HB Gallery

Blog

ココファームワイナリー収穫祭 「堀口忠彦展・2024」

今週は毎年恒例のココ・ファーム・ワイナリーさんとの企画展、収穫祭です。

今年のワインラベルは堀口忠彦さんに制作いただきました。

会場にて作品をお買い上げ頂いた方には先着で

堀口さんラベルのココファームワイナリー収穫祭ワインを1本プレゼント致します!

可愛らしい作品とワインをお楽しみ下さい!

 

展示作品はHBギャラリーオンラインショップでも購入いただけます!

 


「高い山」(額付き) ¥60,000-(税込)
 

「守りたいもの」(額付き) ¥68,000-(税込)
 

「何か?」(額付き) ¥78,000-(税込)
 

「猫の肖像」 (額付き) ¥66,000-(税込)

 

「花の子」(額付き) ¥60,000-(税込)

 

ココファームワイナリー収穫祭「堀口忠彦展・2024」は12/4(水)までです。(最終日のみ5時まで)
ぜひお立寄りくださいませ!

霜田あゆ美個展「あんのんと暮らす」

今回ご紹介するのは、2024年11/8~13に個展を開催された霜田あゆ美さんへのインタビューです。

絵の具や切り絵など、様々な方法で制作された作品で、素敵に会場を彩ってくださいました。
特にアップリケの作品はとても可愛らしく魅力的です。
個展タイトル「あんのんと暮らす」に込められた思いもお聞きしました。

会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ー個展「あんのんと暮らす」では
毎日が平穏に過ぎていきますようにという霜田さんの気持ちが込められた作品が
絵の具や刺繍作品、切り絵など、様々な手法を用いて制作されています。
霜田さんが個展のタイトルにあるように、
「出来るだけあんのんと暮らしたい。」
という想いに至った経緯や理由をお伺いできますか?

 

まあ、ニュースなんかを見ていると暗澹たる気持ちになるじゃないですか。
環境問題も不安だし、災害も多いですしね。
こんなのんきな絵をいつまで描いていられるんだろう?と
遠い目になったり、いや、こんな絵を描ける安穏な暮らしを大事にしなくちゃ!
なんて鼻息荒くなったり。
…ということで「安穏」をひらがなにしてマイルド(?)なタイトルにしました。

 

 

ー展示会場では霜田さんが装画を担当された、
いしいしんじさんの小説「ぶらんこ乗り」のアップリケによる刺繍作品が展示されています。
この時に初めてこちらの技法で仕事をされ、
当時はまだアップリケに苦手意識をもたれていたそうですね。
「今年とつぜん好きになりました」とおっしゃる霜田さん。
苦手だった時と現在では霜田さんの意識にどのような変化があったのでしょうか?

 

意識の変化というより、老眼が進んだという身体的な変化がきっかけでしょうね。
老眼の進み具合と同時に、いろんなことが「だいたいこんな感じでいいや」という心境になりまして。
アップリケの縫い目も雑でいいのでは?と思ったら、急に楽しくなりました。
布を大まかに切ってまち針で軽く止め、縫いながら形を決めて行ったらストレスがなかったんです。
そもそもわたしは、メキシコとかラオスの雑貨、こどもの絵の「下手さ」が好きなんですね。
それなら自分の絵も「下手」がいいじゃんと。
好きなことをやったほうが楽しいですしね。

 

 

ー霜田さんは画家のアンリ・マティスがお好きで、
絵の具やコピックでマティス作品の模写もされていますね。
霜田さんがマティスを好きになられたきっかけは何でしたか?
作品を制作する上で、マティスから影響を受けたことはありますか?

 

わたしは美大や専門学校の出身ではないのですが、画材店に就職しました。
それがちょっとコンプレックスで、暇な時間にお店の本棚の美術書を開いて見ていました。
お店には展覧会のチケットがよく送られてきていて、じゃんけんに勝ってマティス展のチケットをもらい観に行きました。
そこでマティスの絵は好みだと気づきました。
28歳で安西水丸さんの教室に通うようになってから、好きな絵の模写がいちばん勉強になると知りました。
コピックは会社のオリジナル商品で身近だったので、社員割引で買ってずいぶん使いましたよ。画材店で働いて良かったです。
マティスの色づかいや筆のタッチは取り入れたいなあと思って、時々画集を眺めます。

 

 

ー霜田さんが今後挑戦されたいこと、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。

 

やりたいな思うことは割りとすぐやってみるほうで、手法はずいぶん広げてしまったので、
次に個展をするとしたら、テーマとか絵のモチーフで何か挑戦してみたいかな?
イラストレーターとしての展望…うーん、絵を頼まれて答えをだすのに精一杯、って感じです。
でも、最近は仕事もなるべく気楽にやろうと思っています。

 

インタビュアー 須貝美和

山口志のぶ個展「蜜蝋画と四季」

今回ご紹介するのは、2024年11/1~6に個展を開催された山口志のぶさんへのインタビューです。

四季を感じる蜜蝋画で制作された作品で、素敵な展示空間にしていただきました。
蜜蝋画ならではの独特のテクスチャはずっと観ていたくなります。

以前は違う画材で制作されていた山口さん。
蜜蝋画を始められた経緯もお聞きしました。

会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

ー山口さんは2回目のHB個展となりました。
2022年3月の個展「蜜蝋と版画」でも
蜜蝋を使った版画作品を展示されましたが、
今年の個展は前回の版画形式とは違う技法とお聞きしました。
具体的にどのような点が異なるのでしょうか?

 

前回の技法は紙とアイロンを使った版画技法で今回の作品は木製パネルに描いた作品を加えました。
大きく違うのはアイロンを使わずパネルに描いたそのものが作品になるところです。
紙技法は紙に溶かした蜜蝋を薄く塗り、ニードルなど鋭利なもので引っ掻いて絵を描き、その溝に絵の具を擦り込みます。
できたらその上から別の紙を重ね上からアイロンをかけます。
すると余分な絵の具と蜜蝋が重ねた紙に吸い取られ、溝にすり込んだ線だけが残ります。

パネル技法はまず下地を塗り、そこに溶かした蜜蝋を塗って引っ掻いて絵を描きます。
ここまでは同じですが、パネルの場合はこれが作品となります。

 

ー山口さんが今回の個展「蜜蝋画と四季」で、
四季をテーマにされた理由をお伺いできますか。

 

昨年蜜蝋画で初めていただいたお仕事がカレンダーでした。
それまでも蜜蝋画でカレンダーを作っていたのですが、植物や食材など季節のものが表
現しやすい技法でした。
そして近年の異常気象によって日本の四季がなくなりつつある中で、改めてそれぞれの
季節を大切にしたいと言う願いを込めて今回の展示を開催しました。

ー山口さんは電線や路地をモチーフに
これまでの個展でも風景画の作品を発表されてきました。
リキテックスとペンで数々の風景を描かれてきた山口さんが
蜜蝋画を始められたきっかけは何でしたか?
また、山口さんが感じる蜜蝋画の魅力を教えてください。

 

イラストレーターはお仕事上クライアントさんの意向を反映するために思うように描かなければなりません。
実際私も考える通りに絵を描いてきました。
でもそうなるとやはり表現がパターン化して面白みもなくなってきます。
それに比べ蜜蝋画は使い慣れないニードルや描き慣れない蜜蝋の質感、
そしてアイロンや色付けなど全て出来上がるまでどのようになるか分かりません。
思うように描けないのが面白いと感じました。

 

ー会場でも展示されている、
片山鋲螺工業株式会社さんの今年のカレンダーのお仕事では
ネジやボルトなど、企業が製造されている製品が、
季節のモチーフと共に山口さんの蜜蝋作品で見事に表現されています。
これまで描いたことのないモチーフを、ご自身の世界観で表現するために、
山口さんが工夫されたことや、逆に苦労されたことなどはありますか?

 

ネジを描くのは非常に面白かったです。
いいモチーフだなと思いました。
どの月にどのネジを使うか被らないように考えるのは大変でしたが楽しみながら作業できました。
一度に描いてしまうと修正が効かないので線、色、背景を全てバラバラに描きパソコン上で重ねるといった工夫もしました。
あとは印刷の段階で微妙な蜜蝋の色合いを出してもらうのも大変でした。
その甲斐もあって、大変好評で増刷されたとか。
嬉しいことです。

 
ー山口さんは2026年に銀座で個展を予定されているとのこと。
今後の画家としての活動はもちろん、
イラストレーターとしての展望などもお聞かせください。

 

とにかく蜜蝋画は原画を見てもらいたいと思いました。
あの独特の柔らかい質感は印刷や画像ではなかなか伝わりにくいと思います。
なので蜜蝋画は原画を楽しんでもらいたいと思い販売目的で画廊を選択しました。
蜜蝋画の素晴らしさを伝えつつも、イラストレーターとしてもまた違った伝え方をできればと思います。
要するに欲張りなんですよー。

 

インタビュアー 須貝美和

タムロアヤノ個展「Calm time」

今回ご紹介するのは、2024年10/25~30に個展を開催されたタムロアヤノさんへのインタビューです。
タムロさんはHBでは2年ぶりの個展開催となりました。

オイルパステルや油彩で描かれた可愛らしくも力強い作品たち。
活動の幅をどんどん広げていらっしゃいます。
現在の画風になったきっかけや、今後の展望をお伺いしました。

会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!
展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

ータムロさんは2年ぶり2回目のHB個展となりました。
2022年の初個展以降、アートフェアへの出展や日テレ「THE ART HOUSE」などのメディア出演、
今年の8月には「Independent Tokyo 2024」でグランプリを受賞、
10月にはアパレルブランド「Elura 」とのコラボ商品発売など益々活動の幅を広げてらっしゃいますね。
タムロさんご自身はこの2年間を振り返ってご自身の心境や制作などに何か変化はありましたか?

 

とてもワクワクするお仕事が増えました。商品パッケージだったりコラボとしてテキスタイルの柄になってお洋服や雑貨アイテムになったり。
また大きな商業施設のメインビジュアルなども任せていただけるようになり、
広がりや影響力のあるご依頼が増えたことをとても嬉しくありがたく感じています。
また最近は商業のお仕事だけでなく作家として自分の作品を制作することに意欲的になっています。
今後も展示や原画販売などの方向を増やしていくつもりです

ータムロさんは木製の板にオイルパステルと油絵で着彩した上で、
彫刻刀で画面を削り、凹凸を加えて描かれてらっしゃるそうですね。
タムロさんがオイルパステルや油絵具を使われるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
これらの画材が可能にしてくれる表現とは何でしょうか?
また、彫刻刀で画面を削ることはタムロさんにとってどんな意味がありますか。

 

オイルパステルを使うきっかけは子どもができたことです。デザイン業はしていましたが自分の絵を描くという行為からは数年離れていました。
そんな中、パステルを使う息子と一緒に自由にグリグリと描き始めたのがこの画材と出会ったきっかけでした。
パステルはマットな質感ながらも色の発色が美しく、画面の隣り合う色との関係性を大事にしている私にとって最高の画材です。
また彫ることは絵のポイントを作ると同時に命を吹き込むという意味もあります。
地元が南大阪ということもありだんじりが盛んな町です。だんじりには繊細な彫刻が施されており神に捧げるもの、
そして魂を彫り込むという意味があると聞きました。そういったところから影響されていることもあり、
彫るという行為は私にとって作品を仕上げる上で大事な工程です。

 

 

ータムロさんの作品には猫が頻繁に登場されますが、
猫が描かれている作品の売上の一部を保護猫支援のために寄付される活動をずっと続けてらっしゃるそうですね。
タムロさんが保護猫を支援されようと思われた経緯などをお伺いできますか?

 

以前から絵を描くという行為は自己完結、自己満足の要素が強いと感じていました。
その上で自分が絵を描くということを通して何か意味のあることをしたい。社会に還元できることはないかと思っていました。
そんな中、身近に保護猫の支援をされている方と出会い、まだまだ困っている、苦しんでいる保護猫・保護犬がたくさんいることを知りました。
そんな経緯から自分の絵が周り回って何かに役に立つサイクルを作りたいと思うようになりました。
またその方が自分が絵を描く意義が生まれると感じ今に至ります。

 

 

ー今後挑戦されたいお仕事や活動、
タムロさんの今後の展望などをお聞かせください!

 

もっと海外での展示にチャレンジしたいと思っています。
この2024年の11月に韓国で展示できる機会に恵まれました。その経験を経て
さらにもっと大きな作品を仕上げ自分がどこまで飛べるか、自分の作品がどこまで届くかを試してみたいと思ってます。

 

 

インタビュアー 須貝美和

中村隆個展「きっといい風」 

今回ご紹介するのは、2024年10/18~10/23に個展を開催された中村隆さんへのインタビューです。

ボールペンで作品を制作されている中村さん。
中村さんならではの精密だけれども穏やかな作品に魅了されるお客様がたくさんいらっしゃいました。

会場では制作風景の動画が流され、じっくりとご覧いただけます。

会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ー今年は3月のHOBONICHIのTOBICHI 東京を皮切りに
4月、韓国ソウルのAUGHT Books&Arts、
5月、TOBICHI京都と個展が続きましたが
数々の企画展を開催されている中で、
自らHBで個展をされることを決意されたのはなぜでしょうか?

 

新作で個展を、というのが自分のここ何年かのやりたいことだったので、
実はわりと他の企画展が決まるよりも先に今回の個展の予定を
自分でお願いして決めていました。
さらに言えば、まだギャラリーをお願いしていない、
前の個展の終わった後からわりとすぐに、
いつかまたやるだろうからと個展用の絵は描き始めていました。
描くのは本当に早くないので、
準備だけは早めに始めていました。

 

 

ー会場でも展示されている
中村さんがイラストを担当された「ちょっと贅沢な珈琲店®EVERBLACK®」が、
2024日本パッケージングコンテスト贈答品包装部門賞を受賞されました。
お仕事の作品もアナログで制作をされてらっしゃいますが、
納期までに作品を仕上げるために、
何か工夫などはされているのでしょうか?
展覧会のために描く絵と、お仕事で描かれる絵では、
中村さんの意識にどのような違いがありますか?

 

仕事では納期も制作内容もゴールがわりとハッキリしていることが多いので、
そこへ向かってできるだけまっすぐ進めていく感じのことが多いです。
オリジナルは本当に予定外のことを描きながら取り入れて、寄り道も多く、
失敗しても自分の責任だけでいいというような気持ちで描いていく感じです。
また仕事では、納期が短ければサイズを小さめに描いてそれをデータ上で大きくして使っていただいたり、
時にはパソコンのデータ上で、前に描いた絵の線や点の模様をスクリーントーン的にはめ込むことで制作時間を短くしています
、、と言いたいところなのですが、パソコンがあまりうまく使いこなせておらず、逆に時間がかかったりすることもまれにあります。
あとはラフをなるべく早く描いて、その分の時間を本番の制作時間に回すくらいです。

ー日本全国のみならず、海外でも作品を発表されており
世界中にファンがいらっしゃる中村さん。
今後はどのような活動をされていきたいですか?
中村さんの展望をお聞かせください。

絵で食べていくことが昔から展望とも言えない展望なのですが、
あまりそこは変わらないですし、仕事の依頼は今も波もあります。
でも、仕事がない時はオリジナルの制作時間と思って、
できるだけ手を止めずにやっています。
海外の仕事や、絵を描く人とのやり取りでは、
言葉の壁を超えて絵で通じ合えることは、
不思議だな、嬉しいなといつも思っていて、
これからももっとできればいいなと思っています。
あとは、見た人がほんの少しでも気分が
何か良い方に変われるのような絵を描ければいいなと思っています。

 

インタビュアー 須貝美和

ユイボランテ個展「死者の日〜メキシコのお祭り〜」

今回ご紹介するのは、2024年9/27~10/2に個展を開催されたユイボランテさんへのインタビューです。

初めての個展を開催してくださったユイボランテさん
大きいパネルや、数多くのカラフルな作品でとても賑やかな素敵な展示空間となりました。

今回のテーマであるメキシコにまつわるお話しもお伺いしています。

会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!

 

 

 

ーユイボランテさんは初めての個展となりました。
HBで個展をされようと思われた経緯や
生まれ育ったメキシコでの「死者の日」のお祭りを、
初個展のテーマに選ばれた理由をお伺いできますか。

 

記念となる初個展なのでやはり自身のルーツとなる生まれ育ったメキシコをテーマに描きたいと思いました。
「死者の日」はメキシコを象徴する楽しいお祭りで、子どもの頃この日をいつも楽しみにしていました。
その時に買えるかわいい雑貨やガイコツのお菓子は私の「かわいい」の原点!
私の個展に来てくださる方に「こんな楽しくて華やかなお祭りがあるよ」と知ってほしいと思いました。
 

 

ーユイボランテさんはクリエィティブオフィス エジソンのデザイナーとして、
https://edison-ad.co.jp/
ポスターやパンフレット、広告、web、動画などの企画・制作をされています。

エジソン代表の田渕周平さんはHBでも個展をされたことのあるイラストレーターさんでもありますが、
(田渕さんは2025年11月にHBで個展予定)
イラストやデザインを制作する中で
ユイボランテさんが田淵さんから影響を受けたことなどはありますか?

 

田渕さんからはいつも影響を受けています!
イラストのタッチもすごく影響を受けていますが、全ての制作物に対して
わかりやすく伝えるだけでなく、どうしたらもっと見る人に楽しんで見てもらえるかを常に心がけています。
今回の個展に対してもたくさんアドバイスをいただき、
私も「どうしたら個展に来た人に楽しんでもらえるか」を心がけてイラストを描きました。
 

 

ーユイボランテさんの初個展は、死者の日のお祭りがギャラリーに再現されたかのような、
賑やかで楽しい個展会場となりました。
両面にイラストがプリントされた旗が飾られていたり、
扉を開けて楽しめる作品があるなど、
ユニークなアイデアが満載です。

個展の準備を進めるにあたって、
ユイボランテさんが工夫されたことや、
インスピレーションを受けた展覧会などはありますか?
昨年、ユイボランテさんが参加されたタラジロウさん主催のグループ展、
てんとちてんⅢ「縦々」
http://www.opagallery.sakura.ne.jp/pg1661.html
での経験からは何か影響されていますか?

 

私のイラストは原画ではなくデジタルでイラストのタッチもゆるいので、じっくりイラストの質感を楽しむ展示にするのは難しいと思い
イラストを大きく印刷しパネルで散りばめ「死者の日」のお祭りの楽しい空間づくりに重きを置きました。

タラジロウさんのグループ展ではじめて自分のイラストを展示させていただいた際、
大きい等身大の女性のイラストを設置し、ワンピースの模様をメキシコっぽい柄やイラストで散りばめました。
全ての模様をパネルで手作りのマグネットにし、来ていただいた方はそれを一つ選んで無償で持ってかえれる形にしました。

この時の展示方法が好評だったので
今回の個展もパネルを使用し、来ていただいた方に喜んでほしいと思い、
一人一つシールをプレゼントしました。
 

 

 

ーユイボランテさんが今後挑戦されたいことや、
イラストレーター、デザイナーとしての展望などをお聞かせください。

 

デザイナーとしては今後も楽しい仕事に関われるよう精進していきたいと思っています。
グラフィックだけでなくWebや動画編集などもできるようになりたいです。

イラストレータとしては、
今回の個展がメキシコ大使館のS N Sでご紹介いただいた流れもあったりしたので、メキシコ関連のイラストのお仕事がしたいです。
将来は幅広いお仕事を依頼していただけるようなイラストーレーターを目指したいので
自分のイラストをどんどん発信し、いろんな方に認知されるよう引き続き頑張っていきたいと思います!

 

インタビュアー 須貝美和

紙野夏紀個展「S2 STYLE TWO」

今回ご紹介するのは、2024年10/4~10/9に個展を開催された紙野夏紀さんへのインタビューです。

イラストレーターとしてたくさんのお仕事をされている紙野さん。
今回新しいスタイルの作品を展示してくださり、素敵な展示空間となりました。
新しい作風に至った経緯や、これからの活動についてもお聞きしました。

会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ー紙野さんは4回目のHB個展となりました。
今回の個展のテーマについてお聞かせください。

 

3年くらい前から趣味で水泳を始めたのですが
水泳で1番得意な泳ぎをS1。略さずに言うとstyle oneといいます。2番目はS2。
今回の個展のタイトルを「S2 STYLE TWO」にした理由は、
私は今までちぎり絵の作品を多く描いてきて、
それが私のS1だとしたら、S2となる自分の絵を探してみたかったからです。

 

 

ーこれまでちぎり絵の作品を数多く描かれてきた紙野さん、
今回、紙野さんがStyle twoとしてリキッド絵の具の画材を選択され、
モザイクのような描き方に挑戦されました。
実際に新しい表現に挑戦されてみていかがでしたでしょうか?
何か発見や気づき、得られたことなどはありましたか?

 

人物を描いてみたいと思っていて、アクリルリキッドの絵の具で色々描き方を試していく中で、
人の肌をモザイクタイルのように表現してみようと思いました。
実際の人の皮膚にも方向があり、色も均一でないことから、そのように表現したら面白いかな?と思って描き始めました。

 

 

ー紙野さんの代名詞、Style oneとなるちぎり絵の魅力は何ですか?
ちぎり絵だからこそ可能となる表現は何でしょうか。

 

手で紙をちぎることは、ペンや筆で描くよりも不自由で小回りが効かないので
細かい表現ができません。それゆえに、描けるものが限られていて、色数も自ずと絞られていく。そこに面白さがあって、自分では気に入った描き方です。
かつてよく描いていたのは風景画なのですが
私の表現したいものと技術がぴったりとマッチした描き方だと思います。

 

 

ー幅広いジャンルで数々のお仕事を経験されてきた紙野さん。
紙野さんがご自身が考える、今後の活動の方向性についてお聞かせください。

 

メインの仕事としては、広告の仕事が割と多いのですが
プロジェクトの方向性を理解して“期待された絵を描く”という職人的な仕事にもやりがいを感じています。一方で、イラストレーターの仕事は受注仕事が多く、受け身になりがちなので、発信していくことも大切だと思っています。
テキスタイルの分野で自分のブランドとして活動しているのですが、
図案をデザインするだけでなく、自分が発注者となり布を生産して販売しています。
こちらの活動は、在庫を抱えたりイベントで自らが売り場に立ったりと、BtoCビジネスなのである意味で細かく、シビアな世界ではありますが、イラストレーションと並行してできる限り継続していきたいです。
また、それに加えて、今回の個展のように純粋に絵を描くこと、自分のスタイルを大切にしていきたいと思っています。

 

インタビュアー 須貝美和

HB COMPETITION PRESENTS vol.2 メリヤスミドリ ×桂川峻哉二人展 「Silent Veil」作品リスト

今週の展示は、第2弾となりました「HB COMPETITION PRESENTS」
メリヤスミドリさん、桂川峻哉さんの二人展です!

HBファイル&ワーク、両コンペの受賞者より選出した作家による企画展で、
受賞の年だけではなく、その後の活動に関しても、
HBギャラリーとしてサポート出来る場所を作れたらという気持ちで始まった企画です! 
「Silent Veil」と名付けられた二人展の作品リストをぜひご覧くださいませ。
会場ではグッズやZINEのお取り扱いも!

作品はHBギャラリーオンラインショップでも購入可能です。

 

「BLACK MAMBA」額なし
パネル外寸: 約53 cm × 45.5 cm、¥77,000-(税込)

 

「Ghost Whisper」額付き
額外寸: 約51.2 cm × 39.7 cm、¥49,500-(税込)

 

「Thunder Bat」額なし
パネル外寸: 約53 cm × 45.5 cm、¥77,000-(税込)

 

「Horn&Thorn」額なし
パネル外寸: 約40 cm × 40 cm(円形キャンバス)、¥55,000-(税込)

 

「GOMA」額なし
パネル外寸: 約40 cm × 40 cm(円形キャンバス)、¥55,000-(税込)

 

 「DOSUKOI」額なし
パネル外寸: 約41 cm × 31.8 cm、¥55,000-(税込)
 「Together」額なし
パネル外寸: 約53 cm × 45.5 cm、¥77,000-(税込)
「Claw」額なし
パネル外寸: 約33.3 cm × 33.3 cm、¥44,000-(税込)
「KAMAKEN」額なし
パネル外寸: 約41 cm × 24.2 cm、¥55,000-(税込)
「Atlas」額なし
パネル外寸: 約27.3 cm × 27.3 cm、¥33,000-(税込)
「Securely」額なし
パネル外寸: 約33.3 cm × 24.2 cm、¥38,500-(税込)
「OINUSAMA」額付き
額外寸: 約51.2 cm × 39.7 cm、¥49,500-(税込)
「LILI.LALA.LULU」額なし
パネル外寸: 約60.6 cm × 72.7 cm、¥209,000-(税込)
「Ambiguous」額なし
パネル外寸: 約60.6 cm × 50 cm、¥165,000-(税込)
「Sunny Afternoon」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Sudden Visitor」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「One Holiday」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Silent Invasion」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Strange Neighbors」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Balloon Girl」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Fluffy Circulation」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Daydreams of Sheep」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Silent Birthday」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Storage of Memories」額なし
パネル外寸: 約41 cm × 41 cm、¥66,000-(税込)
「BLOOMING」額なし
パネル外寸: 約45.5 cm × 45.5 cm、¥88,000-(税込)
「INDELIBLE MEMORY」額なし
パネル外寸: 約41 cm × 41 cm、¥66,000-(税込)

 

出口えり+マナベレオ二人展「瑠璃も玻璃も」

今回ご紹介するのは、2024年9/13~9/18に二人展を開催された出口えりさん、マナベレオさんへのインタビューです。

実力あるお二人の展示ということもあり、たくさんのお客様がいらっしゃいました。
展示タイトルの由来や、制作過程についてもお聞きしました。
これからの作品もとても楽しみなお二人、
会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

ーお二人は桑沢デザイン研究所のご出身ですが
今回マナベさんと出口さんで二人展をされようと思ったきっかけや、
展示タイトル「瑠璃も玻璃も」にされた理由などお伺いできますか。

以前HBでマナベさんの個展が開催されていて出口がお伺いしたことがあったんですが、在廊されていた本人とお話してみると実は先輩後輩の関係で、1年間同じ校舎で学んでいたことを知り、親しくなりました。
その数年後、Xで出口が「誰かと二人展やってみたいな〜」と何気なくポストしていたところ「じゃあマナベと」と名乗り出てくださって。そんなわけで今回の2人展の企画が始動しました。タイトルの「瑠璃も玻璃も」は、いろはかるたの【瑠璃も玻璃も照らせば光る】からの引用です。
瑠璃(るり)は青い宝玉、玻璃(はり)は透明の宝玉。石ころに混ざっていても、両者とも光を当てれば光り輝き、一目瞭然である。すなわち才能のあるものはどこにいても力を発揮するものである…!ということわざなのですが、
「私たちはまだ駆け出しのイラストレーターでもっと売れたい!みんなHBギャラリーへ私たちの才能を見つけに、光を当てに来て!」
という願いを込めてこのタイトルを付けました。
本名に2人とも「王(おうへん)」がつくので文字列の印象がぴったりだなと感じたというのもあります。
ーお二人の合作「瑠璃も玻璃も照らせば光る」は展示会場でも特に目を引くインパクトのある作品です。
こちらの制作意図や、完成までどのように制作を進めていかれたのか、制作過程をお伺いできますか。
江戸時代のいろはかるたの「瑠璃も玻璃も〜」の札の絵柄を2人で分割して描こうと決めました。
2人展ならば合作が何か欲しいなという気持ちがあり、大まかな構図は口頭で早い段階から構想はありました。
台座の位置やお互いを象徴するキャラクターのレイアウトはマナベさんに先に決めていただき、それに合わせて出口が描くという方法で進めています。
実際に2つの絵を合わせたのはギャラリー搬入後だったのですが、タッチが異なるものの不思議と絵に親和性があり、展示にご来場いただいた方にも
「意外な組み合わせだけれどマッチしている!」
とお褒めいただくことが多くて制作してよかったなとしみじみ感じていました。
ーマナベさん、出口さん、お二人それぞれの今後の目標や挑戦したいこと、展望などをお聞かせください!
マナベさん:
本に携わる仕事をしたいです。
自己表現だけに留まらず、仕事を通じてより多くの人に興味を持って貰えるようになりたいと今回の展示を通して思いました。
営業にも力を入れつつコンペにも応募して自分を知ってもらうことに注力したいです。
またHB Galleryで展示をさせて頂く頃には今よりもっと絵がうまくなっていればいいなと思います。
出口さん:
私はこれまで書籍の装画や挿絵のお仕事をいただくことが多かったのですが(小説が好きなので嬉しく、そちらも引き続きどんどんお引受けしたいです!)、書籍に限らず広告やパッケージの分野でもお仕事が広がるといいなと思います。
今回の展示がお互い何かしらの形で、今後の制作活動の糧になると良いなと願っています。

インタビュアー 須貝美和

HB FILE COMPETITION vol.34 鈴木成一賞 南景太個展「Quantum」

今回ご紹介するのは、HBファイルコンペvol.34 受賞者展、
鈴木成一さんの大賞を受賞された南景太さんの展示です!

2024年8/16~8/21に開催された個展では、
南さんの新しい境地である光を取り入れた作品が数多く並びました。

一部展示作品はオンラインショップでもお取り扱い中です。

http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

 ー鈴木成一賞 大賞受賞、おめでとうございます。
受賞を知った時はどんなお気持ちでしたか?
鈴木成一さんに選ばれた感想もお聞かせください。

 

受賞を知った時は「まさか!?」と思いました。私は今までトータル10回くらい応募して3次選考まででしたので「最終選考いけたら前進だ」なんて思っていた所、まさかの3弾跳びで大賞!
ましてやセツに通っていた20年以上前からお名前やお仕事を存じ上げていた装丁界のレジェンド・鈴木成一さんの賞ということで、「こんな日がくるとは。。」ととても感慨深かったです。

 

ー個展会場でも目を引く光るシリーズは
鈴木成一さんからも「巧みに操られた光の演出が、そこに奥行きある物語を紡ぎ出している。」と評されています。こちらの光の表現はファイルコンペの搬入直前に偶然発見されたそうですね。
こちらのシリーズが生まれてから
ファイルコンペの応募作品は軌道修正などされたのでしょうか。
ファイル作成にあたり、南さんが工夫されたことや、意図されたことなどはありますか?

 

光るシリーズはファイルコンペ搬入の1ヶ月前に偶然うまれました。最初はPhotoshopの画面上で、白い背景に人物のパーツとなる素材(頭、上半身、下半身)を適当に並べ、何となく消しゴムツールで輪郭をぼかしながら消していました。すると、何だか体が発光しているように見えてきたのです。「体が発光する人物画って、おもしろいかも」と思いそこからイメージを掘り下げていって、一つ目の作品が出来上がりました。
そしてコンペ搬入に間に合った光シリーズ4作品を入れて応募したのですが、その後鈴木さんから大賞の決め手となったのは「光るシリーズ」だと伺い、ギリギリ滑り込んだということを知りました!ファイルの順番は日常から非日常へと誘うようなイメージで、カラフルな昼間のシリーズからスタートして背景が黒い夜のシリーズ、そして光るシリーズへと繋げていきました。

 

ー個展会場では大賞受賞後の鈴木成一さんとのお仕事、
ブコウスキー新装版シリーズの原画も展示されています。オリジナリティのある独自の世界を描かれる南さんが
装画や挿絵など、自分以外の他者の創作による物語の絵を描くときは
どのような意識で制作されるのでしょうか?
南さんの世界に引き込むイメージですか、
もしくは南さんが他者の世界に降り立つようなイメージでしょうか。
南さんの意識やイメージをお聞きしたいです。
 
 

私が物語の絵を描くときは、語られていない場面だったり、その物語から少しだけずれた世界(パラレルワールド)を描いているような感覚で描きます。物語の大事な核は共有しているけど、ところどころ違う世界。そういう感覚でイメージを泳がせると自分自身もワクワクしながら描くことができます。
そういう意味では、まず「他者の世界に降り立ち」そこから「自分の世界に引き込む」ような感じかもしれません。・・・もちろん「飛躍しすぎなのでボツ」と言われたら、すぐに別案を考えますので仰ってください!!
 
ー受賞展では南さんのこれまでの変遷が楽しめる展示構成になっています。
南さんはセツモードセミナーへ通われていた頃からクレヨンで描かれ、
アナログとデジタルを行き来される現在でも、クレヨンやオイルパステルを活用されています。
様々な技法を研究されてきた南さんにとって、クレヨンやパステルはどのような存在でしょうか?
 
クレヨンやオイルパステルは、「直接的で包容力のある画材」だと思います。
絵具や色の表現が苦手だった10代のころはずっと鉛筆・シャーペンで絵を描いたのですが、20歳のときに偶然使った「サクラクレパス」が感動的に楽しく、そこから20年以上ずっとクレヨン・オイルパステルをメイン画材として使い続けています。
筆などの道具を介さずに、直接手から色が出るような感覚的な使い心地も好きでした。スポーツでも道具を使うテニスや野球は苦手だったのですが、バスケやサッカーは比較的得意で好きだったので、直接的な表現が向いているようです。
また気分の波が大きかった20歳頃の私にとって、「あ、絵を描きたい!」と思ったら準備ゼロですぐ描き始められて、急に「あきた!」とすぐに手を離しても問題なく、使用後の手入れも必要ないクレヨンは、描き手の我がまま(不安定さ)を受け入れてくれる、包容力のある優しい画材だと思います。

 

 

ー南さんが今後挑戦されたいお仕事や活動、
イラストレーター、アーティストとしての展望などをお聞かせください。

 

私は創作においても生きる上でも、狙っていなかった「偶然」を取り入れることが、より物事を生き生きと充実させるカギだと思っています。ですので、例えばワークショップを通して多くの人と一緒に「偶然をキャッチする」遊びとかできたら楽しいですね。
あとスキルがないので自分ひとりでは作れませんが、自分の絵を使ったMVのアニメーションも作ってみたいです。昔から言い続けていて実現できていない、オリジナル絵本も作りたいです。
あとは未経験のお仕事は自分の世界を広げてくれるので、絵にまつわるどんなお仕事も経験してみたいです。

 

 

インタビュアー 須貝美和