佐野みゆき個展「家の事」
今週の作家さんは佐野みゆきさんです。初個展となりました。
台所まわりや使い慣れた調理器具、食べ終えた食卓、晴れた日の洗濯物…など、普段の何気ない生活の風景を描かれている佐野さん。光や空気感を丁寧に捉えた、存在感ある作品たちです。ぜひ原画をご覧いただきたいです!
佐野さんの穏やかな暮らしぶりが感じられる今回の作品たち。一度写真に撮ってから、アクリルガッシュで描かれているそうです。水彩絵具で描くように、薄く塗り始めて少しずつ重ね塗りをしていくような感覚で描くとのこと。描いているときは、あまり何も考えていないそうですが、出来上がったものを見てしばらく経ってみると、何でもない日々を描いているけれど、そういう日々も案外悪くないんじゃないかと、自分の絵を見て思えたという佐野さん。そんな気持ちが嬉しくて、枚数を重ねていくことが出来た気がする…とのこと。
京都精華大学洋画コースで学ばれた佐野さん。在学時は油彩でアニメーションを制作されていたそうです。卒業後は、アニメーション制作会社へ就職し、現在はフリーランスのアニメーターをしながらイラストレーターとして活動中。元々は写実的なタッチではなかったそうですが、約2年前に山田博之さんのイラストレーション講座へ通われたことがきっかけで現在のタッチになったそうです。色々な画風の中から、山田さんが評価してくれたのは、素直に描かれた何気ないトーストを描いたものでした。
絵で食べていくことは、ストイックさや才能、尋常ではない集中力が必要だとどこかで思っていたという佐野さん。でも今は、ラジオを聴きながら、ダイニングテーブルで絵の具を広げて、軽い気持ちで描いている。そういうものが少しずつ評価されたり、お仕事に繋がったりすることが少しだけ見えてきて嬉しいそうです。
一生に一度は個展をやってみたいと思っていたという佐野さん、なかなか踏み出せなかったそうですが、やろう!と今回思い切って挑戦されたそうです。先日、初めて小説の扉絵を描くお仕事を経験。その後も装画のお仕事が続いたそうで、いい流れが来ているようです!本の装画や文芸にまつわるお仕事、婦人系雑誌や広告のお仕事などに興味があるとのこと。今後のご活躍が楽しみです!
コメントフィード
トラックバックURL: http://hbgallery.com/blog/2019/06/22/%e4%bd%90%e9%87%8e%e3%81%bf%e3%82%86%e3%81%8d%e5%80%8b%e5%b1%95%e3%80%8c%e5%ae%b6%e3%81%ae%e4%ba%8b%e3%80%8d/trackback/