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鈴木成一賞 椎木彩子個展「林林林」

夏のファイルコンペ展、第三弾は鈴木成一賞に輝いた椎木彩子さんです。
これまでの画風をがらりと変えてのファイルコンペ挑戦、見事大賞受賞に輝きました。
木や葉、花など自然のモチーフをのびのびと力強く描かれました。
殻をやぶった椎木さんの生命力溢れる作品、ぜひ原画をご覧いただきたいです!

 

『木の中』

 

ご近所にアトリエを借りて制作をされている椎木さん。個展前は毎日通い制作に励んだそうです。
元々は文化服装学院のデザイン科のご出身。テキスタイルに興味があり、形はシンプルで柄の凝った服を作られていたそうです。徐々に平面作品を描きたくなり、26歳で絵を描き始め、MJイラストレーションズに通い始めました。

 

『赤い羽根のハナ』

 

これまでは細い線と描写で、具体的な絵を描くことの多かった椎木さん。作風を変えて今回の絵にした時、絵の取り組み方の最後の変化として考え、誰にも認められなくてもいいからやってみよう!と思ったそうです。これでダメだったら絵をやめる覚悟、という気持ちで挑んだ大阪での個展開催。その作品でファイルコンペに応募したところ大賞を受賞されました。

 

『此処にいる』

 

椎木さんはご自身の絵を、”手遊びから生まれる抽象画 “と呼んでいるそうです。原画からも遊ぶように描く楽しさが伝わってきます。自分の進みたい方向へぐんぐんと舵をとる椎木さん、今後のご活躍も楽しみです!

 

『球根の大きな夢』

 

 

大賞受賞後、椎木さんが装画と挿絵を手掛けられた書籍。装丁は鈴木成一さんです。元々夢だったという装画のお仕事、鈴木さんがまっさきに椎木さんの絵をイメージし依頼されたそうです。
会期中、会場でも販売中です。展示とあわせてぜひご覧いただきたいです!

藤枝リュウジ賞 永井久美個展「運動会」

夏のファイルコンペ展、第二弾は藤枝リュウジ賞に輝いた永井久美さんです。
5年ほど前から運動会をテーマに作品を描かれている永井さん。入場行進、騎馬戦、応援団、大縄跳び、台風の目…など大勢の少年たちが一生懸命に戦う姿が描かれています! どこかシュールで愛らしい作品たち、ぜひご覧いただきたいです。

 

 

中学生の息子さんをお持ちの永井さん。お子さんが小学生の頃、全校生1200人ほどのマンモス校に通われていたそうで、運動会で子どもたちが一斉に入場する姿に感動し、その様子を絵にしたいと思ったそうです。共学だそうですが、絵に登場するのはほぼ全員男の子。男の子の方が表情豊かにおもしろく描けるそうです。特に動きのある、戦っている様子を描くことがお好きとのこと。

 

 

服飾の専門学校で長年、教員のお仕事をされていた永井さん。出産を機に退職された後も、セツ・モードセミナーに通うなどし、絵はずっと続けられてきたそうです。デザイン画やパターンを細かく正確に描くお仕事だったため、たくさん人物を描くことも全く苦ではないのだそう。コツコツ描くのがお好きで、2人くらいだとすぐに描き終わってしまいつまらないとのこと。家族が寝静まったあと、深夜2〜3時に描くことも多く、その没頭できる時間が楽しみなのだそうです。作品からもその楽しさが伝わってきます!

 

 

 

絵で賞をとるのは初めてだそうで、最初に受賞の知らせを聞いた際も、何のことかわからなかった…と永井さん。どうして私が??と驚いたそうです。
これからも絵を描き続けていきたいそうで、次のシリーズ絵も考えているとのこと。イラストレーションのお仕事は、この路線で使っていただけるのならぜひ!とのことでした。永井さんのはじめてのギャラリーでの個展開催、ぜひたくさんの方にご覧いただきたいです!

 

 

特別賞展 特別賞6人によるグループ展

今週からファイルコンペvol.27の大賞展が始まりました!
7月7日から8月30日まで、受賞者の作品を展示致します。第1週目(7/7(金)-7/12(水))は、特別賞に輝いた受賞者6名によるグループ展です。6人それぞれの個性が光る展示をどうぞお楽しみください!

 

ファイルコンペvol.27  特別賞受賞者 (敬称略)
日下潤一特別賞 / 草野碧
副田高行特別賞 / SKY STAMP
藤枝リュウジ特別賞 / 谷端実
鈴木成一特別賞 / 山浦のどか
永井裕明特別賞 / 高橋潤
仲條正義特別賞 / 中村隆

 

 

日下潤一特別賞 草野碧さん http://midorikusano.com/

 

鈴木成一特別賞  山浦のどかさん http://yamauranodoka.com/

 

副田高行特別賞 SKY STAMPさん https://uotanisky.jimdo.com/

 

 

藤枝リュウジ特別賞 谷端実さん http://tanibataminoru.tumblr.com/

 

 

仲條正義特別賞 中村隆さん http://takashi-nakamura.na.coocan.jp/

 

 

永井裕明特別賞 高橋潤さん http://juntakahashi.jp/

 

 

HBファイルコンペVol.28の募集もはじまりました。
今年の小冊子イラストレーションは西山寛紀さん。
応募要項・小冊子はギャラリーで配布しております。ギャラリーでのお申し込みも可。

http://hbgallery.com/compe.html

みなさまの熱い作品、お待ちしております!

夜久かおり個展「お外で会いましょう」

今週の作家さんは夜久かおりさんです。HBでは初めての個展開催となります。
今回描かれたのは、ある1冊の本をきっかけに外の世界に興味を持った少女の物語。展示作品が収録された新作ZINEの販売も!5色のボールペンで丁寧に描かれた静謐な世界観、ぜひご覧くださいませ!

 

 

22歳の頃、地元・熊本のケーキ屋さんで社員としてお勤めされていた夜久さん。元々、絵を描くのがお好きだったそうです。当時、お店のPOPを描いていたことで、徐々に絵を仕事にしたいという気持ちが強くなり上京を決意。印刷会社に約6年間勤め、現在はフリーランスで活動されています。出版社への売り込みがきっかけで、今秋から『小説推理』の連載挿絵を担当されます。

 

 

画材は、高校生の頃から絵を描くのに使っていたというボールペン。
好きな作家は酒井駒子さん。自分も女の子の絵が描きたいと思い、これまでずっと独学で描いてきたそうです。

 

 

 

一昨年の東京装画賞では坂川栄治賞を受賞。この方向でいいんだ!という安心感が生まれたとのこと。どんどん描いて、自分のタッチを定着させていきたいそうです。
これからもずっと描きたい、長くお仕事を続けていきたいとお話してくださった夜久さん。絵本や雑誌の挿絵、広告など、熊本のご両親にも見てもらえるような媒体でお仕事をしてみたいそうです。今後益々のご活躍が楽しみです!

 

紙野夏紀個展「月下群像」

今週の作家さんは紙野夏紀さんです。HBでの個展は約7年ぶりの開催となりました。
今回は中国東北部旧満州瀋陽をテーマに、中国の街並みや食べ物などが美しい構図と色彩で描かれています。紙野さんならではの、貼り絵とドローイングを組み合わせた、やわらかなフォルムがユニークな作品たち。ぜひ原画をご覧いただきたいです!

 

「奉天郵便局」-月下群像-

 

2013年、2014年にご家族の都合で約1ヵ月間、中国の瀋陽に滞在していたという紙野さん。瀋陽は昔、日本の領土だったそうで、現在も建物や鉄道など当時のものが残っているそうです。
瀋陽に在住していたライター・高田ともみさんとの出会い、圧倒された街のエネルギー、いいものも悪いものも混沌とした空気。その時のことを作品にしたいと思い今回のテーマとなりました。

 

「奉天郵便局」

 

ずらりと並んだ新作のZINE『月下群像』(¥1,512) デザイン:細山田デザイン事務所

紙野さんが1枚1枚手で刷った、活版印刷の表紙が目印です。紙野さんのイラストレーション、ライターの高田ともみさんとの対談など収録。中国で高田さんと食事をしたあと、帰り際に見た満月が印象的だったことから『月下群像』と題したそうです。見応え、読み応えのある1冊です!

 

「師府舞庁の金魚売り」

これまでも雑誌や広告のイラストレーション、ご自身で立ち上げたテキスタイルブランド「Törten」など、数々のお仕事を経験されてきた紙野さん。本の装画や文芸誌のお仕事はまだまだやってみたいそうです! 今後のご活躍も楽しみです。

 

「机運び」

 

西山竜平個展「香る街」

今週の作家さんは西山竜平さんです。3月に上京された西山さん、東京で初の個展となります。

圧倒的な描写力と、どこか懐かしさを感じさせる作風がとても魅力的です!

今回の個展の作品は、普段の生活の中で見えるものや、そこで感じた事などを描きたいと思って制作されたそうです。

 

 

 

 

愛知芸術大学でデザインの勉強をする中で、絵を描く楽しさに目覚めた西山さん。

緊張せずに描けるように、毎週、100枚のクロッキー帳と3枚の絵を制作していました。

モノトーンの作品の簡素な美しさが好きで、4年間、鉛筆や墨で制作をしていたそうです。

 

 

 

 

大学卒業後は、院に進み、制作の幅を出すためカラーでも描きはじめたそうです。

最初は水彩を何層にも重ねて描くという描き方で制作していましたが、

今は、墨とリキテックスを使って描いているそうです。徐々に絵を整理して抜きどころが分かってきたそうです。

 

 

 

 

デザイン科で学んでいた時から、イラストレーションは日々の暮らしの中に自然とあるものだと感じていたそうです。

パッケージのお仕事など、日々の生活の中で見てもらえるお仕事がとても嬉しいそうです。

 

 

人の記憶に残るようなお仕事がしたいという西山さん。

書籍や、雑誌、広告、パッケージなど媒体問わず様々なお仕事がしたいそうです。

優しいお人柄と、説得力のある画力がとても魅力的な今注目の若手作家です、これからの活躍が益々楽しみです!

 

 

 

田口奈津子個展「夢のかけら」

今週の作家さんは田口奈津子さんです。HBでは初めての個展開催となりました。
消しゴムはんこや、切り絵、ぬり絵など多数の著書を出されている田口さん。丁寧なお仕事と、何版にも重なった色彩の美しさをぜひご覧いただきたいです!

 

8年程前から消しゴムはんこに興味を持ち、独学で制作をはじめた田口さん。ブログに日記と共に作品を載せていたところ、出版社の目にとまり消しゴムはんこの本を出版されました。昔から絵を描くのがお好きだったそうで、建築科のある大学へ進学後も、図面や模型などの細かな作業がお得意だったとのこと。
田口さんの消しゴムはんこ熱はどんどんエスカレートし、薔薇の絵やアンティークの図案、小さな文字など、彫るものもどんどん細かくなっていったそうです!

↑ 細かくパーツ分けをし、版を彫った多色刷りの作品。絵によっては30版以上版を重ねることもあるそうです。
消しゴムはんこの制作をベースに、お仕事もどんどん広がっていきました。 切り絵やぬり絵の本の出版、ウォールステッカーデザイン、カードや便箋のデザイン、けしごむハンコの商品プロデュース…など多岐にわたります。

 

 

 

 

今後は、お菓子や紅茶、入浴剤などのパッケージデザインのお仕事もしてみたいそうです。また、ずっと絵本の出版が夢だったそうで、誰かの文章に絵を描いてみたいとのこと。田口さんのやさしいタッチが、子供から大人まで幅広い世代に愛される作品になりそうです!今後益々のご活躍が楽しみです。

 

 

石津亜矢子個展「Days in England」

今週の作家さんは、石津亜矢子さんです。石津さんならではの優しいタッチで描かれた作品をどうぞお楽しみ下さい!

 

 

今回の個展は石津さんが14歳~18歳の時に単身で留学したイギリスでの日々がテーマです。小学校4年生からインターナショナルスクールに通っていたので、はじめから現地でも少しは話せたという石津さん。言葉が通じない事よりも、1人でいる事が不安だったそうです。

 

イギリスでは、食事が合わず、紅茶を飲んだり、好きなお菓子を食べていたそうです。女子寮でルームメイトとの共同生活の中で、友達も出来ましたが、我慢する事も多かったようです。

 

 

イギリスでの生活の中で、徐々に絵を描く楽しさに目覚めた石津さん、学校は自分で選んで3回変わっていますが、最後は美術の専門的な学校で絵を学びました。

 

 

帰国後は武蔵野美術大学に入学して、卒業後はCMの制作会社やエディトリアルのお仕事も経験される中で、イラストレーションのお仕事をしたい気持ちが強くなり、MJイラストレーションズに通ったそうです。MJブックがきっかけとなり、様々なお仕事につながったそうです。

 

 

本が大好きなので、装画や雑誌のお仕事、他にも様々なお仕事に挑戦したいそうです。石津さんの作品は、見ている人をホッとさせるような優しい雰囲気がとても魅力的です。益々のご活躍楽しみにしております!

 

山浦のどか個展「BAGLE PARTY」

今週の作家さんは山浦のどかさんです。HBでは初めての個展開催となりました。
昨年のHBファイルコンペVol.27で鈴木成一さんの特別賞を受賞された注目の作家さんです。
色鉛筆の繊細なタッチで、独自のユニークな模様を描く山浦さん。抽象から具象、さまざまなモチーフに挑戦されました。ベニヤ板を切り出して描いた作品や、四季をテーマにした立体作品など、質感にこだわった楽しい空間となっております。ぜひお越しくださいませ!

「Morning Plate」

 

今回は山浦さんがいつか描きたいと思っていたという”食べ物”がテーマです。抽象画から徐々に具象画を描くようになってきそうですが、なかなか食べ物を描くきっかけが無かったとのこと。しかし、山浦さんご自身に環境の変化があったことで、食べ物への見方が変わってきたそうです。食材の選び方や盛りつけ方、こんな工夫をしたら美味しそうに見えるかも…など、気持ちが自然と食べ物へ向くようになり、今回の作品につながりました。ベーグルのねじり、フルーツのしずる感、食器の光沢や質感など、どんなモチーフを描いても山浦さんの作品と一目でわかるユニークなタッチです。

 

「枕」

 

グラフィックデザインを専攻していた大学生時代。就職活動の息抜きとしてベニヤ板に絵を描き始めたのが、今のタッチになるきっかけだったそうです。光を表現しているもので、色々な人が身近に感じるモチーフとして、髪の毛のキューティクルを描くのに夢中だったとのこと。ベニヤ板は最初は四角いまま描いていたそうですが、自分で形を作った方がおもしろいしと思い、板を切り抜いて描くようになりました。下書きの線にこだわらず、その時の気分で感覚的に切ることも大事にされるそうです。

 

四季をテーマにした立体作品。

 

「Lunch Plate」

 

予備校時代のデッサンで描いていたモノトーンの世界。その頃から光るモチーフがお好きだったそうです。ガラスや貝がら、金属、サテンの布…など、今も光を魅力的に描く山浦さんのテーマの原点がそこにありました。
会場では山浦さんオリジナルのハンカチやブローチなどグッズも充実しております。ぜひお立寄りくださいませ!

7月7日からの特別賞6人によるグループ展もぜひお越し下さいませ!http://hbgallery.com/schedule/index.php?bg=201707

 

 

大久保つぐみ個展「beautiful town 18時」

今週の作家さんは大久保つぐみさんです。ご自身初めての個展開催となりました。
色とりどりのマーカーで、思い思いに色をのせて描く大久保さん。普段は見過ごしてしまいそうな、何気ない日常のワンシーンを描かれました。美しい色彩の原画をぜひご覧いただきたいです!

 

今回の個展テーマは身近な街。ご自身の住む街や、行ったことのある場所を大久保さんならではの視線で描かれました。個展タイトルの「18時」には、季節的に日が長くなってからの18時、まだまだ遊べる明るい夕方のイメージが含まれているそうです。影がのびる様子や、夕暮れ時の空の色を思わせる色彩、光の様子が瑞々しく表現されています。

 

 

植木鉢がたくさん並ぶ玄関、壁がつぎはぎの家、大きな黄色い実のなる庭木、街の掲示板、ゴミ袋が積み重なった集積所…など、住んでいる場所や育った街は違うけれど、誰もが一度はどこかで見たことのある風景。 作品からは、何気ない風景にも足をとめる、大久保さんの視線が感じられます。

 

 

元々は大学で油彩を描いていた大久保さん。その頃から楽しく描ける題材が植物だったそうです。自分の描きたいスピードと画材が合わず、そんな時に描いてみたのがマーカーだったとのこと。下書きをせず、直接紙にインクをのせていくそうです。ご友人のアドバイスがきっかけで現在のタッチになり、楽しくてどんどん作品が増えていったそうです。

 

 

いつかご自身の絵を大きく引き伸ばして見てみたいとのこと。大久保さんが使用しているマーカーは、インクがはやく乾いてしまう点やペン先が細いことから、大きな絵を描くには限界があるそうです。巨大なポスターや広告になったときの絵を見てみたい、とお話してくださいました。舞台がお好きだそうで、宣伝のチラシのお仕事をするのも目標とのこと。本の装画など、まだ経験したことのないお仕事が多いためどんどん挑戦してみたいそうです。今後のご活躍も楽しみです!