千海博美個展「Strange room」
今週の作家さんは千海博美さんです。HBでは初めての個展開催となりました。
今回は”不思議な部屋”をテーマに、ミステリー、SF、ユーモアなど、謎めいたお話をイメージして描かれました。装丁や挿絵のお仕事で描かれた原画の展示も!美しい作品の数々をぜひ見に来てください!
日頃から本を読むのがお好きという千海さん。本の仕事がやりたくてイラストレーターになりたいと思ったそうです。
幼い頃はご家族の影響で、星新一や筒井康隆の本を読んでいたとのこと。表紙の絵は和田誠さんや真鍋博さんのイラストレーション。可愛いけれどよく見ると毒っ気のある絵で、怖いけれど惹かれていた、と千海さん。今もミステリーやユーモアのある物語が大好きだそうです。今回はそんな好きな世界感をテーマに、個展のために描かれた新作やお仕事で描かれた作品を織り交ぜて展示しております。
年々、技術もついてきて以前より1枚1枚を丁寧に作ろうと思うようになってきた、と千海さん。展示では直に見てもらえるため、なるべく際まで丁寧にやりたいという想いがあったそうです。原画はどの作品も目を見張る美しさです。
元々は専門学生時代に体験したエッチングやリトグラフの授業で版画に興味を持ち、その後は版画のアトリエに趣味で2年ほど通っていたそうです。当時はただ作りたいものを作っていたそうですが、せっかちな性格のためエッチングには向いていなかった、と千海さん。先生からは「勢いのある木版の方が向いているかもね」とアドバイスされたそうです。
ある展示で、版画の画材となる「版木」そのものを飾っている方に出会い、「こういうやり方もありなんだ」と感じたとのこと。その時に見た黒1色の版木はとても格好よかったそうで、自分なりにカラーでもできるかもしれないと思い、アクリル絵の具で描き彫るという今の技法に行き着いたそうです。版画のインクではなくアクリル絵の具で描くことは、頭の中のやりたいことをはやくアウトプットしたい…そんな自分の性格に合っている技法だと思った、と千海さん。
イラストレーター歴8年目の千海さん、書籍や雑誌、広告のお仕事のほか、昨年初めてCMのお仕事も経験されたそうです。先日発売された『もようのゆらい』(玄光社)では約1年かけて80点近くのイラストレーションを制作。画集のような仕上がりになりました。
テキスタイルはいつかやってみたいお仕事のひとつだそうで、布のプリンティングの展示も挑戦してみたいそうです。今後益々のご活躍が楽しみです!
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