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しらこ個展「ひとりでも楽しい」

今週の作家さんはしらこさんです。初めての個展開催となりました。しらこさんならではの穏やかな視点で描かれた日常のひとこま。iPadで制作された作品を木に印刷し展示されています。手で触れて質感を楽しめる演出も!ぜひ会場へお越しくださいませ!

「ひゅ–––ん」

「月の真下の」

ひとりでお茶をしたり、動物と戯れたり、楽しく過ごしている女の子の日常が描かれているしらこさんの作品。自然とひとりのシチュエーションを描くことが多いそうで今回のテーマとなりました。風景はご自分で撮った写真を元に描くことが多く、人物は何も見ずに描かれるそうです。デジタルで制作しているので、印刷はおもしろいものにしようと思った、としらこさん。デジタルで描く人が増え、展示も増えてきているけれど、キャンバスや紙への印刷が主流だなと感じたそう。あえてちょっと変えてみたかったとのこと。

 

「端っこの席が好き」

「ケーキセット(チーズ)」

幼い頃から絵が好きだったというしらこさん、大学時代は建築とデザインを勉強。その後、海外の技法書を読んで、風景画や色彩理論を独学で学ばれたそうです。その後はイラストレーターの木内達朗さんが講師をつとめる青山塾へ1年通われました。青山塾に入ったのは木内さんがいたから、としらこさん。木内さんがアメリカで勉強をされていたことを知り、これまで海外の本を読み勉強していたことが合っているのか確かめたかったそうです。「しらこくんに教えることはもうほとんど無い」と木内さんに言われる程、すでに技術を習得していたそう。絵の具で描く授業もあったそうですが、当時から作品の完成系はデジタルだったため、途中からは授業にiPadを持ち込み描いていたそうです。

 

「寄り道 Ⅱ」

 

「石拾い」

お仕事が増えて来たのは、1年半程前から。売り込みはほぼしておらず、依頼のほとんどはTwitterで作品を見た方からだそうです。装画や児童書、絵本のお仕事が多く、今後も本にまつわる仕事はどんどんやっていきたいそうです。もっと日本での仕事の経験を積んで、いずれは海外の仕事をやってみたいとのこと。behanceも今後もっと活用していきたい、としらこさん。今後の作品も楽しみです。

 

夜久かおり個展「遠い町」

今週の作家さんは夜久かおりさんです。HBでは約3年ぶり、2回目の個展開催となりました。どこか遠くの町の人々や生活を、丁寧に線を紡ぐように描かれました。静かで儚げな世界観が魅力です。ぜひお越しくださいませ!

 

 

どこかにある遠い町…そんなイメージで描かれた今回の作品たち。好きに描いていいと言われたらいつも描いてしまう情景、と夜久さん。その町で生活している人や通りがかりの人を漠然と描き始めたそうですが、背景や小物などの細部の描写から様々な物語が感じられます。

 

 

 

画材は主にボールペン。普段からグレイッシュな紙の色を生かして描かれている夜久さん、今回は赤色と白色をメインに描きたかったとのこと。ボールペンの細かな描写は、木版画のような表情が出るところが気に入っているそうです。

 

現在は文芸にまつわるお仕事が主だそうで、挿絵の連載は3本担当されるなどご活躍中です。これからも挿絵や装画のお仕事はもちろん、まだ経験のない女性誌や生活系のお仕事や広告のお仕事もしてみたい、と夜久さん。人の顔をもっと描けるようになりたいと新たな目標も。今後益々のご活躍が楽しみです!

 

 

きくちまる子個展「名無しの登場者」

今週の作家さんはきくちまる子さんです。HBでは初めての個展開催となりました。きくちさんは昨年末のHBファイルコンペVol.30で仲條正義特別賞を受賞された注目の作家さんです。今回の作品は岩波文庫『イソップ寓話集』のショートストーリーを題材に描かれました。明快な表現が心地良い作品です。ぜひお越しくださいませ!

 

「猫のお医者と鶏」

今回の個展では自分の世界観だけを見せるのではなく、何か題材を元にして表現したかったときくちさん。今回題材にされた岩波文庫の『イソップ寓話』は、人間だけでなく、動物や植物、モノなどが主人公となって会話をするユニークな短い物語が多数収録されています。人間が頂点ではない、それぞれが並列して存在する世界がいいなと感じ、題材に選ばれたとのこと。

 

「鼬と鑢」

 

「太陽と蛙」

PALETTE CLUB、SIS(山陽堂イラストレーターズ・スタジオ)でイラストレーションを学ばれたきくちさん。PALETTE CLUBに入った当時はなんとなく絵が描きたいという気持ちだけだったそうですが、安西水丸さんの授業を受けたことでイラストレーターという仕事を意識するようになったとのこと。水丸さんにもっと絵を見てもらいと思い、山陽堂で開かれていた水丸さんが講師をつとめるSISへ通い始めたそうです。

ここ数年はイラストレーションにこだわらずに、自分で作りたいものを作って過ごしていたとのこと。やっぱり線をひくことが好き、ときくちさん。味わい深い線が魅力です。

 

「榛」

「ナイチンゲールと蝙蝠」

 

「病気の鹿」

HBファイルコンペでは、植物画と線画のユニークな組み合わせが仲條さんの目にとまりました。植物のスケッチをたくさん描いていた時期で、このスケッチを使って何か作品を作りたいと思ったことがきっかけだったそうです。実験的に作っていたものだけれど、自分でもとても良いなと思ったものだったので賞に入り嬉しかった、ときくちさん。デジタル作業だったため、仕上げなきゃという気持ちが無く、遊ぶように絵を作れたことが良かったのかもしれないとのこと。

 

きくちさんが絵と題字を手掛けられた本のお仕事。

夢は子どもたちに見せる仕事をすること。絵本作家・井上洋介さんの絵を見た子どもがゲロを吐いたというエピソードがお好きだそうで、それくらい感受性の強い子供たちにとって、絵はすごく大事なものだなと思ったそうです。そんな子供たちに衝撃を与えるような絵を描きたいとのこと。商業に寄せず、子ども用としてではなく何かを作ってみたい。そういう人とお仕事がしてみたいそうです。そしてずっと描くことを続けていきたい、ときくちさん。

7月にはHBで特別賞6人展も開催。また新たな試みをしたいとのこと!こちらもお楽しみに!

タテヤマフユコ個展「一族」

今週の作家さんはタテヤマフユコさんです。HBでは初めての個展開催となりました。
頭の中に浮かぶイメージを日々アウトプットされているタテヤマさん。「一族」と題された今回は、色鮮やかな世界の中でさまざまな生きものたちが楽しそうに暮らす様子が描かれています。巨大な家系図を描いた新作も見どころです!ぜひお越しくださいませ!

「みんな家族」

血がつながっていてもいなくても、共に暮らせばみんな家族。そんな風に考えるようになったのは、昨年上京してひとり暮らしを始めたことがきっかけでした。ひとりで暮したことで「人は誰かと共有し一緒に暮らすことで安心感や温かみを感じているんだ」と気づき、共に楽しく暮らす幸せな生き物たちをテーマに描かれました。古代の生き物を感じさせるヘンテコな生き物など、じっくりと見入ってしまう不思議で可愛いキャラクターたち。

 

「夜明けを共に過ごす」

「光がすき」

イメージはすぐに頭の中に浮かんでくるそうで、絵や言葉など普段から書き留めているというタテヤマさん。どうしてこんな構図が浮かんできたのか、自分でも不思議に思うことがあるそうです。色はスケッチの段階でコピックを使って着色。その後、絵の具で描き進めていくとのこと。その絵がボツになるのか、発表できるものなのかは最後まで描き終わらないとわからないそうです。

 

「野原の一族」

「ワニと少女」

「おでかけ」

年に数回、個展やグループ展で作品を発表し、精力的に活動されているタテヤマさん。平面作品以外にも、立体作品やオリジナルグッズなど、どれも楽しそうに作られているのが感じられます。イラストレーションのお仕事はこれからだそうですが、ショッピングモールのビジュアルなど、空間演出に興味があるそうです。絵本作りにも挑戦したいとのこと。今後の作品も楽しみです!

 

 

武井智子個展「花と星」

今週の作家さんは武井智子さんです。HBファイルコンペVol.28で鈴木成一特別賞を受賞、HBでは初個展となりました。前回の作品とは雰囲気を変え、新しい色彩に挑戦された武井さんの新作をぜひ見に来てください!

 

「モノローグ」

 

頭の中にある静かでゆるやかな時間の流れる世界のイメージや、ひとりの時間に考えること、ものに感じる存在感などをテーマに作品づくりをされているそうです。ぱっと見では気づかない物事や関係性、変化に気づきにくいけれどゆっくり変わっていくものとして、花と星をモチーフに描くことが多いそうです。作品中に流れる静かな時間を楽しんでいただけたら嬉しい、と武井さん。

 

「花と星」

「face planter(white)」

 

「色のバリエーションがあった方がいい」という鈴木成一さんのアドバイスを元に、新作は以前よりもはっきりとした色彩で描かれ、メリハリのある作品に。色面と線と柄で、要素を絞るよう意識されて描かれたとのこと。見え方は今の方がおもしろいと思う、と武井さん。

 

「face planter(red)」

「people Ⅰ」

「スターゲイザー」

絵のお仕事はこれからという武井さん。装画やCDジャケットを描いてみたいそうです。今後のご活躍が楽しみです!

HBファイルコンペvol.30 審査結果発表!

HBファイルコンペvol.30 審査結果発表!お待たせいたしました。

応募総数552人の中から大賞6名、特別賞6名が選出されました。
受賞者の皆さんおめでとうございます!たくさんのご応募ありがとうございました。
受賞者展は今年の夏に開催されます。どうぞお楽しみに!

一次通過〜最終選考の方もこちらに掲載しております。
http://hbgallery.com/vol/30.html 

 

日下潤一賞 本村 綾

<日下さんコメント>

銅版画のひとは、銅版画の風景が好きなんだ。
それをモチーフにした絵にいやみがない。
カーボランダムという技法がわからないが、
ドライポイントだけではドラマができないのかもしれない。

 

 

 

日下潤一 特別賞 大河 紀

 

 

 

 

 

 

鈴木成一賞 田澤ウー

<鈴木さんコメント>
コントロールのしづらい技法がかえって絵に強さを与え、
同時に説明のしづらさがかえって想像力を喚起する。

 

 

 

 

鈴木成一特別賞 SEIICHI

 

 

 

 

 

 

副田高行賞 副島智也

<副田さんコメント>

男はその絵に釘づけになった。デフォルメの人間。
体の一部がえぐれている。背景の淡いトーン。すべてが新鮮だった。

 

 

 

 

 

副田高行特別賞 大庫真理

 

 

 

 

 

 

仲條正義賞 カワシマナオト

<仲條さんコメント>

毎年気になる作家でした。今年のは特に気に入りました。ありがとう。

 

 

 

仲條正義特別賞 きくちまる子

 

 

 

 

 

 

永井裕明賞 大塚文香

<永井さんコメント>

様々なコトが、スムーズでスピーディな世の中。
ぎこちない旧型のロボットがゆっくり丁寧に愛情を持って描いたような、
ザラッとした感触に惹かれました。

 

 

 

 

永井裕明特別賞 杉山陽平

 

 

 

 

 

藤枝リュウジ賞 湯浅景子

<藤枝さんコメント>

日用品らしきモノを説明的じゃなく描ききる表現力に魅かれました。
この表現力を生かしたヒトも見たい。
自画像のフラガールと虹にその片リンがのぞいてるかな。

 

 

 

藤枝リュウジ特別賞 津田周平

 

 

 

今年はもう一つのコンペ、HB WORKもあります!
応募締切は2/29(土)です。たくさんのご応募お待ちしております!

PASS MARKETからのご応募はこちらから。
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/016i8510ab0ja.html
応募用紙はギャラリ―に設置中です。下記からダウンロードもできます。
http://hbgallery.com/compe.html

高橋あかね個展「Oracle」

今週の作家さんは高橋あかねさんです。HBでは初めての個展開催です。オーストラリア在住の高橋さん、滞在期間中に制作した新作を展示していただきました。広大な自然のような、エネルギー溢れる作品をお楽しみください!

 

「Town or countryside」

今回のテーマには、Oracle=”神の声”のような意味合いがあるそうです。オーストラリアの豊かな自然から受ける偉大なものや、エネルギーを絵にされたそうです。今まではこのようなテーマを持ったことが無かったそうですが、約10ヶ月前にご家族とオーストラリアへ移住したことで、心が開放できるようになり絵も変化したとのこと。現在は庭の一角にアトリエを作り、外の空気を感じながら描いているそうです。汚してもいい環境で、おもいっきり描きたい気持ちがずっとあった、と高橋さん。滞在している町は、かつてヒッピーの町だったそう。住民たちは環境を意識していて、ファストフード店も拒否し、ローカルのお店を大事にしているとのこと。

「Everything goes well」

 

色々な手法を研究したいそうで画材もさまざま。和紙やアクリルガッシュ、オイルパステル、メディウムなど、大きなストロークで思い思いに描かれています。正面の壁にはアボリジニの聖地、エアーズロックを描いた作品も。実際に行ってみると、時間帯や天気で見え方が違っていてとても綺麗だったとのこと。大きな麻に描いたことで、オーストラリアのワイルドな自然を表現されました。

 

パリへ滞在しそこで描いた作品も。その土地その土地で、使う色彩も変化しています。

半年後にはまた違う土地へ移り住む予定だそうで、オーストラリアでも展示をしてみたいと高橋さん。これからも日本や海外で展示を続けて、経験を積んで行きたいそうです。イラストレーションのお仕事はこれから。既存の絵を使ってもらえるようなお仕事をしてみたいとのこと。今後の作品も楽しみです!

和田誠 追悼展

今週は和田誠さんの追悼展です。これまでにトムズボックスやHBで展示した作品や、1970年代にお仕事で描かれた原画、線画や油彩など和田さんの色々なタッチを見ることのできる、盛り沢山の展示となりました。和田事務所秘蔵の本やグッズの販売、一部の作品原画の販売も急遽決定!和田さんの温かい作品たちをぜひ見にいらしてください!

 

「黄金狂時代」

「映画・JAZZ & POPS」シリーズ

1970年代に描かれた作品たち。本の装画やカレンダーの絵など。

 

和田さんの俳画は、HBでの展示では最後に描き下ろしていただいた作品となりました。

「和田誠 追悼展」は1/15(水)まで(1/12(日)休廊、最終日は17時まで)です。お見逃しなく!!

冬期休廊、オンラインショップお休みのおしらせ

まことに勝手ながら、
12月26日(木)~ 1月9日(木)まで、冬期休廊とさせて頂きます。
それに伴いまして、HBオンラインショップの発送業務もお休みさせていただきます。
休廊期間中にいただきましたご注文やお問い合わせについては、
1月10日(金)以降に順次対応させていただきます。
商品発送は1月11日(土)以降となります。商品到着が遅れますことご了承くださいませ。

ご不便をおかけ致しますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

牧野伊三夫展 HB no.18

毎年恒例、ラストの展示は牧野伊三夫さんです。
完成まで4年、牧野さん初の作品集『椰子の木とウィスキー、郷愁』がついに発売です!
これまでのイラストレーションのお仕事の数々、牧野さんと交流のあるデザイナーや編集者などのエッセイ約20編を収録。厳選された1000点の作品が収録されています。読み物としてもオススメな1冊、ぜひお手にとってご覧いただきたいです!

 

 

今年の作品は、屋外でスケッチしたもの、夢に見た世界の記録、日々の暮しの断片など。

 

「夏の緑」

 

「画室詩」

 

「友人たちの歌のために no.3」「友人たちの歌のために no.2」

 

「ビル・エヴァンスのピアノ曲より no.3」

 

「外灯の静寂」

ご自宅から毎日眺めているという、お気に入りの景色。
これからも描いていきたい景色、と牧野さん。

 

 
牧野さんのこれまでが凝縮された味わい深い作品集「椰子の木とウィスキー、郷愁」は、これからイラストレーターやデザイナーを志す方は必見の1冊です! 牧野さんの個展は12月25日水曜日(最終日のみ17時まで)まで。お見逃しなく!