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北澤平祐個展「さらのえ」

今週の作家さんは北澤平祐さんです。HBでは2年ぶり、5回目の個展開催となりました。

陶芸作品ではない、イラストレーションによる33枚のお皿イラストレーション、

豆皿から大皿までバラエティーに富んだ楽しい展覧会を是非ご高覧ください

「みんなのにわにわ」のさら

「フルーツポンチの つくりかた」のさら

「ピーマン にがて?」のさら

「クロワッサンプリンセス」

「コーヒまめ」のまめざら

 

展覧会は12月13日(水)までです。お見逃しなく!

 

 

ココ・ファーム・ワイナリー収穫祭 樋口たつ乃個展「Every moment」

今週は毎年恒例ココ・ファーム・ワイナリーさんとの企画展、収穫祭です。
ワインラベル制作をイラストレーターさんやデザイナーさんにお願いし、それに伴い個展を開催して頂きます。
今年の収穫祭記念ワインは樋口たつ乃さんに制作いただきました。
会場にて作品をお買い上げ頂いた方には先着で
樋口さんラベルのココファームワイナリー収穫祭ワインを1本プレゼント致します!
樋口さんならではの伸びやかなタッチの作品をお楽しみください。

「every moment」

ココ・ファーム・ワイナリー第37回収穫祭記念白ワイン750ml瓶【限定】【日本ワイン】ココ・ファーム・ワイナリー第37回収穫祭記念赤ワイン750ml瓶【限定】【日本ワイン】

イラストレーション:樋口たつ乃/デザイン:HBスタジオ

「in the room」

「dance dance」

「in the blue」

会場では作品販売のほか、樋口さんオリジナルのノートやポストカードも販売しております。
ココ・ファーム・ワイナリー収穫祭 樋口たつ乃個展「Every moment」は12/6(水)までです。(最終日のみ5時まで)
ぜひお立寄りくださいませ!

HB COMPETITION PRESENTS vol.1丹野杏香×えだようこ二人展「HOME」

 

今週の展示は「HB COMPETITION PRESENTS」
記念すべき第一弾は、丹野杏香さん、えだようこさんの二人展です!

HBファイル&ワーク、両コンペの受賞者より選出した作家による企画展で、
受賞の年だけではなく、その後の活動に関しても、
HBギャラリーとしてサポート出来る場所を作れたらという気持ちで始まった新企画です! 
丹野さんはVOL.32で 関戸貴美子賞、
えださんはVOL.33で鈴木成一特別賞を受賞されています!
それぞれお二人にインタビューさせて頂きました。

 

 

ー展示タイトル「HOME」はどのように決められたのでしょうか。
メールなどを通してご相談されたのですか?
タイトルを決めた経緯とHOMEになった理由などをお聞かせください。

 

丹野さん:えださんとリモートでミーティングを重ねながら、いくつか候補を出し合いました。
シンプルなテーマの方がお互い描きやすいのではないか?と言うことで、生活や暮らしを想起させるようなテーマはどうかということにまとまり「HOME」になりました。

 

えださん:丹野さんと何度かビデオ会議をして、お互いにテーマをいくつか出し合ってその中から決めました。ふたりとも人物を描くので、結果的に「HOME」という暮らしに関するテーマが向いていたようです。

 

 

ー二人展のお相手を知った時はどのようなお気持ちでしたか?
二人展での展覧会ということは意識して作品制作をされましたか?

 

丹野さん:普段黒をメインで描いているので二人展だとお相手の絵に対し、圧迫感のある空間にならないか不安はありました。
DM用に仕上げた絵を拝見して、えださんの絵のカラーを取り入れる形にし、空間全体で見た時にバランスが取れるよう意識しました。

 

えださん:丹野さんのイラストは以前から素敵だなと思っていました。なので嬉しかったですし、ふたりだけで展示をするというのもはじめての経験だったので、どんな展示になるだろうと楽しみな気持ちでいっぱいでした。また、制作については二人展だからという意識は特にしていなくて、HOMEのテーマからズレないように自分なりに答えを探して制作したつもりです。

 

 

ーお二人の作品が展示された空間を観て、どのような印象を受けましたか?
実際に展覧会を観て感じたこと、気づいたことなどはありますか?

 

丹野さん:制作段階ではあまりやり取りせず進めていたのですが、お互いに先に見せた絵から受けた印象を念頭に展開していったのかなと思うような作品群でした。
絵自体のぱっと見の印象は似通っていないのですが、共通して意識している部分や対比になっている部分などがあり面白かったです。

 

えださん:お互いに展示会場に作品が並ぶまで、全くどういうものを制作しているのか知らなかったので、完成された空間を見た時は驚きました。打ち合わせもしていないのに、作品数もほぼ同じで色の調和も取れていたので。本当に丹野さんとは相性がとても良かったのだと思います。

 

 

ーお互いへ、お伝えしたいことやメッセージをいただけますか?

 

丹野さん:えださんの描く人や物の形にはあと引く不思議な魅力があるように思います。優しい雰囲気と緊張感が共存しているところが好きです。

 

えださん:お話しているとそんなことまでかぶる?というくらい共通点が多く、運命的なものを感じました。会期中にもお世話になりすぎて頭が上がらないのですが、これからも戦友として仲良くして頂きたいです。笑

 

 

ーお二人の今後の目標や挑戦したいこと、展望などをお聞かせください!

 

丹野さん:気持ちのよい形・美しい面を探求しつつ、これから先も様々な場所で展示ができたらと思っています。
又、絵を立体やテキスタイル、陶器など色々な形にしてみたいです。

 

えださん:私は手書きに見える絵を描いていますが、実際に手書きでも大きな作品を描いてみたいなと思っています。また、ずっと絵本を作りたいという目標があってそれは1月を目安に制作しようと思っています。あとは本やパッケージのイラストのお仕事もたくさんしたいです。

 

津田周平個展「俺だって見してくれ」

今週の作家さんは津田周平さんです。
新作描き下ろしはもちろん、今はなかなか見られない初期作品もご覧いただけます!
手作りのラグや大型の絵など、津田さんの新たな試みもお楽しみください。

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ー個展タイトル「俺だって見してくれ」
そして展覧会のコメントには
《感》①蚊帳の外にいながら、やっぱり見たいと焦るさま。
②沢山の人がいる中、助けを求めるさま。③なにかを主張するさま。とあります。
個展のタイトルは津田さんがつくられた感動詞ということなのでしょうか?
タイトルに込められた想いを聞かせください。

 

タイトルの紹介文を辞書風にしたらおもしろいかなと思っただけで、感動詞の《感》に特に意味はありませんが、意味や内容はタイトルに込めた想いに即しています。
僕は家にいる時大抵布団の中にいるのですが、それでも家族が何か見たり読んだり楽しそうにしていると、気になって「俺だって見してくれ」と焦って言う癖があるらしく、怠け者なのに仲間外れにされたくないという性格が家族から呆れられています。
タイトルを考えている時、僕を一番表す言葉としてこの口癖が上がったので使うことにしました。意味を少し前向きにして、40過ぎの自分だってまだいろんな世界が見たいんだ、というような解釈にしました。

 


ー2019年の春から本格的に絵を描き始め
その後は数々のコンペに入賞、
昨年のMAYA装画コンペでは見事グランプリを受賞されました。
直近では12月発売予定の「巣 徳島SFアンソロジー」の装画も手掛けられ、目覚ましい活躍をされています。
多くの人に津田さんの作品が支持されるようになってからご自身の絵の向き合い方に変化はありましたか?

別に目覚ましい活躍はしていません。定期的な絵の仕事が欲しいです。それかめちゃくちゃ高い値段で絵が売れたらいいのにと思います。確かに多くの人に見てもらえるようにはなったので、僕にしか描けない絵を描きたいと思うようになりました。逆に駄作でもいいからなんでも描いてやれという気持ちが萎縮してしまったようにも思います。描きたいものだけ描いていては発展がないのかな…という自分の葛藤から来るプレッシャーでイメージが固まらずにぼーっとして描けない時期も続いて怖かったです。とにかく絵を描くくらいしか出来ることがないので、それで成功したいです。
ただその為に絵を自在に変えるという器用さはありませんが、もし仕事の声をかけてくれる人がいたら、その人が何を意識しているかは考えたいです。


ー津田さんの作品にとって「子ども」は大きなテーマだそうですね。
子どもを描かれるときは、
津田さんのお子さまを意識されていますか?
もしくは誰の心にもある「子ども」という存在なのでしょうか。
これからも子どもを描き続けていかれますか。
自分の子どもを意識しながら描きます。とても良い親とは言えませんが子どもが好きです。一緒に生きててくれてありがとうございますと思います。でも自分の子どもはどんどん大きくなるので、いずれ僕の思う子どもを描くことになると思います。宮沢賢治風に言ったらかあいらしいものを描き続けたいです。かわいいというよりかあいらしいです。同じ意味だけど。
子どもと暮らしていると最高なことばかり起こるので楽しいです。忘れないようにしたいです。誰の心にもある「子ども」までイメージを包括できている自信はありませんが自然にそうなっていてくれたらいいです。

 


ー今後、津田さんが挑戦されてみたいことや、展望などをお聞かせください。

スマホを見るのをやめたいです。あと腹が異常に膨らんでいて肝臓が悪いので死なないようにしたいです。
なにより絵本を描いてみませんかと言われているのでそれをなんとか必ず完成させたいです。手がピタッ!っと止まっていますが、スマホのせいです。生活に関わりすぎていて難しいですが、頭の中のスマホをバキバキに折ってまずは絵本を完成させたいです。集中力はあるのでできるはずだと思います。それしかありません。
自分の子どもには絵を描く謎のおじさんみたいになっているので、わかりやすくいいところを見せたいです。

 

 

津田周平個展「俺だって見してくれ」作品リスト

2023年11/10(金)~11/15(水)開催の津田周平個展「俺だって見してくれ」

展示作品一覧です。会場ではこのほかにミニ原画やZINEのお取り扱いも!

作品は後日HBギャラリーオンラインショップにも掲載いたします。

 

 

No.1   額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥85,000-(税込)

 

 

 

No.2 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥80,000-(税込)

No.3  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥77,000-(税込)

No.4  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥77,000-(税込)

 

No.5 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥80,000-(税込)

No.6  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥20,000-(税込)

No.7  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥50,000-(税込)

 

No.8 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥65,000-(税込)

No.9  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥68,000-(税込)

No.10 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥80,000-(税込)

No.11  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥77,000-(税込)

No.12 作品(木製パネル)外寸:約 90cm × 90cm、 ¥200,000-(税込)

No.13 作品(板)外寸:約 50cm × 30cm、 ¥60,000-(税込)

No.14 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥60,000-(税込)

No.15 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥60,000-(税込)

No.16 作品(キャンバス)外寸:約 33cm × 24.5cm、 ¥35,000-(税込)

No.17 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥40,000-(税込)

No.18 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥48,000-(税込)

 

No.19 ※プリント作品
額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥15,000-(税込) / 額なし、シートのみ ¥7,000-(税込)

 

 

作家による手作りラグ作品。中央のNo.24は非売です。
作品外寸: 30cm × 40cm程度(詳細はオンラインショップに記載)

No.20,21,22,25,26,28 ¥28,000-(税込)

No.23,27 ¥35,000-(税込)

高山裕子個展 「緑のざわめき」

今週の作家さんは高山裕子さんです。
個展自体は4年ぶり、HBでは7年ぶりの個展となりました。
心地よい風や葉音が感じられる、今の季節にぴったりな緑の景色が広がります。
アクリル絵具やテンペラによる、見応えある原画をお楽しみください!

展示作品を一部オンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ー高山さんはコロナ渦には個展をされず、今回の個展が4年ぶりの開催となりました。
今回の展示作品では、コロナ渦以後、180度変化された高山さんの日常を作品を通して表現されたそうですね。
日常の大きな移り変わりによって、高山さんの絵に対する向き合い方や制作の進め方などにも変化は生じましたか?
 

最近、生活環境が変わり、より限られた時間の中で集中し、1枚の絵をゆったりしたペースで描いていくスタイルに変わりました。

 

 

ー”いつか行きたい風景”を主要テーマに作品制作を続けてこられた高山さん。
そのイメージを絵として表現するために、何か参考にされるものなどはあるのでしょうか?
 

日常の中で切り取られる気になる場面を写真に収めたり、本や雑誌などの切り抜きを集めたりと常に気持ちのいい風景を探しています。

 

 

ー個展では高山さんが装画を手掛けられた「愛という名の切り札」(谷川直子著/朝日新聞出版)の原画も展示されています。
マットな質感の美しい作品はテンペラ絵具で描かれているとお聞きしました。
高山さんがテンペラ画をはじめられたきっかけは何だったのでしょうか?
これまで描かれてきたアクリル絵具と比べて、
扱いの違いやテンペラ画だからこそ表現できる点などがあればお聞かせください。
 

何年か前に、学生時代の恩師にテンペラ画をやってみたらと勧められました。慣れた画材ばかりだと同じような表現になってしまうので。テンペラ画は思うように色が乗らなかったりと不便もありますが、そこがアクリルとは違う深みなどを表現してると思います。

 

 

ー前回の個展では作品をファブリックにされた”着れる絵”を発表されました。
そして今回の個展ではハンカチやワッペンなど、布小物にも展開されており、
特にハンカチはドローイングとハンドプリントを重ねた1点もので、高山さんのこだわりを感じます。
高山さんがご自身の絵をファブリックにまで広げられたきっかけや理由などをお伺いできますか?
 

絵を見ることに馴染みのない人にはなかなか見てもらえなかったりします。もっと身近にアートを取り入れて欲しい思いで布の制作を始めました。

 

 

ー高山さんが今後挑戦されたいことや、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。
 

装画のお仕事を中心に、絵本も2冊目が取り組めるようになるといいなと思います。大きな作品も描いてみたいです。

 

西山竜平個展 「TERRA」

今週の作家さんは西山竜平さんです。
HBでは5回目の個展となりました。
何層にも色を重ねて表現された空のグラデーション、
丁寧に描写された星の輝き、
アクリル絵具で丹念に描かれた美しい原画を是非会場でご覧くださいませ。

展示作品の複製画を一部オンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

ーHBでは5回目の個展です。
個展の度に西山さんは、モチーフを選び取る着眼点や画材の工夫など、
様々な挑戦を続けてこられました。
今回はご自身最多、50点もの作品を展示されています。
今回の個展のテーマや、展示タイトル「TERRA」の意味、
新しく挑戦された点などについて教えてください。

 

3回目の個展「うつけのうた」の頃から絵本を意識して自主制作を続けてきました。
その時は架空の物語の断片を作り、それぞれの物語に合わせたテイストの絵をつける
という設定で展示を行いました。

次の個展「Dawn」では全部を空想にするのではなく、普段暮らしている場所をモチーフに
そこからイメージを膨らませて現実と想像が混ざり合った風景を作り、そこに短い文章を添える
形で展示を行いました。

そして今回の個展「TERRA」はこれまでの展示で培った経験をもとに
一つの絵本を作り上げて、その原画を展示することを目的にしました。

展示タイトル「TERRA」は大地や地球という意味のラテン語からつけました。
不思議な景色の広がる世界を放浪する物語を表す言葉として、短いながらも響きの良い語感に惹かれてつけました。
一から絵本を作ること自体初めての挑戦なのですが、なかでも文字のない絵本として
作っているので、コマ割りのある絵を作ったところが自分の中で一番の挑戦でした。

ー作家さんからギャラリーへ提出いただく展覧会用のコメントは85文字以内と限られています。
しかしながら、西山さんのコメントはその限られた文字数の中で、展覧会の本質を凝縮され、
加えて七五調の形式で綴られた詩のような響きは、私たち読み手の想像力をかきたてさせてくれます。

あたりいちめん しろいすな
かぜのほかには なにもない
しろい しろい すなのおか
そらにうかぶは われたつき
そこはかつての あおのほし

こちらのコメント文は、
絵本に掲載する絵を描かれる前に生まれたのでしょうか?
美しいコメント文が生まれた背景やエピソードなどがあれば是非お聞かせください。

 

このコメントは今回の展示用に後から考えました。
前々から展覧会用のコメント部分から展示の導入になればいいなと思っていて、
展示の雰囲気や作品のニュアンスが伝わる演出として今回のようなコメント文にしてみました。

ー今回展示されている絵本原画のアイデアはどこから生まれたのでしょうか?
はじめに思い浮かんだ言葉やイメージなどはどんなものだったのでしょうか?


もともと広大な景色を描きたいという欲求がずっとあって
絵本も白くて広い広い砂漠の景色が最初から頭にありました。
「あたりいちめん しろいすな」はそのイメージを言葉にしたものです。


ー西山さんはHBでの3回目の個展「うつけのうた」(2021年)で初めてオリジナルの短編集をつくられ、
各々の物語に合わせて絵を展開されました。
今回の個展は絵本の原画展示となりますが、もちろんこちらもストーリーが存在します。
お仕事でも物語に触れる機会が大変多かったと存じますが、
ご自身で物語を創作されるようになってから、西山さんの作品制作に何か変化はありましたか?

 

仕事の絵でも自主制作の絵でも、画面に映らない部分をより意識するようになりました。
例えば装画や挿絵を描く場合は文章には書かれていない登場人物たちの暮らしや
今の性格になった経緯、そこから発生する行動などを以前よりも想像して
絵を描くようになりました。

今回初めて絵本を制作してみて、実際に描いている場面の前後、ページには描かれていない場面と
そこからまたページとして描かれるところまでの繋がりをイメージすることがとても大切で、
そしてそこが非常に難しいということを身をもって知りました。
言葉にしてみるとすごく当たり前のことなのですが、なかなかできませんでした。

これまで描いてきた絵(装画や雑誌の表紙など)は1枚の絵で全体を包んで表現するイメージなのですが、
絵本の場合は一枚で完結せずに、前後の繋がりを意識しながらどの部分を切り取って絵にするかを考えるので、普段とは違った頭の使い方をしていて考え方を切り替えるのにとても苦労しました。


ー西山さんは絵本制作やイラストレーションのお仕事のほか、
webストアでも作品を販売され、
作家としての幅を広げられているように感じます。
西山さんの今後の展望をお聞かせください。

 

イラストレーター、絵本作家、画家としての活動を続けて、
それぞれで培った経験をそれぞれの創作に還元しながら
これからも絵を描き続けていければと思っています。
そして日本だけではなく海外の仕事や展示もできるようになりたいです。

インタビュアー:須貝美和

若林夏個展「good condition」

HBでは3回目の個展となる若林夏さん。

背景の隅々まで色鉛筆で描かれた若林さんの作品はエネルギーと愛情で満ち、

訪れるお客様の笑顔あふれる幸せな空間となりました。

一部作品はオンラインショップでもお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

ー若林さんは3年ぶり3回目のHB個展となりました。

夕暮れ時や夏の終わりの花火など、

ふとした切なさを柔らかな色彩で表現された2016年「センチメンタル・ジャーニー」。

2020年「SWEET TIME SWEET MOMENT」では、

至福なシーンの集積を咲き誇るような色彩と画面の隅々まで描かれた描写で見事に表現されました。

今回の個展「good condition」はどのような思いで準備を進めて来られたのでしょうか。

個展のテーマと併せてお聞かせください。

 

「good condition」はまさに良いコンディション[状態・調子]のことをさします。

自分からいい気分になろう!というよりも。気候や体調など、

たまたま色々なことが整った時に、ふと立ち現れる良い気分。そんなニュアンスです。

なんてことない日に部屋でお茶を飲んでてて、

「あれ?なんか今めっちゃ幸せじゃん」とか思って一人でニヤニヤする時や、

道を歩いてて、前にすごい綺麗な赤いコート着てる人が歩いてて、そこに自転車で緑のツナギの子供が走り込んで来て

「あれ?今目の前の風景(構図?)が絶妙に最高なんだけど!」など、そんな「good condition」な時を絵に留めたいなと思いました。

 

ー若林さんは2009年からブログ「おなつだよ全員集合」を10年以上更新され続けています。

http://blog.waka-natsu.com/

ブログでは若林さんの仕事はもちろん、毎日の生活の中で感じたこと、直面した出来事、
喜びも、笑いも、痛みも含めてイラストと共に綴られいまを生きる等身大の若林さんの姿が描き出されており、
ほのかな感動を覚えます。

継続することが一番難しいと言われる中で
若林さんが長くブログを続けられている理由は何でしょうか。
また、各種SNS(InstagramやX)とブログはどのように使い分けてらっしゃいますか。

 

イラストレーションを習い始めた頃に、ささめやゆきさんのトークショーを見に行きまして。その時にささめやさんが「毎日絵日記を描いてるんです。そうすると毎日がとても愛おしく感じるよ」っておっしゃってて。

その時まだ、自分では何をどう描いていいかわからなかった頃だったので、これはいいぞと始めました。そしてまさにどうでもいいような日でもプププと笑えたり愛おしく感じることを実感できたんです。

あとは思いのままに吐き出したことが公開されることで、客観視して一旦整理できたり、気が済んだりします。多分単純に心と体に良いので続けられてるのかもしれません。

近年はSNSが広まったから、ブログはより公共性の少ないパーソナル空間のように勝手に思えて、SNSに上げるほどでは無いどうでもいいことを伸び伸び描いているのでますます息抜きの場所になってる気がします。

それでも机の引き出しにしまうより、どこか公開はしているという微すかな緊張感がちょうどいいなとも思います。

ー多岐にわたるジャンルで仕事を手掛けられている若林さん。
どのお仕事でも出し惜しみのない、
モチーフの細部にまで意識がこめられた描写に、
描くことへの情熱を感じます。
限られた時間の中で、これだけ密度の高い仕事を完遂できるのはなぜでしょうか?
若林さんの仕事に対する心構えをお伺いしたいです。
また、描くツールの面で何か工夫されていることがあればお聞かせください。

 

描き上げるのに、裏技や合理的な方法などなくて、ひたすら「気合い」と「愛」で乗り切ってます。
描くツールの工夫は時にないですが、最近は納期とボリュームの具合もタイトになことも多かったり、
1つの絵をさまざまに展開して使われることも多いので、デジタルで作成することも増えました。
デジタルだと、どうしても絵が整ってきてしまうので、
手描きのライブ感みたいなものを無くさないように心がけています。

 

ー若林さんが今後、挑戦されたいお仕事などはありますか?
これからの展望をお聞かせください。

 

具体的にあまり無いです。舞い降りてきた何かに固くならず、なるべく楽に身を委ねるように仕事できたら幸せです。

お仕事は自分で描いている時と違って、デザイナーさんや編集さんなどさまざまな方とやりとりがあります。
皆さんの魅力と知恵と技が絡み合い、絵、または企画自体に魔法がかかった時のトキメキがこの仕事の醍醐味なので、
できる限り沢山人と出会って面白いことを沢山できたらいいなと思います。

あとは、受注いただく仕事はありがたく沢山ください!なのですが、
自分から発信(発表)していくことにも興味あります。
面白い展示を企画したり、絵を動かしてみたかったり、
テキスタイルに落とし込んだりして「モノ」にして
グッズ展開することなどあまりやってきてないので挑戦していきたいです。

あとはたまにイベントなどで似顔絵描いたり子供たちと絵を描いたりするのが刺激的で至福な時間なのを知ってしまっていて、、
コロナも落ち着いてきたし、そういうのも増やしたいです。

あと何でしょう、画風の問題なのか装画など文芸のお仕事少ないので実は密かにもっとやりたいです。お待ちしてますw

まあでもとにかくもっといい絵が描けるようになりたいです。

インタビュアー:須貝美和

田口実千代個展「melody」

今週の作家さんは田口実千代さん。
HBでは4回目の個展です。
朗らかでのびのびとした筆跡は田口さんならでは。
ゆったりとした時間が流れる、心地よい展示をお楽しみください!

一部作品はオンラインショップでもお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

━田口さんは3年ぶり4回目のHB個展となりました。
多様なモチーフを描かれる田口さんが、
今回の個展タイトルを「melody」という1つの言葉に集約された理由をお聞かせください。

 

普段音楽を聴きながら絵を描くことがあるのですが、
一瞬で心掴まれ筆がのる事があります。
そんな音楽みたいに生活の中で、ふっと良いなと思える絵がいつか描けたらと、
「melody」というタイトルにしました。

 

 

━ 最近では油絵具で描くことも多くなっているそうですね。
油絵具の魅力はどんなところですか?
田口さんはアクリルガッシュやiPadでも描かれていますが、
画材はどのように使い分けているのでしょうか。

 

油彩画の魅力はキャンバスに描く時に伸びやかにかける事です。
アクリルガッシュはずっと使っていて一番馴染みある画材です。
iPadは線画を描いたり落書きしたり、今は気軽な感じで楽しんでいます。

 

 

━田口さんは絵日記やスケッチも数多く描かれていますね。
田口さんが生活の中で目にする全てが描くモチーフとなり、
風景も静物も有機的に瑞々しく表現されていることに感嘆します。
田口さんは1枚の絵の完成をどのように見極めるのでしょうか?
よし!と思った瞬間です。
ただ油絵は一週間以上乾かすのですが、乾いた後に見た時に少し描き足す事もあります。

 

 

━今後の発表予定や挑戦されたいこと、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。

 

次の発表予定はないですが、作品を見て頂けるのはうれしいです。
装画、雑誌、パッケージ、ポスター、
見た方がちょっとでも心惹かれる、そんなお仕事が出来たら嬉しいですし、
そういうお仕事がくるよう出来るよう精進しないとと思います。

 

 

インタビュアー:須貝美和

Tsuin個展「はなとどく」

今週の作家さんはTsuinさんです。
HBギャラリーでは初めての個展となりました。
美しさの中に、怖さや危うさが垣間見える魅力的な作品群。
Tsuinさんの妖麗な世界観をご堪能ください!

一部作品はオンラインショップでもお取り扱い中です。

http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

━ 個展タイトル「はなとどく」には
「花と毒」「花届く」2つの意味をこめられたそうですね。
展示作品も人物と併せて、花が描かれている作品が目立ちます。
Tsuinさんにとって花とはどのような存在なのでしょうか。

花は色や形から元気をもらえ、特に生きている花はそこにあるだけで元気をもらえる、ありがたい存在です。今回、DMをイメージして作った花束をくれた友人がいて、とても嬉しかったです。

 


 

━ Tsuinさんは装画や挿絵の仕事を数多く手がけられており、
今回の個展でもお仕事で描かれた挿絵が展示されています。
お仕事とオリジナルの作品を並列して展示しても、雰囲気に統一感を感じますね。
Tsuinさんご自身は物語に絵を添える仕事において、好きなジャンルはありますか?
また、得意なモチーフなどがあれば教えてください。

お話を読むのが好きなので、本の仕事はいつも楽しくさせて頂いています。モチーフとしては女性や子供、動物が好きです。ジャンルは問いませんが、ホラーやミステリーはウキウキして描いています。

 


 

━ 最近ではご依頼を受けたウェディングフォトの制作もされているとのこと。
依頼された方とはラフなどのやりとりはあるのでしょうか。
納品までどのようなプロセスを踏みますか?
これからお願いされる方に向けてご案内いただけますか。

ラフのやり取りはせず、完成までお任せいただいた形でした。細かく指定頂くより、自由に描かせて頂いた方が描きやすいので、絵の元となる写真を頂き、他は自由に描かせて頂きました。納期は1ヶ月ほど頂きました。

 


 

━ Tsuinさんの筆致には、人物の内面やバックグラウンドまで想像させてくれるような余地を感じます。
人物を描く際に意識されていることは何でしょうか。
また、現在の画風になるまでに影響を受けた方がいれば教えてください。

人物はほとんどその時の自分の気持ちを込めて描くことが多く、自画像のようなものだと思っています。描く時は音楽をかけて気分を高めています。

ピーター•ドイグ、網中いづるさんや日端奈奈子さんのようなきっちり描かない方が好きで、影響を受けていると思います。ちなみに網中いづるさんの原画(個展で購入しました)が家にあって、毎日眺めてます。

 


 

━ 今後挑戦されたいお仕事などや活動など、
Tsuinさんの展望を是非お聞かせください!


装画や広告、パッケージなど、見た人が何かしら嬉しくなるとか、癒されるとか、心を動かされるような仕事ができたらとても嬉しいです。

 

 

インタビュアー 須貝美和