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日下潤一賞 本村綾個展「ニア・イコール」

7月から始まったファイルコンペvol.30の受賞者展。第2週目の作家さんは、日下潤一賞を受賞された本村綾さんです。作品に描かれているものは、セロファンテープ、ハンガー、クリップなど生活の中にある工業製品。それらと人間が、ほとんど等しい「ニア・イコール」の関係として描かれています。独特のマチエールと、飄々とした人物の表情が魅力的な作品です。お楽しみください!

「ラジオ」

「洗濯バサミ」

今回の作品は、日常生活の中でよく見るもの(工業製品)と人がテーマ。自分との関わりが深く、自分にとってリアリティのあるもの、セロファンテープ、ハンガー、クリップなど、何気なく使っているものが1つキーワードとしてあった、と本村さん。それらをモチーフにシリーズを作れないかなと思ったそうです。2018年から制作されているテーマです。

HBファイルコンペには2回目の応募で見事大賞受賞。1回目は最終選考まで残り「この方向性でクオリティを上げれば、もしかしたら賞が取れるかもしれない」と感じたそうです。方向性が間違っていないことが確認できた、と本村さん。2回目はクオリティを上げることを目指し、これでダメだったら受け皿が無いのかな…という想いだったそうです。版画と美術の世界にいたため、イラストレーションの世界で作品が受け入れられるのかな、と思っていたとのこと。受賞したことで、それが確認できたことが一番嬉しかったそうです。

 

「ハンガー」

「一人の時間」

多摩美術大学で油彩を学ばれていた本村さん、当時は主に抽象画を描かれていたそうです。初めて銅版画を経験されたのは在学中の2014年、元々好きだったという具象性のある人物画を線画で表現されました。2017年には油彩の制作を中心に、版画でも抽象画を制作されるなど、油彩と版画をいったりきたり制作されていたとのこと。

2018年には東京藝芸大学大学院に進まれ、版画を専門に学ばれました。その頃にカーボランダムという技法を知り、独特のマチエール魅かれたそうです。カーボランダムを用いた作品制作を継続し、より自分の趣味性を広げるような作品作りに専念されたそうです。作家としてこれからどうしていくか模索していた時期だった、と本村さん。本当に好きなものって何だろう、と考えた時に、前から好きだったという人物と工業製品を作品に取り入れるようになったそうです。

「ハサミ」

「PPバンド」

イラストレーションのお仕事はこれからという本村さん。本がお好きだそうで、装画を描くことが目標とのこと。今後益々のご活躍が楽しみです!

 

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