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菅野博子個展「 Just 11th 」

今週の作家さんは菅野博子さんです。HBでは11回目の個展となります。
人物画をお得意とする菅野さん。今年はおともだちのダンサー薔薇絵さんや、菅野さんの地元福島の身近な人々と風景を描かれました。おしゃれな着こなしと、表情豊かな薔薇絵さんの魅力が溢れています!
絵を描く楽しさや、人物を描く楽しさが伝わってくる作品です。ぜひお立寄りくださいませ!

 

「Amanojaku」高円寺の古着屋さん。

 

「セブンスターズ☆」高円寺のすてきな美容室。

 

 

現在はダンサーとしてご活躍中の薔薇絵さん、セツ・モードセミナーでデッサンのモデルをされていたことがあったそうです。菅野さんは在学時、授業で薔薇絵さんを描く機会はあったものの、当時は生徒とモデルという関係でそれ以上、交流はなかったそうです。あるとき、自宅で薔薇絵さんを描いているという卒業生に誘われ、デッサン会へ参加することになった菅野さん。薔薇絵さんとの交流はそこからはじまりました。

今回の作品を制作するにあたり、薔薇絵さんが住んでいた高円寺を訪れ、古着屋さんや美容室でポーズをとってもらったそうです。

 

 

 

「髪飾り」いつもおしゃれな薔薇絵さんを描いた1枚。

 

「ネルケン」高円寺にある名曲喫茶での1枚。

 

薔薇絵さんの思い出がたくさんつまった『としまえん』で描いた1枚。
ドイツ生まれで100年の歴史がある回転木馬に楽しそうに乗っている薔薇絵さん。お二人の仲の良さが伝わってくるような作品で、菅野さんにとっても思い入れのある1枚となったそうです。
今回展示された作品はすべて、イーゼルを立てて実際にモデルさんを見て描かれました。その場の空気や温度感、絵筆を動かすライブ感が伝わってきます。ぜひ原画をご覧いただきたいです!

 

「カルーセルエルドランド」

 

町田七音個展「For a moment」

今週の作家さんは、立体イラストレーションを制作している町田七音さんです。
HBでは初めての個展開催となりました。
街ですれ違ったり見かけたりする、 
一瞬の記憶の中の人たち。
そんな気になる人たちを、粘土を使った立体造形で表現されました。服のしわやまつげなど細部までこだわった、今にも動き出しそうな町田さん渾身のキャラクターたちです。ぜひお気に入りの子をみつけてみてください!

 

 

 

立体イラストレーション制作歴は6年という町田さん。
作りたいモチーフが思い浮かんだら、スケッチなどは描かずに、
「どんな服にしようかな?」とイメージを肉付けするように、手を動かし作っていくんだそうです。
まだ作ったことのないポーズや服のイメージがきっかけとなり、少しずつキャラクターの人格が形成されていきます。
モデルは実際にいるわけではないそうで、町田さんの直感と記憶から作られたキャラクターたちです。

 

 

1体の制作日数は、大きさやポーズにもよりますが、だいたい10日前後。
上の写真の女の子は、”長い髪がマフラーに巻かれている感じ”というイメージを元に、
徐々に作りながら考えていき、イメージをより固めていくといった作業をくりかえします。
絵をさっと描くのではなく、何度もイメージを練り、作り進めることのできる行程が楽しいそうです。
町田さんが一番好きな作業は、服のしわを作ること。今作っている服と、似たような服を着ている人をみつけて、こんなふうにしわが入るんだなと観察したりするそうです。

 

 

 

今回はプロの方にお願いしたという、写真パネルでの展示も。
普段は町田さんご自身が撮影をされるそうですが、光の加減や調整などが素晴らしく、自分では絶対に撮れないような仕上がりになったそうです。立体と平面の表情の違いもぜひお楽しみください!

今後は、文芸誌や小説のお仕事やってみたいという町田さん。今回展示したようなテイストや、SFものの本のお仕事をしてみたいそうです。実際には起こり得ないようなシーンなど、町田さんにしか作れない世界観を見てみたいですね!

 

中村菜都子個展「祈りの島」

今週の作家さんは中村菜都子さんです。HBでは初めての個展です。
今回は中村さんのおばあさまの故郷、長崎の五島列島をテーマに制作されました。
実際に長崎を訪れたことで、歴史や文化に触れ、ご自身のルーツを知った中村さん。教会やカクレキリシタンの歴史などを、版画をベースに、刺繍や螺鈿の貝殻などを用いて描かれました。工芸品のような美しい作品、ぜひ原画をご覧いただきたいです!

 

「祖母にみる聖母マリア」

 

「漁村のある風景」

 

幼い頃から、アジア雑貨の香りや、中国、台湾、香港などアジア映画の雰囲気など、異国情緒漂うものが大好きだったという中村さん。20歳を過ぎてからは興味はヨーロッパへと移り、6年間ほどロンドンで暮らしていたご経験も。自分がなぜアジアやヨーロッパの文化に興味を持つのか、その根源を知りたい、そんな思いが今回の制作に繋がりました。

自分のルーツを探るため、これまで訪れたことのなかった、中村さんのおばあさまの故郷、長崎県の五島列島を訪ねます。
調べていくうちに、アジアやヨーロッパとの交易が盛んだった長崎のこと、おばあさまの生い立ち、活版印刷が普及した時代のことなど、現在の自分に通ずるような様々な歴史に触れることになりました。作品のエピソードと合わせてじっくりご覧いただきたいです!

 

「天正遣欧使節」

 

「ルドビコ茨木」

 

美大時代、金属工芸を専攻されていた中村さん。鉄や木材、陶芸や漆を扱っていた経験が今の手法にも繋がっています。イギリスの学校ではイラストレーションコースを専攻。絵の課題でゴム版画を制作したことが、中村さんの平面作品作りへのきっかけとなります。ヨーロッパは、聖書や本の挿絵などすべて木版画や銅版画などで描かれていて、生活にとても身近なものなんだそうです。

カッターやハサミ、針、彫刻刀などを扱うことが自分に合っているそうで、切ったり貼ったりすることは作品作りにかかせないことだそうです。絵に金箔や貝殻を取り入れる手法は、漆を扱っていた大学の先生から教えてもらった技術が生かされています。漆器のようにきらきらとした美しさは、原画ならではの魅力があります。

 

「天国の庭」

 

   

 

これからは、イラストレーションのお仕事も広げていきたいという中村さん。CDジャケットや本の装画、絵本、舞台にも興味があるそうです。印刷物になった中村さんの作品もぜひ見てみたいですね!

会場では、中村さんのオリジナルグッズも好評販売中です。ミラーやリング、ネックレス、ブローチなど種類もさまざまです。受注販売も承っております。展覧会の記念にぜひどうぞ!

 

草谷隆文個展「ALPHABET」

今週の作家さんは、デザイナー・アートディレクターの草谷隆文さんです。HBでは初めての個展開催です。
ご自身でイラストレーションを描きデザインを手掛けられることも多い草谷さん。今回はお気に入りのミュージシャンの名前、イニシャルをテーマに、自由なアイデアで独自のアルファベットを作られました。グラフィック、音楽好きの方にもたまらない展覧会となっております。ぜひお立寄りくださいませ!

 

「ALPHABET」

 

3~4年程前から、マジックインキで絵を描き始めたという草谷さん。
今回の作品もすべてマジックで素材を描き、パソコン上でコラージュや色変換をすることで、独特のマチエールが表現されました。ミュージシャンのイニシャル、人柄や音楽からイメージを膨らませ考えられたユニークなアルファベットたち。会場で流れている音楽にもぜひ注目していただきたいです!

 

「Phil Upchurch」

「Quincy Jones」

 

幼い頃、設計技師のお父さんが使っていたコピー機が大好きだったという草谷さん。
当時はまだ珍しかったコピー機で、自分の描いた絵が拡大されて手元に戻って来た時はとても衝撃的だったそうです。
そんな想いから、現在でもコピー機は草谷さんにとって大切なツールのひとつとなっているとのこと。
自分ではコントロールできないような、偶然生まれる表現のおもしろさが魅力だそうです。

 

「Ike Turner」

「Herbie Hancock」

 

高校生の頃には演劇のご経験もあるそうで、舞台ポスターやパンフレット、舞台美術も手掛けられていたそうです。
Dee Dee Bridgewater の舞台を実際に見たり、同じ演目をご自身が演じたこともあるということも、作品に影響しているそう。さまざまな経験を元にアウトプットされた、草谷さんならではの表現は見応えたっぷりです!

短いサイクルで個展をすることで、絵を描く時間を作るようにしているという草谷さん。
どこまでもおもしろい表現を追い求めたい、そんな草谷さんの探究心を垣間見る展示となりました。

 

「Dee Dee Bridgewater」

 

小林達介個展「kobatatsu image」

今週の作家さんは小林達介さんです。HBギャラリーでは初めての個展となります。
昨年開催された、第3回東京装画賞で金賞を受賞された小林さん。今年も活躍が期待される大注目の若手イラストレーターさんです。木炭で生き生きと描かれた風景や人物、懐かしさも感じられる独特な雰囲気が魅力です。
ご自身、約9年ぶりの個展開催となりました。

 

「タイムマシン」

今回は新作イラストレーションのほか、東京装画賞で受賞された作品、コンペ出品作など小林さんのこれまでの活動を一堂にご覧いただけます。「タイムマシン」は、小説が書かれた当時の最新の技術、蒸気機関車や真鍮の歯車などを組み合わせたり、映画を参考にして描いたそうです。ご自身が白いシャツを着て、ポーズをとり撮影して描いた、リアリティある1枚となり見事金賞に輝きました!

 

「冬の忘れ物」

「主演女優」

 

元々は服飾系の大学で勉強をされていた小林さん。毎月、課題で出されていた100枚ドローイングをきっかけに、絵を描くようになったそうです。小林さんの作品を「毒があって、独特でいい」と評価してくれた先生の言葉がきっかけとなり、絵描きになることを決心。 ドローイングやコラージュ、木版画などさまざまな画材を経て、現在の木炭での表現となりました。描きたいモチーフが少しずつ変わり、次第に画材も変わっていったそうです。

 

「鏡よ鏡」

普段は自分に合ったイメージ作りのため、海外ミステリーやサスペンスものの小説を中心に読み勉強中とのこと。
同じ小説や映画を何度も繰り返し見て、そこから得たイメージを1枚の絵にすることが多いそうです。

 

小林さんが装画をてがけられた『消滅した国の刑事』

 

 

 

今後は、自分の絵に合うようなミステリーやサスペンスの本のお仕事のほか、自分の絵と対極にあるようなジャンルでの仕事も見てみたいとのことでした。小林さんの親しみやすいお人柄と作品、両方の魅力をぜひ多くの方に知って頂きたいです。ぜひお立寄りくださいませ!

 

柿崎紗良個展「RYE10580」

新年最初の展示、今週の作家さんは柿崎紗良さんです。ご自身初めての個展開催となります。幼い頃住んでいた、ニューヨーク州ライ市の思い出を、色とりどりのペンと絵の具で丁寧に綴られました。穏やかな時間が感じられる作品です。ぜひご覧くださいませ!

 

 

小学校1年生の頃、2年程住んでいたというニューヨーク州ライ市。展示のタイトル「RYE10580」は、住んでいたお家の番地名です。紗良さんの住むお家は、近くに海や遊園地、湿原のある自然豊かな場所で、シカを見かけることも度々あったそう!英語も自然と覚え、日本に戻ってからも、中高生時代は英語の勉強はしなくてもよいくらい理解できたそうです。


 

デザインの勉強をされていた専門学生時代。卒業制作で作った、カラフルなボールペンで描いた絵本がきっかけとなり、今もそのタッチで描き続けています。高校生の頃、ノートをとっていたボールペンが、のちに紗良さんの画材になりました。

 

 

卒業後は広告制作会社へ就職。仕事ばかりでほとんど手を動かさなくなっていたとき、イラストレーターのお母さんから、HBファイルコンペの存在を教えてもらったことが、また絵を描きはじめるきっかけとなりました。
2014年にはLUMINE meets ART AWARD で受賞。紗良さんの絵がルミネのエレベーターのグラフィックとして使用されました。その作品から絵本のお仕事にも繋がったそうです。

 

 

夢はクリスマスキャンペーンのお仕事をすること。 会場には、そのまま広告にしたくなるような楽しい冬の景色が描かれたポスターも。紗良さんのセンスが光る初個展となりました。

 

 

HBファイルコンペvol.26 審査結果発表!

HBファイルコンペvol.26 審査結果が出ました!

応募総数621人の中から大賞6名、特別賞6名が選出されました。受賞者の皆さんおめでとうございます!受賞者展は、来年の夏に開催されます。どうぞお楽しみに!

 

日下潤一賞 中村隆  特別賞 高寄尚子

大賞コメント 今、一番に期待しているイラストレーターである。もっとみんなに見てもらいたいひと。実力は充分すぎるくらい。表現も多彩で充実している。世界を絵にすることをちゃんとこころえている。

 

 

鈴木成一賞 杉山巧   特別賞 北住ユキ

大賞コメント ミニマルなモチーフの中の強かな情熱が、明るい解放感を与えている。具体性と装飾性のバランスも絶妙で、新たな世界観を創り上げているのではないだろうか。

 

副田高行賞 おおたはるか 特別賞 マメイケダ

大賞コメント いい絵は、人の目を釘づけにしてやまない。こちらの目をずーっと離さない。恐い。でも、出会ってしまったら、もう逃げられない。

 

 

仲條正義賞 藤岡詩織  特別賞 相川風子

大賞コメント 都会の乾いた哀愁がいい。迷わない色使い出会えてよかった。

 

 

永井裕明賞 三好愛  特別賞 堀川登代

大賞コメント この作品を見ると”イラストレーションっていうのは、自由なのだ”と言われているような気がする。色も僕好みだが、思いもよらないヘンな眼が何ともいえない魅力を放っている。

 

 

藤枝リュウジ賞 正一  特別賞 宮嶋結香

大賞コメント 以前から、作品注目してた。数年前はLPレコードの内袋に洒落た絵を描いたりして面白いナ!と印象深かった。今度の縄飛びいいですね。オメデトウ。

 

 

 

冬期休廊、オンラインショップお休みのおしらせ

まことに勝手ながら、

12月24日(金)〜 1月7日(木)まで、冬期休廊とさせて頂きます。

それに伴いまして、HBオンラインショップの発送業務もお休みさせていただきます。
休廊期間中にいただきましたご注文やお問い合わせについては、
1月8日(金)以降に順次対応させていただきます。

商品発送は1月9日(土)以降となります。商品到着が遅れますことご了承くださいませ。

 

ご不便をおかけ致しますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

牧野伊三夫展 HB no.14

今週は、HBギャラリーでは年末恒例となった、画家・牧野伊三夫さんの展覧会です。
今年で14回目の開催となりました。
展覧会初日には、牧野さん初の画文集『僕は、太陽をのむ』(港の人)のお披露目会や
青木隼人さんのギター演奏もあり、楽しいひとときとなりました!

 

 

 

アクリル画、版画、コラージュ、スケッチなど牧野さんの最新作が一堂にご覧いただけます。
牧野さんの自然体で、丁寧な暮らしぶりを垣間見るような作品たちです。

 

「浜辺のヒトデ」2015年

 

「風のまち(版画)」2015年

 

「虎のバター 絵本『ちびくろサンボ』より」2015年

 

「ベロウゾフ・ジャボチンスキー反応2」2015年

 

牧野さんとファーストユニバーサルプレスさんが制作をされた
活版刷りの封筒や便箋などお手紙グッズも好評販売中です。

四月と十月 vol.33」や「ヤブクグリ」の販売、「雲のうえ」「飛騨」最新号の配布なども。
「牧野伊三夫展 HB no.14」は12月23日(水)17時までです。ぜひお立ち寄りくださいませ!

あずみ虫・タムラフキコ 2人展「映画の女」

今週の作家さんは、あずみ虫さんとタムラフキコさんです。
今回は、お二人が共通して好きな”映画”をテーマに、さまざまな顔をもつ女優にスポットをあてて描かれました。
悲哀や憎悪、嫉妬…など、複雑な感情が入り交じる女たちの表情を見事に表現されています。
お二人のタッチを組み合わせた超大作も必見です。ぜひ見にいらしてください!

 

『パリ,テキサス』ナスターシャ・ヤンスキー
(絵:タムラフキコ)

 

『シザーハンズ』ウィノナ・ライダー
(絵 : あずみ虫)

 

今回のテーマはお二人で考えたそうです。

タ:「歌謡曲で、女の人の恋愛をテーマにしてるのもいいね」
あ:「やっぱり映画にしようよ!」
タ:「じゃあ映画の女はどう?」
あ:「顔を描くの難しそう…」
タ:「あずみちゃんが女の人を描くのいいと思う!」
あ:「映画といえばタムラさん!というイメージですよ」

と、こんなやりとりを経て、お二人に共通するぴったりなテーマがみつかったようです。

「あくの強い役の方が、女優さんも輝いている気がする」とあずみさん。
また映画は、ファッションや色彩、構図などワンシーンごとに追究されていてとても勉強になったとのこと。
『死刑台のエレベーター』『浮雲』もいつか描きたい映画のひとつだそうです!
タムラさんは女を描くために、普段使っているオイルパステルから、油絵の具に変えて挑戦!
タムラさんらしい表情豊かな女たちが、生き生きと描かれました。

 

『スモーク』ストッカード・チャニング/アシュレー・チャッド
(絵:タムラフキコ)

 

『エヴァの匂い』ジャンヌ・モロー
(絵 : あずみ虫)

 

左:『パルプ・フィクション』ユマ・サーマン 右:『マディソン郡の橋』メリル・ストリープ
(絵:タムラフキコ/あずみ虫)

正面に飾られた大きな作品は、お二人の初めての共作です。
「からみが欲しいね」と、タムラさんの提案でダンスシーンを描くことに!
タッチの違うお二人の絵が見事に融合しています。
相性がいいね!と、うれしそうなあずみさんとタムラさんでした。

 

『オープニングナイト』ジーナ・ローランズ
(絵:タムラフキコ)

映画のチョイスはお互いに相談はせず、それぞれが好きなものを描いたそうですが、
『風と共に去りぬ』の女優ヴィヴィアン・リーは、お二人の作品に登場していました。
異なる視点がとても魅力的な作品、会場でぜひ見比べてみてください!

 

『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー
(絵 : あずみ虫)