賞受賞となりました。鈴木成一さんからはこのような受賞コメントが贈られました。『コントロールのしづらい技法がかえって絵に強さを与え、同時に説明のしづらさがかえって想像力を喚起する。』

以前から田澤さんの作品に注目されていた鈴木さん、昨年のペーターズギャラリーのコンペでは次点に選ばれています。今回はどこにでもある普通の風景をテーマにすることで、観る方に自由にイメージを広げてもらえたら、と田澤さん。あえて人物の表情も描かなかったそうです。

 

 

この技法で描き始めたのは1年半前、輪郭線を気にせずに描くことのできる方法が無いかと考えていた時に、明け方にベッドの中で思いついたそうです。様々な技法を試しようやくこの技法に辿り着いたとのこと。この技法がきっかけで作家名を改め、作品サイトも新たに作り、コンペにも挑戦。早くも反応をもらえて嬉しかった、と田澤さん。今年中に個展をやろうと思っていた矢先での大賞受賞だったそうす。

 

 

会社勤めをしながらイラストレーターとして活動されてきた田澤さん。安西水丸塾の仲間、山崎杉夫さんと信濃八太郎さんとの3人展は10年以上続いているそうです。会社から帰って、ラクガキでも何でもいいから1日1枚描こうと思い、机に向かうようにしていたとのこと。今描いている絵がどの程度受け入れられるのか、コンペに出し続けたり、展示で発表してみたりと、辞めようと思ったことは無かったそうです。「やっぱり好きだから」と田澤さん。これからも本も雑誌も、どんな仕事でもやってみたいとのこと。お仕事でも拝見できるのが楽しみです!

 

 

永井裕明賞 大塚文香個展「SHAPE」

ファイルコンペvol.30の受賞者展、第4週目の作家さんは、永井裕明賞を受賞された大塚文香さんです。香水瓶、ポット、ブラウスシャツなど、大塚さんならではカタチが楽しい作品たち。今回は架空の3人の女性の持ち物をテーマに描かれました。様々な色とマチエールが見え隠れする楽しい作品をお楽しみください!

 

 

自分が見ているその人のかたちと、その人自身が思うその人のかたちは違っていて、その人の持ち物からもまた違った人物像が見えてくる。そんな見え方や感じ方の違いを、ある3人の女性の持ち物を通して描かれました。誰がどの持ち物を持っているかは自由に想像して見て頂けたら、と大塚さん。
間近で見てみると、独特な色彩のブレがあることに気づく大塚さんの作品。レーザープリンターを使って、版画のように1枚の紙に何版も色を刷って作品を完成させるとのこと。思わぬズレが味わい深く、ずっと見ていたくなる作品たちです。形を決める時や線を描く時が一番楽しい、と大塚さん。

 

 

HBファイルコンペには大学生の頃から挑戦されていて、今回は7~8回目くらいの応募だったそうです。描き続けるモチベーションとなっていることは、単純に絵を描いていて楽しい、という気持ちだそうです。頑固な性格でもあるという大塚さん、賞をとるまで出し続けなきゃ…という想いもあったとのこと。賞に入ったらいいなとは思っていたけれど、実際に大賞をもらった時は、嬉しい気持ちと共に「本当に入るとは…」という驚きの気持ちも大きかったそうです。

 

 

永井裕明さんからはこんな受賞コメントが。
『様々なコトが、スムーズでスピーディな世の中。ぎこちない旧型のロボットがゆっくり丁寧に愛情を持って描いたような、ザラッとした感触に惹かれました。』

自分でもそういう風に出来たらいいなと思っていたことを、永井さんがコメントをくださりとても嬉しかった、と大塚さん。SNSにアップしていた作品を通じて、ここ1~2年でイラストレーションのお仕事が少しずつ増えてきたとのこと。今後は音楽やファッションのお仕事もやってみたいそうです。益々のご活躍が楽しみです。

 

 

副田高行賞 副島智也個展「distortion」

ファイルコンペvol.30の受賞者展、第3週目の作家さんは、副田高行賞を受賞された副島智也さんです。昨年、HBファイルコンペに初めて応募された副島さん。数ある作品の中から、ぐにゃりと歪んだ人物画が見事、副田さんの目にとまりました。今回の受賞者展に向けて描かれた新作も! 益々進化した作品をお楽しみください!

 

 

現在グラフィックデザイナーとしてお勤めをしている副島さん、以前はコンテを描くお仕事をされていたそうで、CM用のコンテ等でタレントや背景を毎日のように描かれていたとのこと。昨年の3月頃からオリジナルの絵を描くようになり、現在の作風をみつけたそうです。初めの頃はカラーで抽象的な形や文字、キャラクター寄りの作品を描いていたとのこと。学生時代に学ばれていたというグラフィティの経験を活かし、デジタルではあるものの、スプレーで描いたようなざらっとした質感やテクスチャを意識して描かれているそうです。この描き方をみつけたときは単純に面白いと感じた、と副島さん。

 

 

一乗ひかるさんや雪下まゆさん等、同世代や年下の作家さんが活躍されている様子を見て、自分はこのまま会社員でいくのだろうか…と考えるタイミングがあったそうです。自分も動いてみようと思い、昨年から様々なイラストレーションコンペに挑戦。キャラクター系やデフォルメを強調した作品で応募してみるものの、うまく伝わらず刺さらないなと感じたそうです。落選が続く中で、どうしたら人に伝わるのかを模索し続けた結果、コミュニケーションがしやすい人物をモデルにしようと決意。その間に、今昔の様々なイラストレーションや絵画をたくさん見て情報収集をした、と副島さん。コンペで受賞されている作品の5割以上は人物画だったそうです。そこからは人物の描き方をどうするか色々と描き始めたとのこと。描き進めていくうちに副田さんに評価をもらえた、リアルとデフォルメの間くらいの現在の作風に至ったそうです。

 

 

 

今回の個展タイトルとなった「distortion」には歪みやねじれといった意味が。“ゆらりぐにゃりと歪んだモティーフは、 幼い頃に見た蜃気楼の影であり、今の僕の瞳に映った景色です” 作品にはこんなコメントが綴られました。
副島さんが生まれ育った長崎は、夏になると南からじっとりとした風が吹き込むそうです。夏の緑、日差し、湿度の光…それらが今も印象に残っているとのこと。そんな幼い頃の体感が副島さんの創作の原点にあるようです。浪人時代に好きだった、画家の田中一村が描くじっとりとした陰影に魅かれるものがある、と副島さん。

イラストレーションのお仕事はこれからだそうですが、スポーツアパレルやスニーカーにまつわること、音楽関係のお仕事をやってみたいそうです。今後のご活躍が楽しみです。

 

 

日下潤一賞 本村綾個展「ニア・イコール」

7月から始まったファイルコンペvol.30の受賞者展。第2週目の作家さんは、日下潤一賞を受賞された本村綾さんです。作品に描かれているものは、セロファンテープ、ハンガー、クリップなど生活の中にある工業製品。それらと人間が、ほとんど等しい「ニア・イコール」の関係として描かれています。独特のマチエールと、飄々とした人物の表情が魅力的な作品です。お楽しみください!

「ラジオ」

「洗濯バサミ」

今回の作品は、日常生活の中でよく見るもの(工業製品)と人がテーマ。自分との関わりが深く、自分にとってリアリティのあるもの、セロファンテープ、ハンガー、クリップなど、何気なく使っているものが1つキーワードとしてあった、と本村さん。それらをモチーフにシリーズを作れないかなと思ったそうです。2018年から制作されているテーマです。

HBファイルコンペには2回目の応募で見事大賞受賞。1回目は最終選考まで残り「この方向性でクオリティを上げれば、もしかしたら賞が取れるかもしれない」と感じたそうです。方向性が間違っていないことが確認できた、と本村さん。2回目はクオリティを上げることを目指し、これでダメだったら受け皿が無いのかな…という想いだったそうです。版画と美術の世界にいたため、イラストレーションの世界で作品が受け入れられるのかな、と思っていたとのこと。受賞したことで、それが確認できたことが一番嬉しかったそうです。

 

「ハンガー」

「一人の時間」

多摩美術大学で油彩を学ばれていた本村さん、当時は主に抽象画を描かれていたそうです。初めて銅版画を経験されたのは在学中の2014年、元々好きだったという具象性のある人物画を線画で表現されました。2017年には油彩の制作を中心に、版画でも抽象画を制作されるなど、油彩と版画をいったりきたり制作されていたとのこと。

2018年には東京藝芸大学大学院に進まれ、版画を専門に学ばれました。その頃にカーボランダムという技法を知り、独特のマチエール魅かれたそうです。カーボランダムを用いた作品制作を継続し、より自分の趣味性を広げるような作品作りに専念されたそうです。作家としてこれからどうしていくか模索していた時期だった、と本村さん。本当に好きなものって何だろう、と考えた時に、前から好きだったという人物と工業製品を作品に取り入れるようになったそうです。

「ハサミ」

「PPバンド」

イラストレーションのお仕事はこれからという本村さん。本がお好きだそうで、装画を描くことが目標とのこと。今後益々のご活躍が楽しみです!

 

特別賞展 特別賞6人によるグループ展

今週からファイルコンペvol.30の受賞者展が始まりました!
7月3日から8月26日まで、受賞者の作品を展示致します。第1週目(7/3(金)-7/8(水))は、特別賞に輝いた受賞者6名によるグループ展です。6人それぞれの個性が光る展示をどうぞお楽しみください!

 

日下潤一特別賞 / 大河紀
副田高行特別賞 / 大庫真理
藤枝リュウジ特別賞 / 津田周平
鈴木成一特別賞 / SEIICHI
永井裕明特別賞 / 杉山陽平
仲條正義特別賞 / きくちまる子

 

 

日下潤一特別賞  大河紀さん https://www.instagram.com/nori_okawa/

 

鈴木成一特別賞   SEIICHIさん https://www.helloseiichi.com/

 

副田高行特別賞  大庫真理さん https://www.marioogo.com/drawings

 

藤枝リュウジ特別賞  津田周平さん https://www.shuheitsuda.com/

 

仲條正義特別賞   きくちまる子さん https://www.marukokikuchi.com/

 

永井裕明特別賞  杉山陽平さん  http://park11.wakwak.com/~yohei_d/

 

 

HBファイルコンペVol.31の募集もはじまりました!
小冊子イラストレーションは藤枝リュウジさんにお力添え頂きました。
仲條正義さん、鈴木成一さんに加え、北澤平祐さんとのフランセのお仕事などを手掛けた河西達也さん、ブックデザイナーの鈴木久美さん、エディトリアルデザイナーのナカムラグラフ中村圭介さんが新しい審査員として加わりました!

応募要項・小冊子はギャラリーで配布しております。ギャラリーでのお申し込みのほか、
PASS MARKETからのお申し込みも受付中です!

 

「HB WORK Vol.2」の審査員は今年も川名潤さん、岡本香織さん、尾崎行欧さんの3名にお願いいたしました!

http://hbgallery.com/compe.html

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/018aqg110wb05.html

↑詳細はこちらから。たくさんのご応募、お待ちしております!

原口祥絵個展「点と線と人と世界」

今週の作家さんは原口祥絵さんです。HBでは初めての個展開催となりました。緑豊かな街並や水辺のある風景など、色とりどりの点描で綴られました。原口さんの描く、のどかで豊かな世界感をお楽しみください!

「行きたいまち」

今回のテーマは旅。点描の風景画をお得意とされる原口さん、絵を描きはじめた頃は人物画を多く描かれていたとのこと。風景画を描くようになった転機は、2015年に鈴木成一さんの装丁塾へ通われたことだったそうです。その時の課題本、三浦綾子著『丘の上の邂逅』を読んで描いたものがたまたま風景だった、と原口さん。その時に描いた作品が見事、文庫本の装画に採用。初めての装画のお仕事だったそうです。風景画を描くことも面白いなと思った、と原口さん。当時、好きな作家さんの絵をたくさん見て勉強し、画風を研究されていたとのこと。

 

原口さんが装画を描かれた本。

 

「エストニアと」

「esplanade park」

MJイラストレーションズへ約5年間通われ、色彩や線の描き方など、峰岸先生から多くのことを学ばれたそうです。色数をおさえて、というアドバイスもあったとのこと。それらも原口さんの絵に活かされているようです。

正面に飾られた大きなパネル作品の絵は、原口さんの願望を描いたという作品。様々な国の人々が一つのテーブルで楽しそうに食事をしています。旅が大好きだそうで、ヘルシンキ、エストニアなど実際に行かれた土地も描かれました。

「乾杯」

自分の部屋に欲しかったという世界地図を自ら制作。コーヒー豆やカンガルー、マクドナルド…などが模様となったユニークな世界地図です!

「世界地図」

これまでのお仕事は本の装画や社内誌の表紙、パッケージ、教科書の挿絵など。『MJイラストレーションズBOOK』や『イラストレーションファイル』を見た方からお仕事の依頼があるそうです。特にやってみたいお仕事はパッケージのイラストレーション。旅が好きなので、旅エッセイの挿絵なども興味があるとのこと。今後益々のご活躍が楽しみです!

楓真知子個展「きらめきをにぎる」

今週の作家さんは楓真知子さんです。HBでは約2年ぶり2回目の個展開催となりました。楓さんが描く、見ているだけで元気が出る動植物や人間たち、モノや風景まで、思い思いに描かれた新作の数々をお楽しみください!楓さん初の絵本『たびにでた』のお披露目も。ぜひお越しくださいませ!

 

「みつけたみつけた」

今回の個展はコロナのこともあり、開催できるのかどうか…気持ちを立てることに時間がかかった、と楓さん。目標は”人間を描くこと”、それだけは決めてあとはとにかく描こうと思ったそうです。描いていく中で、苦手だった風景にも挑戦したり、色の彩度を調整したりと、様々な挑戦ができたことが良かったとのこと。気づきながら、描き続けていくしかないなと思ったそうです。今年に入ってから描かれた100点以上の新作の中から、厳選された68作品を展示していただきました!

 

「灯男」

5月の連休明けから一気に描いたという今回の作品たち。
生き生きとした筆致と色彩に心が動かされます。

 

「水色」

「はじめての彼女」

昨年の7月、10月、今年の1月、6月とハイペースで個展を開催されている楓さん。展示のお誘いを頂けたら、断らないというスタンスで活動をされているそうです。絵の露出が増えることで、イラストレーションの仕事も増えていったとのこと。最近のお仕事のほとんどはSNSを見た方から依頼がくるそうです。常に動いておくことが大事かな、と楓さん。
絵本や教材のイラストレーション、こども図書館に関わるお仕事など、子どもに関わるお仕事が多いそうです。その方面では売り込みをしてこなかったそうで、思わぬところから来るんだなという印象とのこと。

 

「さいしょの鉢」

7月に初の絵本を出版される楓さん。以前から個展に来てくださっていた絵本館の編集の方に「一緒に作りませんか?」とお誘いを受けていたとのこと。その後、グループ展で自主制作した絵本を持ち込みに行き、出版に繋がったそうです。絵だけでなく物語も楓さんによるもの。動物の絵を描こうと思い、そこからお話を作っていったそうです。最初は緊張してのびのびと描く事ができなかったそうで、何度も描き直しがあったとのこと。2年の歳月を経てついに完成です!

 

楓さん初めての絵本『たびにでた』(絵本館)
会場で先行販売中!ぜひお越しくださいませ!

田口実千代個展「風が吹いて」

今週の作家さんは田口実千代さんです。HBでは3年ぶり、3回目の個展開催となりました。
ヘルシンキの旅の一コマや海辺の風景など、心地良い風が感じられる爽やかな作品をお楽しみください!

 

 

今回の作品は、フィンランドやフランス、スペインなど、田口さんが旅をされた土地の風景を中心に描かれました。旅行が大好きな田口さん、今は行くことができないけれど、描いているうちに「また行けたらいいな」という気持ちになったそうです。旅の写真を見ながら描かれた新作118点のうち、60点が展示されました。

 

 

 

 

海や空の絵が多いのは横須賀生まれだからかも、と田口さん。ヘルシンキにはたくさんの海や湖があるそうです。ちっぽけな海がお好きとのこと。今回ほとんどの作品が油彩画で、個展がなくても、毎日ご自宅で油彩画を描かれているそうです。筆跡が残りやすいところや、描き心地がお好きとのこと。アクリルガッシュよりもふわっとした雰囲気を描くことができるそうです。

 

 

描く前に「この風景、このサイズのキャンバスだったらどう描こうか…」と頭の中で構図や色をイメージしてから描くそうです。静物を描くこともお好きだそうで、物をセッティングして直接見ながら描くとのこと。今回は果物や花もなかなか買えず、自粛してしまった、と田口さん。

 

 

装画のお仕事はもちろん、児童書や絵本、CDジャケットのお仕事はずっと憧れだそうです。お仕事になると店頭に並んで不特定多数の人に見てもらえるので嬉しいとのこと。絵を描くことが好きなので、普段描かないものをお仕事で描くことも楽しいそうです。タブローをやりつつ、次は線画もやってみようかな、と田口さん。今後の作品も楽しみです!

 

 

HB WORK Vol.1 審査結果発表!

お待たせしておりました、HB WORK vol.1の審査結果です!(応募総数605名)

 

岡本歌織賞・竹浪音羽

 

岡本特別賞(3名)

有持有百

 

 

中島花野

 

 

六角堂DADA

 

 

川名潤賞・マナベレオ

 

川名特別賞(3名)

ゲレンデ

 

小山義人

 

akira muracco

 

 

 

尾崎行欧賞・玉川桜

 

尾崎特別賞(3名)

藤本将綱

 

中村桃子

 

谷川千佳

 

近日中に各審査員の大賞のコメントや、一次通過以上の参加者のお名前もUPいたします!
たくさんのご応募、誠にありがとうございました。

鈴木理子個展「Flower」

今週の作家さんは鈴木理子さんです。HBでは初めての個展開催となりました。ポートレイトを撮る気持ちで、ひとつひとつ好きな花を描かれたという今回の作品たち。暗闇の中に浮かび上がる美しい花々をお楽しみください!

 

 

風景画をお得意とする鈴木さん、これまでは街や路地裏、打ち捨てられたもの…などを多く描かれていました。今回はあまり描いたことのないという花に挑戦。好きなものを描こうと思ったときに、すぐに浮かんだモチーフだったそうです。強さや可憐さが、素直に美しいと思えるので描きたいと思ったとのこと。タイトルは「Flower」とし、複数形にはしたくなかった、と鈴木さん。花にはそれぞれ個性があり、大勢の中のひとりのような扱いは出来ないと感じたそうです。身の回りに咲いている花の一瞬を描かれました。

 

 

描く際には写真がとても重要になるそうで、さまざまな構図で沢山の枚数を撮影されるとのこと。花を女優さんに見立てて、どんな風に撮りたいか考えるそうです。写し方やシチュエーションで人の顔が変わるように、花もそうだと思ったとのこと。コツコツと撮りためた中からピックアップし描かれました。

 

 

創形美術学校で版画を学ばれていた鈴木さん、学生時代は版画に没頭していたそうですが、卒業後は働きながら独学で様々な絵を描き続けていたそうです。イラストレーターを志したきっかけは、内容は面白かったのに本の表紙が良くないという本に出会ってしまったことだったそうです。読んだ後に装丁でがっかりするような気持ちを少しでも減らしたい…そんな想いから、自分が本を作る側の立場になろうと思ったそうです。それからはMJイラストレーションズで本格的に学ばれ鈴木さん。「楽しく描くことが基本」「デフォルメはアリだけれど漫画寄りにはならないこと」「切磋琢磨する仲間を大切にすること」「第三者的に自分の作品を俯瞰する目を養う」「最後は自分に自信を持つこと」…など、峰岸先生からは技術面のみならず精神論まで様々なことを学ばれたそうです。

 

 

イラストレーター歴は3年という鈴木さん。モノクロームで描くようになってから、新聞連載や文芸誌の挿絵のお仕事が舞い込むようになったそうです。今のタッチになったのはイラストスクール「山田塾」へ通われたことがきっかけだったとのこと。ひとりひとり与えられる課題が違うという山田塾、「見たままそっくり、モノクロームで描いてみたら」というアドバイスの元、風景画を描き始めたそうです。それまで、色々手を尽くして悩み倒したそうですが、自分で工夫して描くより悩まずに済むし爽快感があった、と鈴木さん。そのまま描いても、どの作品にも鈴木さんの個性が光っています。

自分がいいと思ったものを展示できたし、のびのび描けた、と鈴木さん。今後は装画や広告のお仕事など、垣根を作らず挑戦してみたいそうです!