HB Gallery

Blog

副田高行賞 坂之上正久個展「顔色模様」

HBファイルコンペvol.29の受賞者展、第3週目は副田高行賞大賞に選ばれた坂之上正久さんです。初個展となりました。
一昨年は特別賞を受賞された坂之上さん、昨年はがらりと作風を変え見事大賞に選ばれました。無表情な顔からは様々な想像が広がります。原画のユニークなマチエールもお楽しみに!

 

 

前回がHBファイルコンペ8回目の応募だったという坂之上さん。大学生の頃から様々なイラストレーションのコンペに応募されていたそうです。前回、特別賞を受賞できたことで、これまで以上に絵の仕事をしてみたいと思ったとのこと。装画への憧れがあったことから、書店へ行き様々な本を見て研究されたそうです。人物の絵が多かったことから、自分なりに描くことのできる人物画に挑戦してみようと思い、今回の作品に辿り着いたそうです。

 

ファイル作りで意識したことは、群像画や上半身、全身、横構図の絵を入れるなど、ページを開いていく間に変化があるように工夫されたとのこと。ページを開くごとに、モチーフの人数が増えてまた戻る…といったリズムも意識されたそうです。他にも明るく前向きな気持ちになるような絵を描こうと意識されたとのこと。モデルは居らず、何も見ず想像で描くそうです。

 

 

今後も小説の表紙を目指します、と坂之上さん。のびのびとしたタッチが見る側の気持ちをほぐしてくれるような作品たちでした!ぜひお越しくださいませ!

 

 

日下潤一賞 
 上山拓次個展「ハレとケ」

HBファイルコンペvol.29の受賞者展、第2週目は日下潤一賞大賞に選ばれた上山拓次さんです。
昨年、7回目の応募で見事大賞受賞となりました。黒い影には何が描かれているのか…ぜひギャラリーでご覧いただきたいです。上山さんの初個展、ぜひお越しくださいませ!

今回のテーマは「ハレとケ」。民俗学の用語で行事や祭事の「ハレ」とそれ以外の普段の生活「ケ」、日常と非日常をひっぱり出して作品にしようと思った、と上山さん。奇妙なタッチを生かせるモチーフを選ぼうと意識されたそうです。統一的なトーンが嫌だったそうで、ハレとケ、2つの属性が混ざっているモチーフを描いたとのこと。

 

 

 

応募したファイルの作品は、描いた絵を古いコンパクトデジカメで撮影し加工したもの。予想していない色や変な色を拾い、色調を変えるなどして実験的に制作していたものだったそうです。1枚1枚で完結するのではなく直接的ではない、見えないストーリーが出てくるような、ファイル全体で伝わるような絵を目指したそうです。怖くも見えるし、普通にも見える、どこにでもあるものにも見えるように描いたとのこと。自分の中では形が一番重要で、一番の問題、と上山さん。

 

愛知県にお住まいの上山さん。学生の頃からHBファイルコンペに応募されていたそうで、コンペに出し始めたきっかけは、予備校時代の先生でイラストレーターの杉山陽平さんが仲條正義賞を受賞されたことだったそうです。杉山さんも形にこだわる作家さん、上山さんが10代の終わりにとても影響を受けた方なのだそう。昨年の応募でダメだったら最後にしようと思っていたのでラッキーだった、と上山さん。
今後やってみたいお仕事について伺ってみると、「今の作風でできること、イラストレーションとしてどう見えるのか知りたい。 イラストレーションにならないのだったら、この絵は辞めてもいいと思っている」と上山さん。上山さんの探究心を垣間見る作品たちでした!今後も楽しみです。

HB塾第6期生 募集のお知らせ

2016年10月よりスタートしました「HB塾」、第6期生の募集がはじまりました。

この塾は、イラストレーターとしての扉を開けながらも、
入り口で立ち尽くしている人のためのスクールです。
次のステップに進みたいという方々、ぜひご応募ください。

ご参加をご希望の方は、内容をよくご確認の上
ご応募くださいませ。

※クリックで拡大・ダウンロード用データにジャンプします。

(デザイン・イラストレーション: HB STUDIO 藤井紗和)

 

お問い合わせ

HBスタジオ 藤井
hbc@viola.ocn.ne.jp

特別賞展 特別賞6人によるグループ展

今週からファイルコンペvol.29の受賞者展が始まりました!
7月5日から8月28日まで、受賞者の作品を展示致します。第1週目(7/5(金)-7/10(水))は、特別賞に輝いた受賞者6名によるグループ展です。6人それぞれの個性が光る展示をどうぞお楽しみください!

日下潤一特別賞 / 小沢信一
副田高行特別賞 / 小山義人
藤枝リュウジ特別賞 / 丸山礼華
鈴木成一特別賞 / おぎわら朋弥
永井裕明特別賞 / あおい陽子
仲條正義特別賞 / 黒﨑威一郎

 

受賞者のみなさんと、審査員の鈴木成一さん、日下潤一さん

 

日下潤一特別賞 小沢信一
さん http://shinichi-ozawa.com/

 

鈴木成一特別賞 おぎわら朋弥さん https://ogiwara-tomomi.jimdo.com/

 

副田高行特別賞 小山義人さん https://www.yoshito-koyama.net/

 

藤枝リュウジ特別賞 丸山礼華さん https://ayaka-maruyama.com/

 

仲條正義特別賞 黒﨑威一郎さん https://iichiro-kurosaki.jimdosite.com/

 

永井裕明特別賞 あおい陽子さん https://instagram.com/aoi_yoko.03?igshid=3of901su1yvl

 

 

HBファイルコンペVol.30の募集もはじまりました。
今年の小冊子イラストレーションは一乗ひかるさんの描きおろしです!
応募要項・小冊子はギャラリーで配布しております。ギャラリーでのお申し込みのほか、
PASS MARKETからのお申し込みも受付しております!

今年はもう1種類のコンペ、「HB WORK Vol.1」もはじまります!
審査員は川名潤さん、岡本香織さん、尾崎行欧さんの3名です。

http://hbgallery.com/compe.html

↑詳細はこちらから。たくさんのご応募、お待ちしております!

桑原紗織個展「くちぶえ」

今週はHBギャラリーのスタッフでもある桑原紗織さんの展示です。4年ぶりの個展となります、オール新作!モノトーンながら、どこか懐かしいあたたかさのある作品をお楽しみ下さい!

今回のタイトルである「くちぶえ」は、ある国の山深いところで、口笛だけで会話する人々のことを知り、言葉じゃなくても、見ただけで伝わるような絵を描きたいという思いが込められているそうです。

 

色や形を削ぎ落として、原始的で、シンプルな作品になるように心掛けたそうです。
普遍的でシンボリックな作品は、力強くも不思議なあたたかさを感じます。
少しずつ集めた小物をモチーフに制作した作品もあります。普段から気になったものを集めているそうです。どこか寂しげな人形に惹かれるそうです。

最近の絵のお仕事は線画のカットの仕事などで、紙版画での装画や海外文学などもやってみたいそうです。
版画だと制作に時間がかかりそうなイメージがありますが、実際には、そんなに時間はかからず、修正対応も出来るとの事でした。版画のお仕事も増えていきそうですね!展示は7月3日まで、お見逃しなく!

HB FILE vol.30&HB WORK vol.1

新しいこと、変わらないこと、これからのHBコンペ

 

 

HBFILEコンペは今年で30回を迎える事が出来ました。

今まで多くの方にご応募頂き、ギャラリーにも良き出会いがたくさんありました。

これからも続けていけたらと思っております。

 

その上で、日々変化するイラストレーターの現状を感じ、

もっと直接的にイラストレーターの助けになるようなコンペを

立ち上げたいと以前から考えておりました。

 

 

HBWORKコンペは、受賞者にお仕事の発注がいくコンペです。

また今回、ギャラリーとしては初めて、データでの作品募集となります。

 

応募要項のイラストレーションは、今もっとも勢いのある一乗ひかるさんの

お力をお借りしました。

 

SNSを使いこなす新世代の作家の方や、既に活躍していて新規開拓したい方も

ぜひお気軽にご応募頂ければ嬉しいです。

 

立ち上げたばかりで整っていない所もあるかと思いますが、

新しい試みにワクワクしています。

 

一緒に作り上げるような気持ちで、ご応募頂けたらとても嬉しいです。

 

先行でこちらのパスマーケットに詳細をUPしました。

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/016i8510ab0ja.html

小冊子とギャラリーのHPの応募要項は近日中に公開します。 

 

たくさんのご応募お待ちしております!!

 

佐野みゆき個展「家の事」

今週の作家さんは佐野みゆきさんです。初個展となりました。
台所まわりや使い慣れた調理器具、食べ終えた食卓、晴れた日の洗濯物…など、普段の何気ない生活の風景を描かれている佐野さん。光や空気感を丁寧に捉えた、存在感ある作品たちです。ぜひ原画をご覧いただきたいです!

 

 

 

佐野さんの穏やかな暮らしぶりが感じられる今回の作品たち。一度写真に撮ってから、アクリルガッシュで描かれているそうです。水彩絵具で描くように、薄く塗り始めて少しずつ重ね塗りをしていくような感覚で描くとのこと。描いているときは、あまり何も考えていないそうですが、出来上がったものを見てしばらく経ってみると、何でもない日々を描いているけれど、そういう日々も案外悪くないんじゃないかと、自分の絵を見て思えたという佐野さん。そんな気持ちが嬉しくて、枚数を重ねていくことが出来た気がする…とのこと。

 

 

 

京都精華大学洋画コースで学ばれた佐野さん。在学時は油彩でアニメーションを制作されていたそうです。卒業後は、アニメーション制作会社へ就職し、現在はフリーランスのアニメーターをしながらイラストレーターとして活動中。元々は写実的なタッチではなかったそうですが、約2年前に山田博之さんのイラストレーション講座へ通われたことがきっかけで現在のタッチになったそうです。色々な画風の中から、山田さんが評価してくれたのは、素直に描かれた何気ないトーストを描いたものでした。

絵で食べていくことは、ストイックさや才能、尋常ではない集中力が必要だとどこかで思っていたという佐野さん。でも今は、ラジオを聴きながら、ダイニングテーブルで絵の具を広げて、軽い気持ちで描いている。そういうものが少しずつ評価されたり、お仕事に繋がったりすることが少しだけ見えてきて嬉しいそうです。

 

 

一生に一度は個展をやってみたいと思っていたという佐野さん、なかなか踏み出せなかったそうですが、やろう!と今回思い切って挑戦されたそうです。先日、初めて小説の扉絵を描くお仕事を経験。その後も装画のお仕事が続いたそうで、いい流れが来ているようです!本の装画や文芸にまつわるお仕事、婦人系雑誌や広告のお仕事などに興味があるとのこと。今後のご活躍が楽しみです!

 

 

マツキナオキ個展「atmosphere」

今週の作家さんはマツキナオキさんです。初個展となりました。
アパートの電灯、自動販売機の光、老舗テーラー店の灯り…など夜になると浮かび上がってくる街の灯りを描かれました。実際にマツキさんが見た景色や、行ってみたい廃墟の光景を、臨場感溢れる筆致で描かれています。お楽しみに!

 

「久が原 — 雨の住宅街」

atmosphere = 空気感
普段からどんなモチーフを描くときにも「空気感」や「雰囲気」を大切に描かれているというマツキさん。今回の初個展ではそれらの大事にしているものを自己紹介代わりに、夜景をテーマに描かれました。やわらかなコントラストが美しいマツキさんの作品、暗い画面の中に最後に光を描き足すところが楽しいそうです。途中までは「これでいいのかな」と思いながら描き進めるそうですが、光を描き入れて絵が浮かび上がってくると「あ、これでいいんだな」と嬉しくなるそうです。原画はその場に居た空気感や、実際に目で感じた光の感覚がそのまま映し出されているような豊かな表現力です。

 

「大森 — 団地前の電話ボックス」

 

「久が原 — アパート前」

普段はITエンジニアとして会社員をされているマツキさん。お勤め帰りに週1回、街の絵画教室に約10年間通われていたそうです。教室では、人物デッサンや静物デッサンを中心にアクリル絵の具で描かれていたとのこと。雑誌『ILLUSTRATION』を読み、絵画的な表現をイラストレーションに生かせることができるんだと思ったそうです。1年半前にイラストレーターを目指し、山田博之さんの塾へ通い始めます。塾での課題がきっかけで夜景を描くことが楽しくなり、今回の個展テーマとなりました。夜に自転車で取材に行き、朝4時に起床し1時間半ほど描いてから会社に行く…という日々だったそうです。

 

「蒲田 — 池上線ホーム」

「洗足池 — 灯籠流し」

 

イラストレーションのお仕事はこれからというマツキさん。装画など本にまつわるお仕事に憧れがあるそうです。すぐにお仕事に繋がりそうな力作揃いです!ぜひ見に来てください!

 

「久が原 ― アパート前」

「金沢 — 閉店後の洋品店」

扇谷みどり個展「乙女百景」

今週の作家さんは扇谷みどりさんです。ご自身初めての個展開催となりました。
野球やブランコ、釣りに七輪焼き…好きな服を着て思い思いに楽しむ、元気いっぱいな女性たちが登場します。ぜひお越しくださいませ!

 

着飾った女の子たちが少し変わったことをしている扇谷さんの作品。普段女の子たちがやらないようなことや、やらせてみたいアクション、スポーツする姿を描いているそうです。ただ描くだけだと男っぽくなるところを、色とりどりの服で女性らしくカバーしているとのこと。透けた服がお好きだそうで、レースや編み目の大きなニットから覗く服の色もポイントに。
描かれた女性の国籍もさまざま。ある時、ゲームのキャラクターを見ていると、様々な人種が登場していることに気がついたそうです。髪が金色の人、肌が茶色い人、肌が白い人。自分は白い肌の人ばかり描いていたなと気づき、今回新たに描かれたそうです。

桑沢デザイン研究所でパッケージデザインを学ばれていた扇谷さん。就職後は様々なイラストレーションコンペに応募されていたそうです。サマーニットを着てワカサギ釣りをしている女の子の絵が、大島依提亜さんのチョイスで見事入選に選ばれました。その後はTIS公募展で金賞を受賞されるなど、いま注目の作家さんです!
服がお好きだそうで、まず服を描ける構図を考えることから始まるそうです。着ているもので女の人の個性が出る気がする、と扇谷さん。

 

 

絵を描くこと以外では、自転車で遠出するのがお好きだそうで、四国と本州を結ぶ、全長75kmのしまなみ海道を横断されたご経験もあるそうです。オリジナルの絵にも自転車をこぐ女の子が多く描かれ、その絵をきっかけに『偽姉妹』(山崎ナオコーラ 著)の装画のお仕事に繋がりました。物語を読み、新たに描き下ろしたそうです。デザインは大島依提亜さん。

 

服の柄やニットの編み目を描き込むことが楽しい、と扇谷さん。ファッション関連のお仕事も今後やってみたいそうです。アクティブ系の活動そのものをアピールするような、楽しいイベントの広告など、外へ出て何かしたくなるようなビジュアルも描いてみたいとのこと。今後益々のご活躍が楽しみです!

 

川﨑真奈個展「風の音」

今週の作家さんは川﨑真奈さんです。HBでは約2年半ぶり、2回目の個展開催となりました。
うたたねをする午後、海辺のサイクリング、チェリー入りのレモンスカッシュ。ゆったりと心地のよい時間が感じられる作品たちです。お楽しみに!

「うたたね」

今回のテーマは、風を感じるような心地よさ。静かな佇まいの人物と温かな色彩が魅力です。描くモチーフは日頃から気になったものは写真に撮り、資料としてストックしているそうです。実在する人やモノをモデルにしても、描いていくうちに全く違う方向へいくことが多いそう。描きたいと思う人がいると描きやすく、そこからまた発想が出てくるのだそうです。

 

「空風」

「セーターはネイビー」

2年半ぶりの個展。またやってみようと思ったきっかけは、仕事の絵は描いていたけれど、作品として向上させる機会はある程度、定期的にあった方がいいなと思ったとのこと。前回の個展をした後は、しばらく展示はせずに仕事を増やす方向に集中しようと思ったそうですが、期間をおいてみると、作品を通して自分を見つめ直したり、オリジナルの作品を描くことが無くなってしまったそうです。

「彼女の部屋」

展示することによって、また初心に戻ることができる気がするとのこと。のんびりしている性格だけれど、個展というハードルを設定してある程度追い込まれる…、自分に課す、という気持ち、と川﨑さん。売り込みは個展を開催することのほか、展示した絵を冊子にし、デザイン会社や出版社へ少しずつ送っているそうです。今までやったことのない広告のお仕事やファッション関係のお仕事もやってみたいそうです。丁寧に描かれた作品の数々、ぜひご覧いただきたいです!

「注文の多い料理店」