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菅野博子個展「パリへ行く」

今週の作家さんはHBでは9回目の展示となる菅野博子さんです。
福島県いわき市のご出身で、現在も地元で活動されています。
今回は展示に合わせ東京にお越し頂きました。

— 今回は9回目の展示ですね。変化したなぁと感じることはありますか?

以前より1枚にかける制作時間が長くなったと思います。
リキテックスソフトで描いてるのですが、色を重ねて描き込むようになりました。
そうすることで色に深みが出てくるんです。

— とても丁寧に描きこまれているのがわかります。なかなか出せない色合いですね。
絵も大きくのびのびしていて、見ていて気持ちがいいなと思いました。

前々回の展示からこの半切サイズで描いていますね。
描きやすい大きさというよりは、展示のための大きさという感じです。

—  今回のテーマはパリということで。旅行はいかがでしたか?

初のヨーロッパで、友達が向こうにいるので遊びに行きました。
モンサンミッシェルを観たり、美術館をまわったりと楽しかったです。

— 作品の多くは風景ではなく、人物に焦点を当てたのが菅野さんらしいですね。
絵のモデルになった方々とはなにかお話されましたか?

お話したのは少しだけでしたが、みなさん気さくな方ばかりでした。
写真を撮ってもいいですか?と聞くと「どうぞ!」という感じで。
中にはポーズをとってくれた方もいました。

— 地元いわき市を描いた作品もありますね。このあたりは菅野さんのお家の近くですか?

車で15分くらい行ったところですね。震災後の風景を描こうと思って行った場所です。

— 今もいわき市にお住まいなんですよね。
以前は小学校の先生をやられていたと聞きました。イラストレーターになろうと思ったのはいつ頃ですか?

大学を卒業してから6年間ほど福島の小学校で先生をしていました。
20代前半で先生になりクラスを持っていたので、
親御さんからは頼りない先生に見られていたんじゃないかなぁと思いますね。
大学では図画工作を専攻したこともあり教師時代もずっと美大への憧れがありました。

そんなとき、東京の多摩美術大学二部(夜間)があることを知り通うことに決めました。
大学ではデザインの勉強をしていたのですが、絵の基礎的なことも学びたいと思い、
授業のない午前中はセツ・モードセミナーにも通いました。
デザインも勉強してみて、やっぱり絵の方で行きたいなというきもちが強くなりまして
美大を卒業して2年後、HBで初個展をしました。
憧れのイラストレーターは和田誠さんをはじめたくさん居ます。

— いわきに戻られたのはいつ頃ですか?

2006年です。地元に戻ったら絵を描かなくなるんじゃないかという不安もあり、大変迷いました。
けれど、その年にHBでの個展が決まっていたので、いわきに戻ってすぐ制作にとりかかることに。
引っ越し作業でバタバタしたこともあり作品完成度は低かったです。

それからは描き続けるためにも1年半〜2年おきにHBで個展をするようにしています。
展示が〆切のような感覚で、やらなきゃ!という感覚になりますし、
人に見せなくちゃいけないという緊張感も続くんですよね。
東京にいた頃は部屋が狭かったので大きい絵もあまり描けなかったのですが、今はのびのび描けています。
戻って来てよかったんだなと思っています。

— 今回は展示してみていかがでしたか?

みんなに「うまくなったね」と言われたので、少しは上達したのかなと。
オープニングパーティーにはあこがれの和田誠さんにもお越し頂けてとても嬉しかったです。

—  これから描いてみたいもの、目標をお聞かせ下さい。

今回は色をたくさん使って描いたので、1色使いの挿し絵のようなものを描いてみたいなと思っています。
次の展示まであっという間に時間が経ってしまいそうなので、また気を引き締めて描いていきたいです!

— 次回の展示では違ったタッチの絵を見れるかもしれないですね。楽しみにしております!

菅野さんのあたたかいタッチで描かれた表情からはその人の人柄が伝わってくるようです。
パリの人々も地元の身近な人々も、どんな対象にも分け隔てなく愛情が注がれているのでしょう。
今年の2月に開設したという菅野さんのHPもとってもかわいらしいです。
こちらもあわせてぜひご覧下さい!
http://kannohiroko.com/ 

 

 

インタビュー / HBstaff 桑原紗織

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