HB Gallery

Blog

杉山 巧個展「Lesson 0」

今週の作家さんは杉山巧さんです。HBでは初めての個展となります。
エディトリアルのイラストレーションを中心にご活躍をされている杉山さん。
普段のお仕事とは違った、新しいタッチで描きおろし作品を展示してくださいました。
野菜、動物、暮らしの道具などをモチーフに、のびのびとした描き方が楽しく、気持ちのよい作品です。
幾重にも重なる深みのある色は原画ならではです。 ぜひご覧くださいませ!

 

 

— 杉山さんはこれまで個展をされたご経験はありますか?

7年前にカフェスペースで絵の展示をしたことがありますが、本格的な個展は初めてです。

— 今回はどんなテーマで制作されましたか?

テーマは、楽しく好きなものだけ、何も意識しないで描きたいものを描きました。

— のびのびとしていて、見ていて楽しいです。不思議な筆跡だなと思ったのですが、何で描かれているのですか?

筆は使わず、厚紙を適当に切って、絵の具をつけて押し付けたりして描いています。
この技法で描いた絵を発表するのは初めてです。

 

 

— モチーフは自然のものが多いですね。お仕事でもそういったものを描くことが多いですか?

そうですね。仕事の多くはロハス系やグリーン系などやさしいものを描くことがほとんどです。
雑誌や、企業パンフレットなどの仕事が多いです。
僕の絵は、万人受けする仕事のしやすい絵だけど、その分強さがないと言われた事もありました。

— どれも見ていて気持ちがいいなと思います。
杉山さんのサイトに「inori books」という名前がありますが、現在もユニットで活動されているのですか?

以前、一度絵を辞めて地元の静岡で仕事をしていた時代に、モノ作りをするときだけ使っていた名前です。
年賀状やハガキを作るときにはその名前でやっていました。

 

 

— 静岡のご出身なのですね。東京での活動を始めたのはいつ頃ですか?

静岡の専門学校を出て、東京で25歳くらいまでアルバイトをしながらずっと絵を描いていました。
イラストレーション誌の「チョイス」に入選してから、雑誌の仕事を頂けるようになりました。
でも、それまで絵を描くときに、ラフや下描きをしたことがなかったので、お仕事になったときに
うまく要望に応えられなかったんです。
絵を仕事にするのは難しいんじゃないかと思うようになり、一度絵から離れて静岡に戻りました。

実際、絵から離れてみると、あの時もっと工夫できたんじゃないかなと思うようになり、
やはり、絵で相手に喜んでもらえる仕事をしたくて、また東京へ戻って来ました。
そして今に至ります。

絵の仕事は楽しいのですが、相手の反応を重視しすぎてしまい、ここ数年オリジナルの絵が全く描けなくなっていました。
楽しく描けなくちゃ、この先絵が描けなくなっちゃうかもと思いました。
そういったことが今回のテーマにもつながります。

 

 

— 以前と絵が変わって、パワーもあり力強く、楽しんで描いている感じが伝わりますね。

そう感じて頂けただけで、今回の展示をやって良かったなと思います。

— 今後やってみたいお仕事などありますか?

希望ですが、絵本をやりたいです。
その他も、この個展から仕事につながったら、とても嬉しいです。

 

 

河井いづみ個展「Pearl」

今週の作家さんは河井いづみさんです。HBでは初個展となります。
カップ、帽子、引き出しなど、馴染みのあるものを描きながら
素材を組み合わせ、不思議な世界観を作りだすことのできる河井さん。
自由な発想とセンスで、挿絵や装画、パッケージ、テキスタイルなど、幅広くご活躍中です。
丁寧に描かれた、美しい鉛筆の濃淡もぜひご覧いただきたいです。お見逃しなく!

 

 

— 河井さんが絵の道に進もうと思ったのはいつ頃ですか?

小5の時です。私は高学年になっても絵本が好きで、学校の図書室でずっと絵本ばかり読んでいました。
いつも空想の世界に住んでいるような子でした。
今でも覚えてますが、昼休みにいつものように図書室で絵本を読んで、空想と現実を行き来しながら
自分の教室へ帰る階段の
最後の一段を上がったところで「私もこういう絵を描く人になればいいんだ!」と、
その瞬間に決断しました。
その頃からなぜかプロ意識を持っていて、
アーティストになるんだから、人の真似ではなく、自分の言葉で話さなければと思っていましたし、
みんなと違う視点で物事を見なければ!と思い込んで行動していました。
ですがあまりにも幼いので、うまく自分を表現できなくて失敗ばかりでした。

 

 

— その頃からプロ意識があったとは、すごいですね。アーティスト、画家、絵本作家などいろいろな道があるかと思うのですが、イラストレーションを意識したのはいつ頃ですか?

とにかく最短の道を進もうと思っていたので、地元長崎の美術科のある高校へ進んで、
その後は専門学校へ進み、絵の方へ進むという道は決まっていました。
2006年にフランスからの帰国後、描きたい絵を描いて発表する画家の仕事も、オーダーに対して答えるイラストも
両方やる人になろうと思い、イラストレーターになろうと決めました。
自分の出来るすべての中から、
イラストレーションのお仕事をさせていただいているという感じです。

 

 

 

— フランスでも活動をされていたそうですが、言葉は向こうへ行ってから勉強されたのですか?

最初の3ヵ月は猛勉強しました。サンドイッチを1個買えるようになろうとか、
バスに乗れるようになろう、とか
小さな目標を立てて勉強していました。

— 向こうでの生活は、どんなことが勉強になりましたか?

3年間滞在していたのですが、建物や風景や人が素敵だったり、暮らしの全部が勉強で刺激を受けました。
日本のことも外から見ることが出来ましたし、他の国の人のアイデンティティーにも触れました。
外国人として、異国で暮らすことがこんなに大変なのかとも思いました。
とくに始めの頃は、フランス語も話せなくてオドオドしていたら、
お店に入ってもまともに相手にされなかったり、道で知らない人に突然からかわれたりしました。
なので、フランス語を話せるようになったり、フレンチギャル達が着ていたような黒い服ばかり着てみたりして。
そして背筋をのばし、常に堂々とエレガントに振る舞う事を目指しました。
あなたと私は対等ですよ。というのを見た目で表すのです。そうするしかなかったですね。
もちろん慣れてからは、自分らしく楽しく過ごしました。
あの時の暮らしが、今の私の基礎になったなと思います。青春でした。

 

 

— いい経験をされましたね。帰国後は売り込みなど行かれたのですか?

最初の1~2年は、出版社やブックデザイナー、アートディレクターのところへ売り込みました。
あとは、たくさんファイルを送ったりもしました。
「イラストノート」に載せていただいてからは、お仕事が増えたように思います。

— 今後、やってみたいお仕事、活動したいことなどをお聞かせください。

アーティスト活動とイラストレーションの仕事を続けたいです。
もう1度フランスで個展もやりたいですし、テキスタイルや広告のお仕事ももっとやりたいです。

 

 

小泉寛明個展 「落描きになんとか耐える女たち」

今週の作家さんは小泉寛明さんです。HBでは初めての個展となります。
セツ・モードセミナーで約9年間、絵の先生をされていた小泉さん。
流れるような線画で、さまざまな表情の女性を描き、37点の見応えたっぷりな展示となりました。

 

 

— 小泉さんは、これまでも多く展示をされてきたのですか?

今回で2度目です。セツ・モードセミナーに入ってから3年目くらいに、渋谷のハチ公近くの
純喫茶のような、高級なソファのある薄暗い店内で、絵にひとつずつ照明が当たるような、
そんな場所でやったことがあります。

— 雰囲気の良さそうなお店ですね。
今回、いろんな女性を描かれていますが、服装なども華やかで何かイメージなどがあるのでしょうか。

セツ時代、デッサンやクロッキーを1ポーズ7~8分で、繰り返し鉛筆で描いていて、
生徒同士で交代でモデルをしたり、長沢さんが選んだモデルなど、色んなタイプの男女を描きました。
特にイメージはしていないですが、顔を描いているうちにだんだん服装も決まってきます。
タイトな体の線が出た方が女っぽい雰囲気が出るのではと思いますね。
なんとなく今でも、電車に乗ってる人や、街を歩いている女の人が気になって、服装を観察したりしてます。

 

 

— 自然と描きたいものが描けたという感じでしょうかね。画材は何を使われていますか?

赤と黒のPILOTのドローイングペンです。ずっと黒い色で常識的に描いてきたのですが、
ある時、口紅を描くときに赤いボールペンで描いてみた。他の線も全部赤で描いてみたら、おかしかったけど、
水彩でほかの色をつけてみると、それなりに華やかになって。それから赤色でも描くようになりました。

 

— 実在する女性というよりは、イメージの中の女性なのでしょうか?

そうですね。セツ時代、女の人からは相手にされず、モテませんでしたのでね。
いじわるな目で見て描いているというか、優越感だったり、不安だったり軽蔑したような顔だったり。
今回描いた絵も、恥ずかしいからあまり見せたくないという気持ちと、でも見せたいという気持ちとのジレンマがありました。
金色の家具や大きなソファなども実際に持っている訳ではないんです。
もちろん資料などは見ますが、憧れがあったり、欲しいと思うから観察する。無いものねだりのようです。

 

 

— なるほど、憧れからきているのですね。
小泉さんは絵のお仕事もされていたそうですが、どのようなお仕事が多かったですか?

『小説現代』や『オール讀物』や川上宗勲のポルノ小説ではよく挿絵を描いていました。
ファッション誌でもカットを描かせていただきました。
その頃は、ファッションイラストレーションという言葉は無く、”スタイル画”と呼ばれていたんですね。
2~3色のオフセット印刷で中原淳一や長沢節のスタイル画が載っていて、その後に活版印刷でモノクロのテキストページや写真が載っているというような雑誌が多かったんです。

昭和40年代でしょうか、その頃『anan』が発売されました。
今は普通にあるグラビア印刷を最初に使ったのがananでした。
写真の技術が進んだことで、節さんは「写真に負けないような絵を描く作家が出てくれば」や
「使うような絵を描く人がいなくなった」と、よく仰っていましたね。

 

 

—  どんどん写真へ移り変わる時期を経験されたのですね。貴重なお話をありがとうございます。
最後になりますが、展示をしてみた感想をお聞かせ頂けますか?

見に来た人みんなが褒めてくれて、自信になりましたし、もっと一生懸命やれば良かったなとも思います。
節さんの「女を描くことは、時代を描くこと」というお言葉が、どういうことなのかなといつも思っていました。
時代って何なのだろうと、今でも惑わされています。
洋服の形を描けば、時代を描いたことになるのかというと、そういうことではないし。

平成の始め頃、お金にならなくても描いていられる、そんな興味が燃えていました。
人に頼まれていなくても、褒められなくても描いていました。
友人にも絵は見せていませんでしたが、「展覧会はやらないの?」と声をかけてもらったりして、
みんなに励まされ、今日に辿り着いたかなと思います。

 

 

山本温個展「木版画 懐かしの風景」

今週の作家さんは山本温さんです。HBでは初めての個展となります。
“懐かしの風景”をテーマに、月島、佃、築地、浅草…など、東京の街をはじめ
全国各地の古き良き街並みが丁寧に描かれています。
6版で刷られた味のある繊細な色合いは、木版画ならではの温かみがあります。 ぜひ原画をご覧いただきたいです!

 

 

— まずは今回の展示テーマについてお聞かせ頂けますか?

懐かしい風景が好きで、ここ5年間くらいで実際に行った場所を描いています。
旅先で撮影した写真がたくさんたまっていたので絵にしたいなと思いました。

— 旅行にはよく行かれるんですか?

旅行が好きで国内も海外も好きなんですが、今回は日本の風景を版画でやりたいなと思いました。

 

 

— 学生時代から版画を勉強されていたそうですが、いつ頃からこのタッチになりましたか?

ここ3年でやっと自分の色を掴めたかなと思います。色決めで何度も逡巡していました。

— 色調を整えるのが難しそうですが、とてもきれいな色合いですね。
下絵も拝見させていただきましたが、この時点で完成度が高く驚きました。

下絵に命をかけています!というくらい下絵に完全に合わせて、それを見ながら版画を制作しています。

 

 

— 温さんの想う木版画の魅力とは何ですか?

木の温もりを感じるところや、水彩画では表せない独特な質感が好きです。
和紙と木と水がなじんで、自然な形が作られていく感じがいいなと思います。

 

— 繊細な色合いがいいですね。温さんは古いものもお好きだそうですが、例えばどんなものがありますか?

建物が好きですね。歴史ある建物や商店街などに温かみを感じます。
東京にいると、古いものがどんどん減ってしまい、新しいものが増えているなと肌で感じます。
そういった風景を絵に残していけたらなと思っています。

 

 

— 今後、やってみたいお仕事などありますか?

旅先の風景画をずっと描いてきて自分のテーマでもあるので
そういうものを描く仕事ができたら幸せだなと思います。
田舎の観光ポスター などぜひやってみたいです。
今回の展示で、自分の絵を拡大させてポスターにしてみたことでその気持ちが強まりました。
航空や鉄道関係の企業にも売り込みをしたいです。

 

 

— 温さんの絵で観光ポスターや、旅行ガイドがあったらいいですね。
最後になりますが、今回個展をしてみていかがでしたか?

1人で制作しているときは苦しくて、終わらないんじゃないかと思ったりもしました。
1年かけて、こうして作品を並べる瞬間を待ち望んで制作をしていたので、今はすごく幸せです。

— 素敵な展示をありがとうございました。 今後のご活躍を楽しみにしております!

 

久保田美穂個展「Life」

今週の作家さんは久保田美穂さんです。HBでは初めての個展となります。
家族のいる風景や、日常の何気ない一場面を切り取った久保田さんの作品。
ご自身もお二人のお子さんをもつお母さんです。
色数をおさえすっきりとした作風ですが、描き方がとても丁寧で温かみが感じられます。
ぜひ原画をご覧いただきたいです!

 

 

— まずは今回の展示テーマについてお聞かせいただけますか?

みんなのぞれぞれの日常だったり、大きな出来事じゃなく、何気ない時間が幸せで、
それを絵に表現したいなと思いました。
自分も子育てをしている立場なので、自分と同世代の女の人や、
働く人、子育ての人、それぞれの時が流れているのを表現したいと思いました。

 

 

— 久保田さんのご家族もモデルになっているのですか?

モデルは家族を含め、色々な人で、空想も入っています。
自分が働いていた時のことなどを、こんな感じだったかなと思い出しながら描きました。

 

 

— 普段、お子さんと居る時間が多いと思うのですが、制作時間はどのようにとられていますか?

2人子供がいるのですが、夜、寝かせた後や、両実家に上の子、下の子をそれぞれ預けたりと、
まわりの協力がなかったら展示は出来なかったなと思います。

個展までの期間が長かったので、集中するのも難しかったです。

制作中、唐仁原さんに作品を見て頂く機会もありました。
雲の形や木の形など、アドバイスして頂き、再度描き直したものを見てもらうと、
「この方が良くなったよ」と言っていただきました。
同じ絵を描き直したり、色も変えてみることは普段あまりしていなかったのですが、
やってみると勉強になりました。

 

 

— これまで書籍関係のお仕事やCDジャケットのお仕事をされていますが、依頼はどのように来ることが多いですか?

知り合いの方にお声掛け頂いたり、イラストレーションFILE  WEBを見てくださった方など様々です。
今回のタッチではまだあまり仕事をしたことがないので、何か繋がるといいなと思います。

 

— 久保田さんの絵は色合いに特徴がありますね。何色で描くか決めているのですか?

最初になんとなく決めて、だいたい4~5色で描くことが多いです。
パソコン上で色を試してから描いたりします。

 

 

— 今回は人物や風景だけでなく、静物だけを描いた作品もあり新鮮でした。

せっかくの展示の機会だし、違うものも描いてみようと思いました。
自分の中で気分が変わって楽しかったです。
唐仁原さんには「モノを描くときは省略しちゃだめだよ」とアドバイスを頂いたので、
普段のタッチよりはリアルになりました。

—  どの作品も丁寧で見ていて安心します。最後になりますが、今後どんなお仕事をしていきたいですか?

生活や家族、ライフスタイルに関する雑誌のお仕事だったり、本の装画を描きたいです。

— とてもぴったりだと思います。今後のご活躍を楽しみにしております!

 

冬期休廊、オンラインショップお休みのおしらせ

まことに勝手ながら、

12月25日(木)〜 1月8日(木)まで、冬期休廊とさせて頂きます。

それに伴いまして、HBオンラインショップの発送業務もお休みさせていただきます。
休廊期間中にいただきましたご注文やお問い合わせについては、
1月9日(金)以降に順次対応させていただきます。

商品発送は1月10日(土)以降となります。商品到着が遅れますことご了承くださいませ。

 

ご不便をおかけ致しますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

牧野伊三夫展

今週は、HBギャラリーでは年末恒例となった、画家・牧野伊三夫さんの展覧会です。
今年で13回目の開催となりました。

毎年、様々な手法で表現を試みる牧野さん。今年も、版画やコラージュ、素描、立体オブジェなど
手法は違えど牧野さんの世界観を味わえる作品の数々が並びました。

 

「僕は太陽をのむ」

 

「ヤブクグリ」

 

「三浦陽子との即興コラボレーション a 」

 

 

 

牧野さんが今年の春に、島根県の湯町窯で絵付けをしたお皿です。
1点1点色合いも絵柄も違い、素朴な風合いがあります。
(小 ¥5,700 / 大 ¥14,000)

 

牧野さんとファーストユニバーサルプレスさんが制作をされた
活版刷りの封筒や便箋などお手紙グッズも好評販売中です!
そのほか最新刊「四月と十月 vol.31」や「ヤブクグリ」の販売、「雲のうえ」「飛騨」最新号の配布など盛り沢山!

今年も、牧野さんファンにはたまらない展覧会となりました。
「牧野伊三夫展」は12月24日(水)17時までです。ぜひお立ち寄りください!

 

ファイルコンペティションvol.25 受賞者発表!

HBファイルコンペvol.25 審査結果の発表です!
今年も多くのご参加ありがとうございました。

各審査員に選ばれた受賞者のみなさんをご紹介いたします!
受賞者の方には来年夏に展覧会を開催して頂きますので、
皆様、是非お越し下さいませ!

 

 

日下潤一
大賞 藤井紗和

 

 

 

特別賞 有馬級子

 

 

 

 

鈴木成一
大賞 agoera

 

 

 

特別賞 河合真維

 

 

 

 

副田高行
大賞 星野ちいこ

 

 

特別賞 瓜生太郎

 

 

 

 

仲條正義
大賞 長谷川 朗

 

 

 

特別賞 ナガタニサキ

 

 

 

藤枝リュウジ

大賞 桑原紗織

 

 

 

特別賞 ミヤタチカ

 

 

 

 

永井裕明
大賞 スガミカ

 

 

 

特別賞 浅羽容子

 

サジマミキ個展 「Little world in me ~私の中のわたし~ 」

今週の作家さんはサジマミキさんです。HBでは初めての個展となります。
旅先で集めたヴィンテージの紙や素材を使って、コラージュ作品を作られているサジマさん。
CDジャケットやアニメーション、広告、書籍など幅広くご活躍されています。

好きな小物や好きな服、お気に入りの化粧品などモノを通して、とある女性の日常を描いています。素材感や立体感の楽しいコラージュイラストレーション、ぜひ実物をご覧いただきたいです。

 

 

 

— まずは今回の展示テーマについてお聞かせください。

「私の中のわたし」がテーマで、架空の彼女の日常を、好きな時間やモノ、好きなことを
ポツポツと紡ぐように世界を表現しました。
姿や形は見えないけれど、こんな雰囲気の女性なんだろうなと感じていただけたらなと思います。

作っている私自身は”こんな人物”と決めすぎず、作っていくうちにどんどんイメージが増えていきました。でも、結局”彼女=わたし”っていう所がいっぱいあります。
見た方々それぞれが色んな想像をして楽しんでくれたらいいなと思います。

 

 

— それぞれの作品タイトルからも想像がふくらんで楽しいですね。個展はいつ以来になりますか?

関西ではやっていたのですが、東京では初めてです。

— 元々は、どのようにクラフトやコラージュを始められたのですか?

ドローイングやペインティングなどもやっていたのですが、
あるとき、アートディレクターの方に「コラージュ作品がいいね」と言われたのを真に受けてコラージュ作品をメインに作るようになっていきました。最初は平面でのコラージュだったのですが、お仕事をしていくうちに、紙が浮いたときにできる
影のおもしろさに気づき、徐々にでっぱりが多くなりました。
立体にしようと意識したというよりは、自由にイメージする形にするべく、紙を曲げたり触っていくうちに現在の形になった感じです。

色々やりましたが、紙の質感や素材が好きだったことと、
元々ファッションも好きなので、服をあわせて選ぶように素材を選んで合わせたり、切ったりちぎったり大胆にもできて、
素材をはずしてやめられるおもしろさ、ライブ感がすごくおもしろいなと感じています。
コラージュは自分の性格にもあっているんだなと思います。

 

 

— 個展準備をする中で、自分の作品が変わってきたなと感じることはありましたか?

今回すべて作りおろしなのですが、作り始めた頃の自分に戻れたような、ルーツにたどり着いたような気がしました。
ここ数年、ありがたいことにお仕事で作品を作る機会が多く、なかなか落ち着いて自分の好きなものを
作ることができていませんでした。お仕事ではフェミニンなものの発注が多かったのですが、
個展ではメンズライクのものや素朴なもの、朴訥なものも作れて元々好きだったものが出てきたなという感覚があります。

 

— 普段はどのように営業されていますか?近年、お仕事が増えたなと感じますか?

営業はあまり行ったことがないのですが、お仕事がお仕事を呼んでくれているようです。
ここ数年はイラストレーションファイルに掲載していただけたことですごく増えました。
大きなコンペにも呼んでいただけて、カレンダーのお仕事を頂けるなど、チャンスも増えてきたと感じます。

 

 

 

— 個展をしてみていかがでしたか?

最近は仕事にまかれてしまっていましたが、自分が好きだったことを見直せていいタイミングで展示ができたなと思います。
自分は何をしたいんだろう?と考えることのできたいい機会でした。
作品を客観的にも見れましたし、たくさんの方に見に来て頂けたことが嬉しかったです。
普段データでやりとりをしている、お仕事関係の方にも改めて現物を見て頂けたこともよかったです。

今は何でもスピード重視で、コピーも簡単にできる時代。先はペーパーレスになるかもしれない…なんて言われている中で、
でもモノを作っている訳で、その中で何が大事かと考えたらやっぱり人の手で作っていることは伝わるということなんじゃないかなと思います。
今回の展示では、手で紙を切った跡や、作った感じを特に見せようとむき出しで飾りました。

スピードを優先させることで、置き去りになっている大切なものが増えてるように感じたりします。
人が作って時間がかかるのは当たり前で、そこにも大切なことがあるんじゃないかと思います。

 

 

— どの作品からも温かみを感じました。
最後になりますが今後やってみたいこと、広がったらいいなと思う事はありますか?

ウェディング関係のお仕事やパッケージのお仕事などやってみたいです。
ウェディングは、人生の中で大切にされる時間ですし、何か携われたらなと思います。

以前やらせていただいた、テゴマスのCDジャケットのお仕事もとても楽しかったです。
通常盤と初回盤の両方をやらせていただいたのですが、撮影をご一緒したり、
実際にファンの子たちに手に取ってもらえ、感想なども頂けて
自分の作ったものがこんなふうに広がっていくんだと感じました。
他のお仕事でコマ撮りのアニメーションを作ったこともあるので、いつかPVやCMのお仕事もやってみたいです。

— ありがとうございました。今後益々のご活躍を楽しみにしております!

 

アンドーヒロミ個展「ヨリミチ」

今週の作家さんはアンドーヒロミさんです。
HBでは約4年ぶりの個展となります。
これまで銅版画で作品制作をされてきたアンドーさん。
今回は、はじめて挑戦されたという紙版画での新作の展示です。
ユニークな形に切り取られた風景は、見ているだけで楽しい気分に!
展示の仕方にもアンドーさんのセンスが感じられます。お見逃しなく!

 

 

— まずは今回のテーマについてお聞かせいただけますか?

近所を散策したり、行きと帰りは違う道を通ったりすることがすきなので、
「ヨリミチ」をテーマにしようと思いました。
今回は、馴染みのある井の頭沿線の景色や、少し遠いところから見た風景、
近所の愛着のあるものを描いています。

これまで銅版で制作していたのですが、今回ははじめて紙版画や他の技法にも挑戦してみたということもあり、
そういった意味でも「ヨリミチ」です。いろんなことをやったほうが楽しいなと思います。

 

 

— 紙版画での制作はいかがでしたか?

新しいことだったので楽しかったです。細かい表現も出来るようになったり、
紙版画の良さも知ることができ、表現の幅が広がりました。無限にあるなと思います。

ボンドでモチーフを描くコラグラフ・カーボランダムという技法があったり
版を重ねていく方法もあるし、いろいろな表現ができます。

 

 

— 今回展示された作品からも、版画の色々な表現が見れますね。

銅版画と紙版画を組み合わせてもいいし、もっと面白いことができそうだなと思います。
今回の作品は白い面が多いけれど、背景もつけたらまた違った雰囲気になりそうです。

— アンドーさんは形の切り取り方もおもしろいですよね。風景などは写真を元に形を作っていくのでしょうか?

今回制作した鉄塔なんかは、最初にリアルに描いてから自分で崩していきます。
一度、自分のなかで消化して形にしていく感じです。リアルに描くと、窮屈で面白くなくなってしまうので。

 

 

— どれも見ていて楽しいです。4年ぶりの個展はいかがでしたか?

やっと日の目を見たので感動しています。
想像していた感じに飾って頂けたのもうれしいです。

HBでの個展は4度目ですが、はじめての個展をするときは、
唐仁原さんにアクリルで描いた絵と銅版の絵を両方見てもらいました。
そのときに「こっちでいきなよ」と銅版の方を選んでくれて、それがなかったら今も銅版を続けていなかったかもと思います。

それまでもずっと銅版はやっていたのですが、自分のスタイルがなくて
でも展示をしていくうちに、今のスタイルができました。
HBで展示をやるからには気合いが入るし、みんなてんぱりながらも頑張ってますよね。他の方の展示もいつも楽しみです。

 

— 今回も素敵な展示をありがとうございました。最後に今後の活動目標などありましたらお聞かせください。

バンドワゴン』シリーズの出版が毎年続いていて、もう10年以上描かせて頂きました。
この本を見て私の絵と知ってもらえることが多く、ラッキーだったなぁと思います。

長く続けていくのは難しいなと、ひしひし感じます。
これからも装画のお仕事をしていけたらすてきですね。