今回ご紹介するのは、2025年1月24日から29日に個展を開催された中尾正風さんへの展示インタビューです。
走る人、座る人、枕を投げる人…様々なポーズの「人」が、
1枚の画面の中に所狭しと描かれ、訪れたお客様を魅了しました。
展覧会の様子をインタビューと共にお届けします。
展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

-中尾さんは初めての個展となりますが、
これまでも圧倒的な描写力で、食べ物や風景など、
多種多様な題材を、様々な表現で描き分け、
ご自身のInstagramで発表されてきました。
今回の個展作品は、述べ2700人以上の「人」を約半年間かけて描かれたそうですね。
中尾さんがたくさんの「人」をモチーフに選ばれた理由を教えてください。
動物としての「人」が好きなんです。
人は喋りだすと嘘をついたりしますが、言葉を除外すると人の本質が見えて、動物のように見えてくるのが好きです。
どんなにカッコつけてる人や、偉そうな人も、
みんな必ずどこかにダサい部分や、隠しきれない癖みたいなのがあって、
そこが人としての最高に愛くるしい部分だと思ってます。
渋谷スクランブル交差点のライブ映像をYouTubeで観ながらお酒を飲むのが好きなのですが、
日頃から人を俯瞰で観察してることが多い気がします。

- 一見するとアナログで描かれたかのような中尾さんの作品は、全てデジタルで描かれています。
中尾さんがデジタルで人を描き込む際に意識されていることなどがあれば教えてください。
めんどくさいと思うところまで描き込まないことを意識してます。
デジタルは修正ができてしまうので、キリがないんですよ…。
一時期けっこうリアルな絵も描いていたのですが、神経質で細かいところまで気になる性格なので、
10時間くらい平気で描き続けてました。
それはそれでゾーンに入れる感じが楽しいし、お仕事としては大歓迎なのですが、
それだけになると知らないうちに疲弊して、長い年月は続けられないなと気づきました。
なのでオリジナル作品は自分が描いていて、「手」が気持ちいいと思うところまでで止める。それ以上は描かない。
そうやって美味しいとこ取りをしたので、今回の個展は2700人を超える数の人を描けました。
絵をご覧になったお客様には「リアル過ぎず、ゆる過ぎず、丁度いい塩梅」
というようなポジティブな感想をたくさんいただけたので、これで良かったんだなと思いました。

- 中尾さんはイラストレーター山田博之さんが主催される塾でイラストレーションを学ばれたそうですね。
山田さんからはどのようなアドバイスを受けましたか?
塾に通う前と後で、中尾さんの作品制作にどのような変化がありましたか?
山田さんのアドバイスの中で、1つ挙げると「仕事を意識するな」ということです。
僕は今まで仕事に繋がるように色々な人の絵を参考にして組み合わせながら、
「唯一無二の絵のタッチ」を模索していたのですが、
山田さんに「これ、仕事を意識して自分に嘘ついてる絵だよね」と一瞬でバレてしまって…笑
仕事を意識して他者の目を気にして絵を描くと、だんだんと辛くなっていくんですよね。
それからは、勉強という意味では全く他人の絵を見ないようになりました。
自分の描きたいモチーフを素直に描きたいように描いてます。
今は「普通だけど既視感がない絵」を目指しています。

-中尾さんが今後挑戦されたいお仕事や活動、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。
今後もオリジナル作品は「今描きたいもの、惹かれるもの」を描き続けていきたいので、
自分の絵から滲み出る匂いみたいなものを魅力と感じる方と出会えたら嬉しいです。
そして自分を見つけてくださった方には、お好きなように自分の絵を料理していただきたいと思っています。

インタビュアー 須貝美和
2025年2月4日 12:45 PM |
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年始を飾る展覧会は中村雅奈さんです。
優しい夜の草木や花々、圧巻の原画を是非会場でご覧下さい!
作品は会場でもオンラインでも販売中です!
http://hbgallery.shop-pro.jp

「ドローイング・ソテツ」(額付き) ¥75,000-(税込)

「ドローイング・バナナ」(額付き) ¥75,000-(税込)

「テッポウユリとねむる」(額付き) ¥75,000-(税込)

「タコノキのおばけ」 ¥150,000-(税込)

「東京の土にいるようせい」 ¥150,000-(税込)

「はっぱにとけていく」 ¥150,000-(税込)

「ソテツにかくれる」 ¥150,000-(税込)
中村雅奈個展「はっぱのおどり」は1/15(水)までです。(最終日のみ5時まで)
お見のがしなく!
2025年1月13日 4:17 PM |
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今回ご紹介するのは、2024年12月20日から25日に個展を開催された本田亮さんの展示インタビューです。
厳しい冬の寒さとは対照的に、本田さんの描く温かな作品は、
心地よい陽だまりのように会場全体を包み込み、
その優しい空間で、訪れるお客様は自然と笑顔があふれていきました。
会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!
展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/?pid=184142536

ー本田さんは2回目のHB個展です。
前回の個展「英国のメトロに揺られ僕は見た」(2023年2月)では
本田さんが思春期を過ごされた、英国ニューカッスルを走る都市鉄道メトロでの体験や思い出を絵にされ、
直筆のエッセイと共に展示されました。
今回の個展ではこの時期にぴったりのクリスマスをモチーフにした展覧会です。
本田さんのクリスマスへの想いや、今回の個展を通して表現されたかったことをお伺いできますか。
今回の展示期間が12月20日から25日ということもあって
クリスマスを題材にするのは自然な思いつきでした。
私は小さい頃からクリスマスが好きで、25日の朝を心待ちにしている子でした。
大人になった今でも、変わらずこの時期は浮き足立ちます。楽しいことがある気がするんです。
ただ社会のほうに目を向けてみると、
どんな人にだって何かしらの事情があることがわかります。
クリスマスを楽しいものにしよう、という社会の気持ちは
そんな様々な事情がある人によってできあがっている気がします。
折り紙で飾り付けられたコンビニの店内も、
サンタ帽を飾ったスーパーの店員さんも、
個人的な事情などを抱えながら、クリスマスをみんなでつくっているのだと思います。
今回の展示では、クリスマスを描きつつ、でもそれより表現したかったのは、
絵の中の人物ひとりひとりの普段の暮らしだったのかもしれません。

-会場ではイラストレーションの作品と共に
絵に関連した焼き粘土による陶器の作品も展示されました。
本田さんはこれまでも陶器のような立体作品を制作されていたのでしょうか。
今回の個展で展示されようと思われた理由やきっかけはありますか。
焼き物の立体作品というのは今回はじめてでした。
今回の展示は、平面だけの作品群にしたくなくて、物として絵の内容を表現したいと思ったんです。
クリスマスだからちょっとオーナメントっぽさも演出できるかな、と。
以前HBギャラリーさんで個展をされていた、いちろうさんの絵が僕は大好きなんですが
いちろうさんが作られる陶器作品に刺激されたところもあります。

-会期中に開催された似顔絵イベントは予約が一杯となり、
大好評につき追加イベントまで開催されました。
お相手の似顔絵を15分という限られた時間で完成させるにあたり、
本田さんが意識されていることなどは何かありますか?
私のは、似顔絵とは言いつつ、お客さんの顔を描くというのではなくて
その人の好きな過ごし方や思い出をイラストにして描いております。
15分という時間は短いので、早い段階で絵の内容を決める必要があります。
当たり前ですが会話をしないと絵が描けないので、まずヒアリングをすることから始まります。
好きな時間や、幸せを感じる場面って、やっぱり日常の何でもない時が多いようです。
ただパートナーと食事をしているときや、ただ椅子に座って編み物をしている。
そういう普段の場面を選んで描くと、喜ばれることが多い気がします。
ヒアリングの中での質問でも、普段はどんなことをされているのか、
習慣や日常を教えてもらって、それをそのまま絵にすることが多いですね。

-本田さんの今後の展示予定や、
今後挑戦されたいこと、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。
2025年はふたつ個展をさせていただく予定です。
毎回個展では絵を描き下ろすことにしているので、
今回も新たなテーマで表現できればと思っています。
今後は、児童書だったり、絵本の仕事を増やしていきたいと思っています。
イラストのお仕事も変わらず、これまで以上にやっていきたいのですが、
同時に、自分の名前で物語を表現したいと考えるようになりました。
文章を書いたり、文章で悩んだり、そういう時間に価値があると思うようになった為です。
子供が想像したこともないような世界を文と絵で見せたいし、
ワクワクしてもらえる作品を作りたいと思っています。

インタビュアー 須貝美和
2025年1月13日 1:04 PM |
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今週の作家さんは津田周平さんです。
真夜中の消し忘れのテレビの光、 ぼんやりと暗闇の中に宿る暖かな懐かしさ、
混沌とした津田ワールドをお楽しみ下さい!
作品はHBギャラリーのオンラインショップでもお求めいただけます。

「1」(額付き)¥88,000-(税込)

「2」(額付き)¥35,000-(税込)

「3」(額付き)¥35,000-(税込)

「6」(額付き)¥35,000-(税込)

「13」(額付き)¥65,000-(税込)

「14」(額付き)¥60,000-(税込)

「9」(額付き)¥70,000-(税込)

「15」(額付き)¥70,000-(税込)

「16」(額付き)¥70,000-(税込)
津田周平個展「また明るくなってきた」は12/18(水)までです。(最終日のみ5時まで)
お見のがしなく!
2024年12月16日 3:50 PM |
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今週の作家さんは原倫子さんです。
ホリデーシーズンにぴったりな温かみのある作品を是非会場でお楽しみください。
作品はHBギャラリーのオンラインショップでもお求めいただけます。

「犬たちは光りはじめる」(額付き)¥100,000-(税込)

「仕事を終えて」(額付き)¥100,000-(税込)

「Hope(チーター)」(額付き)¥28,000-(税込)

「Hope(アイランド)」(額付き)¥28,000-(税込)

「Hope(たんぽぽ)」(額付き)¥28,000-(税込)
原倫子個展「縷縷綿綿」は12/11(水)までです。(最終日のみ5時まで)
お見のがしなく!
2024年12月9日 3:00 PM |
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今週は毎年恒例のココ・ファーム・ワイナリーさんとの企画展、収穫祭です。
今年のワインラベルは堀口忠彦さんに制作いただきました。
会場にて作品をお買い上げ頂いた方には先着で
堀口さんラベルのココファームワイナリー収穫祭ワインを1本プレゼント致します!
可愛らしい作品とワインをお楽しみ下さい!
展示作品はHBギャラリーオンラインショップでも購入いただけます!

「高い山」(額付き) ¥60,000-(税込)

「守りたいもの」(額付き) ¥68,000-(税込)

「何か?」(額付き) ¥78,000-(税込)
「猫の肖像」 (額付き) ¥66,000-(税込)
「花の子」(額付き) ¥60,000-(税込)
ココファームワイナリー収穫祭「堀口忠彦展・2024」は12/4(水)までです。(最終日のみ5時まで)
ぜひお立寄りくださいませ!
2024年12月2日 12:20 PM |
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今回ご紹介するのは、2024年11/8~13に個展を開催された霜田あゆ美さんへのインタビューです。
絵の具や切り絵など、様々な方法で制作された作品で、素敵に会場を彩ってくださいました。
特にアップリケの作品はとても可愛らしく魅力的です。
個展タイトル「あんのんと暮らす」に込められた思いもお聞きしました。
会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!
展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
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ー個展「あんのんと暮らす」では
毎日が平穏に過ぎていきますようにという霜田さんの気持ちが込められた作品が
絵の具や刺繍作品、切り絵など、様々な手法を用いて制作されています。
霜田さんが個展のタイトルにあるように、
「出来るだけあんのんと暮らしたい。」
という想いに至った経緯や理由をお伺いできますか?
まあ、ニュースなんかを見ていると暗澹たる気持ちになるじゃないですか。
環境問題も不安だし、災害も多いですしね。
こんなのんきな絵をいつまで描いていられるんだろう?と
遠い目になったり、いや、こんな絵を描ける安穏な暮らしを大事にしなくちゃ!
なんて鼻息荒くなったり。
…ということで「安穏」をひらがなにしてマイルド(?)なタイトルにしました。
ー展示会場では霜田さんが装画を担当された、
いしいしんじさんの小説「ぶらんこ乗り」のアップリケによる刺繍作品が展示されています。
この時に初めてこちらの技法で仕事をされ、
当時はまだアップリケに苦手意識をもたれていたそうですね。
「今年とつぜん好きになりました」とおっしゃる霜田さん。
苦手だった時と現在では霜田さんの意識にどのような変化があったのでしょうか?
意識の変化というより、老眼が進んだという身体的な変化がきっかけでしょうね。
老眼の進み具合と同時に、いろんなことが「だいたいこんな感じでいいや」という心境になりまして。
アップリケの縫い目も雑でいいのでは?と思ったら、急に楽しくなりました。
布を大まかに切ってまち針で軽く止め、縫いながら形を決めて行ったらストレスがなかったんです。
そもそもわたしは、メキシコとかラオスの雑貨、こどもの絵の「下手さ」が好きなんですね。
それなら自分の絵も「下手」がいいじゃんと。
好きなことをやったほうが楽しいですしね。
ー霜田さんは画家のアンリ・マティスがお好きで、
絵の具やコピックでマティス作品の模写もされていますね。
霜田さんがマティスを好きになられたきっかけは何でしたか?
作品を制作する上で、マティスから影響を受けたことはありますか?
わたしは美大や専門学校の出身ではないのですが、画材店に就職しました。
それがちょっとコンプレックスで、暇な時間にお店の本棚の美術書を開いて見ていました。
お店には展覧会のチケットがよく送られてきていて、じゃんけんに勝ってマティス展のチケットをもらい観に行きました。
そこでマティスの絵は好みだと気づきました。
28歳で安西水丸さんの教室に通うようになってから、好きな絵の模写がいちばん勉強になると知りました。
コピックは会社のオリジナル商品で身近だったので、社員割引で買ってずいぶん使いましたよ。画材店で働いて良かったです。
マティスの色づかいや筆のタッチは取り入れたいなあと思って、時々画集を眺めます。
ー霜田さんが今後挑戦されたいこと、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。
やりたいな思うことは割りとすぐやってみるほうで、手法はずいぶん広げてしまったので、
次に個展をするとしたら、テーマとか絵のモチーフで何か挑戦してみたいかな?
イラストレーターとしての展望…うーん、絵を頼まれて答えをだすのに精一杯、って感じです。
でも、最近は仕事もなるべく気楽にやろうと思っています。
インタビュアー 須貝美和
2024年11月16日 1:30 PM |
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今回ご紹介するのは、2024年11/1~6に個展を開催された山口志のぶさんへのインタビューです。
四季を感じる蜜蝋画で制作された作品で、素敵な展示空間にしていただきました。
蜜蝋画ならではの独特のテクスチャはずっと観ていたくなります。
以前は違う画材で制作されていた山口さん。
蜜蝋画を始められた経緯もお聞きしました。
会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!
展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
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ー山口さんは2回目のHB個展となりました。
2022年3月の個展「蜜蝋と版画」でも
蜜蝋を使った版画作品を展示されましたが、
今年の個展は前回の版画形式とは違う技法とお聞きしました。
具体的にどのような点が異なるのでしょうか?
前回の技法は紙とアイロンを使った版画技法で今回の作品は木製パネルに描いた作品を加えました。
大きく違うのはアイロンを使わずパネルに描いたそのものが作品になるところです。
紙技法は紙に溶かした蜜蝋を薄く塗り、ニードルなど鋭利なもので引っ掻いて絵を描き、その溝に絵の具を擦り込みます。
できたらその上から別の紙を重ね上からアイロンをかけます。
すると余分な絵の具と蜜蝋が重ねた紙に吸い取られ、溝にすり込んだ線だけが残ります。
パネル技法はまず下地を塗り、そこに溶かした蜜蝋を塗って引っ掻いて絵を描きます。
ここまでは同じですが、パネルの場合はこれが作品となります。

ー山口さんが今回の個展「蜜蝋画と四季」で、
四季をテーマにされた理由をお伺いできますか。
昨年蜜蝋画で初めていただいたお仕事がカレンダーでした。
それまでも蜜蝋画でカレンダーを作っていたのですが、植物や食材など季節のものが表
現しやすい技法でした。
そして近年の異常気象によって日本の四季がなくなりつつある中で、改めてそれぞれの
季節を大切にしたいと言う願いを込めて今回の展示を開催しました。

ー山口さんは電線や路地をモチーフに
これまでの個展でも風景画の作品を発表されてきました。
リキテックスとペンで数々の風景を描かれてきた山口さんが
蜜蝋画を始められたきっかけは何でしたか?
また、山口さんが感じる蜜蝋画の魅力を教えてください。
イラストレーターはお仕事上クライアントさんの意向を反映するために思うように描かなければなりません。
実際私も考える通りに絵を描いてきました。
でもそうなるとやはり表現がパターン化して面白みもなくなってきます。
それに比べ蜜蝋画は使い慣れないニードルや描き慣れない蜜蝋の質感、
そしてアイロンや色付けなど全て出来上がるまでどのようになるか分かりません。
思うように描けないのが面白いと感じました。

ー会場でも展示されている、
片山鋲螺工業株式会社さんの今年のカレンダーのお仕事では
ネジやボルトなど、企業が製造されている製品が、
季節のモチーフと共に山口さんの蜜蝋作品で見事に表現されています。
これまで描いたことのないモチーフを、ご自身の世界観で表現するために、
山口さんが工夫されたことや、逆に苦労されたことなどはありますか?
ネジを描くのは非常に面白かったです。
いいモチーフだなと思いました。
どの月にどのネジを使うか被らないように考えるのは大変でしたが楽しみながら作業できました。
一度に描いてしまうと修正が効かないので線、色、背景を全てバラバラに描きパソコン上で重ねるといった工夫もしました。
あとは印刷の段階で微妙な蜜蝋の色合いを出してもらうのも大変でした。
その甲斐もあって、大変好評で増刷されたとか。
嬉しいことです。

ー山口さんは2026年に銀座で個展を予定されているとのこと。
今後の画家としての活動はもちろん、
イラストレーターとしての展望などもお聞かせください。
とにかく蜜蝋画は原画を見てもらいたいと思いました。
あの独特の柔らかい質感は印刷や画像ではなかなか伝わりにくいと思います。
なので蜜蝋画は原画を楽しんでもらいたいと思い販売目的で画廊を選択しました。
蜜蝋画の素晴らしさを伝えつつも、イラストレーターとしてもまた違った伝え方をできればと思います。
要するに欲張りなんですよー。

インタビュアー 須貝美和
2024年11月9日 1:10 PM |
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今回ご紹介するのは、2024年10/25~30に個展を開催されたタムロアヤノさんへのインタビューです。
タムロさんはHBでは2年ぶりの個展開催となりました。
オイルパステルや油彩で描かれた可愛らしくも力強い作品たち。
活動の幅をどんどん広げていらっしゃいます。
現在の画風になったきっかけや、今後の展望をお伺いしました。
会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!
展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
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ータムロさんは2年ぶり2回目のHB個展となりました。
2022年の初個展以降、アートフェアへの出展や日テレ「THE ART HOUSE」などのメディア出演、
今年の8月には「Independent Tokyo 2024」でグランプリを受賞、
10月にはアパレルブランド「Elura 」とのコラボ商品発売など益々活動の幅を広げてらっしゃいますね。
タムロさんご自身はこの2年間を振り返ってご自身の心境や制作などに何か変化はありましたか?
とてもワクワクするお仕事が増えました。商品パッケージだったりコラボとしてテキスタイルの柄になってお洋服や雑貨アイテムになったり。
また大きな商業施設のメインビジュアルなども任せていただけるようになり、
広がりや影響力のあるご依頼が増えたことをとても嬉しくありがたく感じています。
また最近は商業のお仕事だけでなく作家として自分の作品を制作することに意欲的になっています。
今後も展示や原画販売などの方向を増やしていくつもりです

ータムロさんは木製の板にオイルパステルと油絵で着彩した上で、
彫刻刀で画面を削り、凹凸を加えて描かれてらっしゃるそうですね。
タムロさんがオイルパステルや油絵具を使われるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
これらの画材が可能にしてくれる表現とは何でしょうか?
また、彫刻刀で画面を削ることはタムロさんにとってどんな意味がありますか。
オイルパステルを使うきっかけは子どもができたことです。デザイン業はしていましたが自分の絵を描くという行為からは数年離れていました。
そんな中、パステルを使う息子と一緒に自由にグリグリと描き始めたのがこの画材と出会ったきっかけでした。
パステルはマットな質感ながらも色の発色が美しく、画面の隣り合う色との関係性を大事にしている私にとって最高の画材です。
また彫ることは絵のポイントを作ると同時に命を吹き込むという意味もあります。
地元が南大阪ということもありだんじりが盛んな町です。だんじりには繊細な彫刻が施されており神に捧げるもの、
そして魂を彫り込むという意味があると聞きました。そういったところから影響されていることもあり、
彫るという行為は私にとって作品を仕上げる上で大事な工程です。

ータムロさんの作品には猫が頻繁に登場されますが、
猫が描かれている作品の売上の一部を保護猫支援のために寄付される活動をずっと続けてらっしゃるそうですね。
タムロさんが保護猫を支援されようと思われた経緯などをお伺いできますか?
以前から絵を描くという行為は自己完結、自己満足の要素が強いと感じていました。
その上で自分が絵を描くということを通して何か意味のあることをしたい。社会に還元できることはないかと思っていました。
そんな中、身近に保護猫の支援をされている方と出会い、まだまだ困っている、苦しんでいる保護猫・保護犬がたくさんいることを知りました。
そんな経緯から自分の絵が周り回って何かに役に立つサイクルを作りたいと思うようになりました。
またその方が自分が絵を描く意義が生まれると感じ今に至ります。

ー今後挑戦されたいお仕事や活動、
タムロさんの今後の展望などをお聞かせください!
もっと海外での展示にチャレンジしたいと思っています。
この2024年の11月に韓国で展示できる機会に恵まれました。その経験を経て
さらにもっと大きな作品を仕上げ自分がどこまで飛べるか、自分の作品がどこまで届くかを試してみたいと思ってます。

インタビュアー 須貝美和
2024年11月2日 11:59 AM |
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今回ご紹介するのは、2024年10/18~10/23に個展を開催された中村隆さんへのインタビューです。
ボールペンで作品を制作されている中村さん。
中村さんならではの精密だけれども穏やかな作品に魅了されるお客様がたくさんいらっしゃいました。
会場では制作風景の動画が流され、じっくりとご覧いただけます。
会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!
展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
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ー今年は3月のHOBONICHIのTOBICHI 東京を皮切りに
4月、韓国ソウルのAUGHT Books&Arts、
5月、TOBICHI京都と個展が続きましたが
数々の企画展を開催されている中で、
自らHBで個展をされることを決意されたのはなぜでしょうか?
新作で個展を、というのが自分のここ何年かのやりたいことだったので、
実はわりと他の企画展が決まるよりも先に今回の個展の予定を
自分でお願いして決めていました。
さらに言えば、まだギャラリーをお願いしていない、
前の個展の終わった後からわりとすぐに、
いつかまたやるだろうからと個展用の絵は描き始めていました。
描くのは本当に早くないので、
準備だけは早めに始めていました。
ー会場でも展示されている
中村さんがイラストを担当された「ちょっと贅沢な珈琲店®EVERBLACK®」が、
2024日本パッケージングコンテスト贈答品包装部門賞を受賞されました。
お仕事の作品もアナログで制作をされてらっしゃいますが、
納期までに作品を仕上げるために、
何か工夫などはされているのでしょうか?
展覧会のために描く絵と、お仕事で描かれる絵では、
中村さんの意識にどのような違いがありますか?
仕事では納期も制作内容もゴールがわりとハッキリしていることが多いので、
そこへ向かってできるだけまっすぐ進めていく感じのことが多いです。
オリジナルは本当に予定外のことを描きながら取り入れて、寄り道も多く、
失敗しても自分の責任だけでいいというような気持ちで描いていく感じです。
また仕事では、納期が短ければサイズを小さめに描いてそれをデータ上で大きくして使っていただいたり、
時にはパソコンのデータ上で、前に描いた絵の線や点の模様をスクリーントーン的にはめ込むことで制作時間を短くしています
、、と言いたいところなのですが、パソコンがあまりうまく使いこなせておらず、逆に時間がかかったりすることもまれにあります。
あとはラフをなるべく早く描いて、その分の時間を本番の制作時間に回すくらいです。
ー日本全国のみならず、海外でも作品を発表されており
世界中にファンがいらっしゃる中村さん。
今後はどのような活動をされていきたいですか?
中村さんの展望をお聞かせください。
絵で食べていくことが昔から展望とも言えない展望なのですが、
あまりそこは変わらないですし、仕事の依頼は今も波もあります。
でも、仕事がない時はオリジナルの制作時間と思って、
できるだけ手を止めずにやっています。
海外の仕事や、絵を描く人とのやり取りでは、
言葉の壁を超えて絵で通じ合えることは、
不思議だな、嬉しいなといつも思っていて、
これからももっとできればいいなと思っています。
あとは、見た人がほんの少しでも気分が
何か良い方に変われるのような絵を描ければいいなと思っています。
インタビュアー 須貝美和
2024年10月22日 4:39 PM |
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