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永井裕明賞 矢野恵司個展「Face Landscape」

HBファイルコンペvol.28の受賞者展、第3週目は永井裕明賞大賞に選ばれた矢野恵司さんです。
初めての個展開催となりました。TIS公募展でも大賞を受賞するなど注目の作家さん!
ファイルコンペでは顔のシリーズで見事受賞、そこから発展した全身シリーズや時代ものを描いた新作をお楽しみください!

 

 

1年半ほど前から顔のシリーズを描きはじめたという矢野さん。手描きで描いた後、パソコンに取り込み加筆。その絵を出力した後また加筆し…と、最終形にいたるまで何度も作業を繰り返すそうです。何かひっかかりのある顔になるよう、眉を無くしたり髪型を変えたりしていくうちに、はじめに描いた顔からは離れていくとのこと。どの顔もモデルがいるそうですが、完成時には別の表情や人格があらわれ、実在はしないけれど、どこかで出会ったことのあるような不思議な存在感があります。

 

 

幼い頃から絵を描くのが好きで、画家のおじいさまが開いていたデッサン教室で絵を学ばれていたそうです。名画を見せてくれたり、夜中に一人で絵をコツコツと制作している姿を見て「自分もいつかこうなりたい」という憧れの気持ちがあったそうです。大学は東京藝術大学へ進み、彫刻や解剖学を研究。学生時代から描きたいものはたくさんあったそうですが、技術が追いつかずジレンマがあったそうです。卒業後は任天堂へ就職し、キャラクターデザインや3Dモデリングを担当。そこでさまざまなツールを学び、技術面がついてきたことが現在のタッチに繋がるきっかけになったそうです。

 

 

能や歌舞伎、仏像がお好きな矢野さん、学生時代は能面を作っていたことも。矢野さんの絵に通ずる、左右対称や無表情なところ、焦点を少しはずし鑑賞者と目を合わせないようにしているところなど、技術面で参考にしているそうです。造形的なその人らしさだけを抽出することで、顔の形の面白さや、おかしさを見てもらいたいという想いがあるそうです。

 

 

イラストレーションのお仕事も少しずつ増えている矢野さん。興味のある時代物や、ファッション関連のお仕事もぜひやってみたいそうです。ふだん描かないものも、お仕事で描いてみると絵の幅が広がり喜びがあるとのこと。今後、幅広い分野でのご活躍が楽しみです!

 

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